10日の香港市場概況:ハンセン1.9%高で4日続伸、美団5.2%上昇で最高値

市況
2021年2月10日 18時07分

10日の香港市場は値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比562.53ポイント(1.91%)高の30038.72ポイントと4日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も207.49ポイント(1.77%)高の11810.25ポイントと続伸した。ハンセン指数は1月25日以来、約2週半ぶりに心理的節目の30000ポイントを回復している。「ニューエコノミー」関連で構成されるハンセン科技指数も2.54%高の10214.73ポイントと続伸し、終値ベースで算出以来の高値を塗り替えた。売買代金は1759億8200万香港ドルに拡大している(9日は1499億3800万香港ドル)。

人民元高の進行が好感される流れ。中国人民銀行(中央銀行)は10日、人民元レートの対米ドル基準値を約2年8カ月ぶりの元高水準に設定した。今年に入り高値圏でもみ合っていた対米ドルの人民元相場も、上海外国為替市場で一段高となっている。通貨高を背景に、資金流入も期待される格好だ。中国の融資増もプラス。前日引け後に公表された今年1月の金融統計では、国内金融機関の人民元建て新規融資が過去最大を記録した実態が明らかにされている。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が5.2%高、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が3.8%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が3.6%高と上げが目立った。美団と申洲国際集団は上場来高値を更新している。香港交易所は9日引け後、米JPモルガン・チェース幹部を務めた経歴を持つニコラス・アグジン氏をCEO(最高経営責任者)に起用する人事を発表。CEO職を巡っては、昨年末に李小加氏が退任して以降、人事が難航していただけに、安心感が広がっている。

セクター別では、本土系の銀行が高い。交通銀行(3328/HK)が2.6%、中国建設銀行(939/HK)が2.5%、中国農業銀行(1288/HK)が2.2%、中国工商銀行(1398/HK)と中国銀行(3988/HK)がそろって1.9%ずつ上昇した。

非鉄(レアアース)関連の銘柄群も急伸。中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が8.7%高、中信資源HD(CITICリソーシズ・ホールディングス:1205/HK)が7.9%高、金川集団国際資源(2362/HK)が7.0%高、五鉱資源(1208/HK)が6.3%高、新疆新キン鉱業(3833/HK)が4.5%高、江西銅業(358/HK)が3.1%高と値を上げた。このところロンドンや上海の商品取引所では、非鉄市況が上昇基調で推移している。レアアース高の思惑が高まった。中国向けレアアース輸出の主要サプライヤー、ミャンマーでは、軍事クーデターが今月発生し、国軍に対する市民の抗議行動が一段と激しくなっている状況。資源供給がタイトになるとの見方だ。

ネットゲームや電子商取引(Eコマース)など「巣ごもり消費」関連も物色される。上述した美団のほか、心動(XD:2400/HK)が7.8%高、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が5.3%高、網易(ネットイース:9999/HK)が4.6%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が4.6%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が2.6%高で取引を終えた。心動とキングソフト、ネットイースはそろって最高値を更新している。また、ショート動画投稿アプリ展開の快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)は13.2%高の397.00香港ドルに急伸した。同社株は今月5日に上場し、公募価格を193.9%上回る338.00香港ドルで初値を付けるなどロケットスタートしている。

一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.43%高の3655.09ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。非鉄(レアアース)株、時価総額上位の銀行株、医薬品株、エネルギー株、ハイテク株、インフラ関連株、公益株、保険株なども買われた。

なお春節(旧正月)により、本土市場はあす11日から17日まで休場。香港市場は11日に半日立ち会い、12?15日が休場となる。

亜州リサーチ(株)

《FA》

提供:フィスコ

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