来週の株式相場に向けて=中小型株物色へのシフトはあるか
2月第2週(8~12日)の日経平均株価は前週に比べ740円(2.6%)高と2週連続の上昇となった。特に8日には1990年8月以来、30年6カ月ぶりに2万9000円台に乗せ、3万円回復がついに視野に入った。
ただ、2月に入ってから日経平均株価が下落したのは2日間のみ。騰落レシオは120と過熱ゾーンに入りつつある。特に、日経平均3万円は相場の大きなフシだ。3万円にリンクした取引は少なくないとみられ、「一気の大台替えは難しいかもしれない」(市場関係者)とみる声も少なくない。当面は、米追加経済対策の成立に向けた思惑で一進一退が予想され、日経平均は2万9000円半ばでの高原状態が続くことも予想される。
そんななか、注目されるのが中小型株だ。東証マザーズ指数は昨年10月に高値を付けた後、4カ月の調整を経て出直り歩調にある。日経ジャスダック平均は昨年1月高値に接近している。日経平均株価やTOPIXが30年ぶり高値に買われていることに比べれば、中小型株の出遅れは鮮明だ。東証1部市場がもみ合い局面に入れば、物色の矛先は中小型株に向かうことはあり得そうだ。東証マザーズならメルカリ<4385>やフリー<4478>、マネーフォワード<3994>、ウェルスナビ<7342>、ジャスダックならハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>やNITTOKU<6145>、フェローテックホールディングス<6890>などが注目される。
来週は、15日に10~12月期国内総生産(GDP)、17日に12月機械受注が発表される。決算発表は12日がピークだが、最終組として15日はキリンホールディングス<2503>やリクルートホールディングス<6098>、16日にブリヂストン<5108>などが決算を予定している。18日にアクシージア<4936>、19日にWACUL<4173>が東証マザーズに新規上場する。来週は医療従事者を対象にした新型コロナワクチンの先行接種も始まる。
海外では15日は米国がプレジデンツ・デーで休場だが、17日に米1月生産者物価、同小売売上高が発表される。また、18日に米アプライドマテリアルズが決算を予定している。(岡里英幸)