米国株式市場見通し:大手ハイテク決算に注目

市況
2021年1月23日 14時31分

景気循環株の上げが一段落する一方で、好決算を材料に主要ハイテク主導の上昇となる可能性がありそうだ。携帯端末のアップルは27日に2021年度第1四半期(2020年10-12月期)決算の発表を予定している。今回の決算は5G対応「iPhone 12」をはじめとする新商品やサービスの売り上げが初めて含まれるが繰延需要が利益を押し上げると期待されている。また、在宅勤務の拡大も奏功し、過去最高益を記録するとのかなり強気予想もあり、期待したい。

同時に、バイデン新政権のエネルギー政策、税制、全国的な新型コロナウイルスワクチン戦略などを見極めたい。野党共和党からの反対意見も強く、大統領が提示した約2兆ドルの追加経済対策は規模が縮小または、実施が遅れるとの懸念も浮上している。ウイルス感染の拡大に歯止めがかからず、外出規制の厳格化や長期化が回復の遅れに繋がる。第4四半期決算で4四半期連続赤字計上した航空大手のユナイテッドは回復へのタイムラインを先延ばしするなど、経済の正常化まで「長い道のり」との認識が投資家間に改めて広がった。来週は、上院指名承認本会議でイエレン財務長官の採決を予定している。イエレン氏は議員の質問への返答書の中でバイデン政権の所得税や法人税、キャピタルゲイン税率を引き上げる方針を確認しており、特に景気循環株にとりマイナス材料になりそうだ。

経済指標では、12月シカゴ連銀全米活動指数、1月ダラス連銀製造業活動(25日)、11月FHFA住宅価格指数、S&Pコア住宅価格指数、1月消費者信頼感指数、1月リッチモンド連銀製造業指数(26日)、12月耐久財受注(27日)、週次失業保険申請件数、10-12月期国内総生産(GDP)速報値、12月先行指数、12月新築住宅販売件数(28日)、12月個人所得・支出、PCEコアデフレーター、12月中古住宅販売仮契約、ミシガン大学消費者信頼感指数(29日)、などが予定されている。10-12月期GDP速報値は7-9月期に33.4%増と過去最大の伸びを示したのち、成長率は4.8%へ鈍化する見通しだ。

また、FRBは26日、27日の2日間にわたり開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で大規模な金融緩和政策を維持する公算。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、経済活動の再開が遅れ、雇用や消費鈍化の兆候が確認される中、パウエル議長は先制的な利上げはせず、インフレが持続的に2%を確実に上回るまで大規模金融緩和を長期にわたり維持する方針を再表明すると見られ、相場を支援するだろう。

企業決算では、主要ハイテクで 携帯端末のアップル(27日)、マイクロソフト(26日)、ソーシャルネットワーキングサービスのフェイスブック(27日)に加え、ヘルスケア関連ではジョンソン・エンド・ジョンソン(26日)、イーライリリー(29日)、電気自動車メーカーのテスラ(27日)、航空機メーカーのボーイング(27日)、ファーストフードチェーンのマクドナルド(28日)、石油のシェブロン(29日)、重機メーカー、キャタピラー(29日)、などが予定されている。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

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