リネットジャパン Research Memo(5):「小型家電リサイクル事業」が新たな収益の柱に

特集
2021年1月21日 15時15分

■決算動向

1. 過去の業績推移

これまでの業績を振り返ると、創業来の「リユース事業」が安定収益源としてリネットジャパングループ<3556>の業績を支えてきた。また、2015年9月期から着実に伸びてきた「小型家電リサイクル事業」に加え、2018年9月期には「海外事業」にも本格参入しており、足元ではコロナ禍の影響を受けているものの、同社は新たなステージへと入ってきたと言える。

また、損益面でも、「リユース事業」におけるローコストオペレーションによる原価低減や販管費の削減(人件費の抑制、物流コストや広告宣伝費の見直しなど)などにより、「小型家電リサイクル事業」への先行費用をまかないながらも、一定の利益水準を確保してきた。2017年9月期の落ち込みは、「リユース事業」における買取価格コントロールの一時的な読み違いや株式上場に伴う間接費の増加によるものである。また、2018年9月期においても「小型家電リサイクル事業」への一時的なブランディング費用や本社移転費用等により、利益水準はやや低調に推移した。2019年9月期は「海外事業」の拡大等により同社の収益力は大きく底上げされた。ただ、2020年9月期は「リユース事業」及び「小型家電リサイクル事業」が過去最高業績を更新したものの、コロナ禍の影響により「海外事業」が大きく落ち込んだ。

財務面では、2016年12月に株式上場に伴う新株発行(約2.6億円の資金調達)により財務基盤を強化した一方、同時に長期借入金により今後の成長に向けた投資余力(手元流動性)も確保したことから、2017年9月期末の自己資本比率は35.4%(2016年9月期末は37.7%)と若干低下した。さらに、2018年9月期末は、「海外事業」における車両販売の伸びやチャムロンの連結化により総資産が大きく拡大し、自己資本比率は19.8%に低下。2019年9月期は第三者割当により発行した新株予約権の行使(約15億円の資金調達)等により自己資本比率は33.8%に改善したものの、2020年9月期はコロナ禍の影響を見据え、流動性の確保や保守的な資産評価(引当金繰入)を優先させた結果、自己資本比率は再び15.7%に低下している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《NB》

提供:フィスコ

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