富田隆弥の【CHART CLUB】 「調整を挟んで2月上値追い」
◆高値圏で堅調に推移していた株式市場だが、FOMC(連邦公開市場委員会)のあった1月27日、NYダウ平均は▲2.05%(633ドル安)、S&P500が▲2.57%(98.85ポイント安)、ナスダック総合指数が▲2.61%(355.47ポイント安)と米国市場は荒れた。そして、翌28日、日経平均株価は437円安の2万8197円と急落、「日本株は米国次第」であることを改めて認識させられた。
◆27日のFOMCは緩和姿勢を継続したが、サプライズなく終えた。また、マイクロソフトやアップル、フェイスブック、アルファベット(グーグル)など主力企業が好決算を発表したが、全体の下落に押されて株価はどこも冴えなかった。つまり、株式市場は金融緩和や財政出動、好決算などの好材料を織り込んできただけに、FOMCを迎えたタイミングで「出尽くし感」が漂い、利益確定売りが急がれたことは否めない。
◆ただし、日米市場とも1月下旬に調整を入れることは珍しくない。年末から買い基調を続けてきた相場はテクニカル指標(RCIなど)が過熱シグナルを灯していたこともあり、調整を挟みやすいタイミングだったと言える。カネ余りの地合いに変わりはなく、チャートの上昇基調も続いていることから、これが程よい「スピード調整」となり、2月は再び高値にトライすることが想定される。そうなれば、日経平均はいよいよ「3万円回復」の声を聞くことになろう。
◆とはいえ、テクニカル指標の過熱はそう簡単には収束せず、過熱状態は続く。また、一時的にせよ相場が急落したことは「風雨が強まる高値圏」で、買い方・売り方の需給が拮抗していることを示した。チャートはここからダブルやトリプルの高値(天井)を形成しやすく、次に訪れる急落場面が要注意になる可能性があることを頭に入れておきたい。
(1月28日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース