話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ紡織、大日印、東エレク

注目
2021年2月19日 15時16分

■トヨタ紡織 <3116>  1,742円  +29 円 (+1.7%)  本日終値

トヨタ紡織<3116>が5日ぶりに反発。同社は18日取引終了後、トヨタ自動車<7203>が保有するトヨタ紡織の株式の一部を、証券会社を通じて売却したことを確認したと発表した。来年4月に予定されている東証の市場再編で最上位市場の「プライム市場」に上場するため上場基準の流通株式比率の充足を図るため、同社がトヨタに要請していたもの。この日は同社株がプライム市場に上場するためには前向きな動きとして評価する買いが入った様子だ。

■大日本印刷 <7912>  1,930円  +32 円 (+1.7%)  本日終値

大日本印刷<7912>が4日ぶりに反発。この日、コンテンツ制作の業務効率化支援サービスの開発でアドビ(東京都品川区)と協業すると発表しており、これが好材料視された。企業のデジタル資産の適切な管理などを行うアドビの「Adobe Experience Manager Assets」を生かし、マーケティング用の紙メディア・Webメディア・アプリなどに使うテキスト・画像・動画などのアセット(情報資産)を一元管理し、コンテンツ制作からPDCAの運用などを一貫して支援。これにより、顧客体験を最大化するサービスを開発するという。大日印とアドビ、大日印グループ会社で企業の総合的なマーケティング施策を支援するDNPコミュニケーションデザインの3者で機能開発や実証実験を進め、7月にサービスの提供開始を予定。23年度までに関連サービスも含めて50億円の売り上げを目指すとしている。

■東京エレクトロン <8035>  43,540円  +660 円 (+1.5%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連株が底堅さを発揮している。前日の米国株市場では半導体製造装置世界トップのアプライドマテリアルズをはじめ、半導体関連株が総じて売りに押される展開で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続落となった。SOX指数は2月に入ってからも上昇基調を続け今週16日まで最高値更新基調を続けていたが、目先は利益確定売りが優勢となっている。ただ、世界的な半導体不足が続いている状況に変わりはなく、インテルやエヌビディアなど主力半導体関連には押し目買いの動きも観測され下げは小幅にとどまっている。東京市場でも同様の動きがみられ下落余地は限定的との見方もある。

■東亞合成 <4045>  1,227円  +15 円 (+1.2%)  本日終値

東亞合成<4045>は反発。きょう付けの化学工業日報で「カ性カリ(水酸化カリウム)の同業から事業買収を検討していることが分かった」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、国内メーカーのAGC<5201>、日本曹達<4041>、大阪ソーダ<4046>のうち2社から事業譲受を計画しているもようという。カ性カリは半導体向けの高純度品が半導体需要を背景に好調に推移し、東合成の成長事業の一つになっていることから、買収による事業強化が期待されている。

■メディアドゥ <3678>  6,190円  +30 円 (+0.5%)  本日終値

メディアドゥ<3678>は3日ぶりに反発。18日の取引終了後、連結子会社のMyAnimeListがメディアドゥ、講談社、集英社、小学館を割当先とする第三者割当増資を実施すると発表しており、これが材料視されたようだ。MyAnimeListは世界最大級のアニメ・マンガのコミュニティ&データベースを企画運営している。調達資金は総額12億円で、現行のサービスやコミュニティー機能の改善、新規サービスの追加などの投資に充てるという。4社以外にも増資引き受けを検討している企業があり、引き受けが確定した場合、同社の出資比率は40.5%に下がり、持ち分法適用会社になる予定だ。同社はグループとしての中長期的な企業価値向上に資すると判断し、今回の決定に至ったとしている。

■横浜ゴム <5101>  1,800円  +7 円 (+0.4%)  本日終値

横浜ゴム<5101>はプラス転換。午後1時ごろに発表した21年12月期連結業績予想で、売上高6200億円(前期比8.7%増)、営業利益505億円(同38.7%増)、純利益345億円(同31.1%増)と大幅増益を見込み、年間配当を前期比1円増の65円を予定していることが好感された。自動車生産の回復を受けて、販売量の増加が見込まれることに加えて、製造原価の低下などが寄与する。なお、想定為替レートは1ドル=105円(前期107円)、1ユーロ=125円(同122円)としている。20年12月期決算は、売上高5705億7200万円(前の期比12.3%減)、営業利益364億900万円(同37.8%減)、純利益263億1200万円(同37.3%減)と大幅な減益だったが、従来予想の営業利益300億円は上回って着地した。国内冬用タイヤを中心に販売が好調だったことなどが要因としている。

■アンビスHD <7071>  6,360円  -980 円 (-13.4%)  本日終値

アンビスホールディングス<7071>が急落。同社は18日取引終了後、公募増資と株式売り出しを発表しており1株当たり利益の希薄化や株式需給の悪化が警戒された。150万株の公募と68万1000株の売り出し、それに上限31万9000株のオーバーアロットメントによる売り出しを実施する。調達資金は約82億5100万円で設備投資や借入金の返済などに充てる。発行済み株式数は最大で約7%増える見込み。発行・売出価格は3月3日から9日までのいずれかの日に決定する。

■ファーストリテイリング <9983>  104,750円  -2,600 円 (-2.4%)  本日終値

ファーストリテイリング<9983>は売りに押される展開。前日まで9連騰と一貫した上昇トレンドを形成し、日経平均寄与度の高い銘柄として指数押し上げ効果をもたらしていたが、きょうは取引開始直後の段階で全体軟調地合いを助長する方向に働いている。前日は終値ベースで4700円高に買われ、日経平均を約170円も押し上げた。前日の日経平均株価は56円安だったが、仮にファストリを除いた場合は230円近く下落していたことになる。同社はコロナ禍にあって業績面では逆風が強いものの、今週に入って株価を初の10万円大台に乗せ上場来高値圏を走っていた。日銀のETF買いや指数連動型ファンドなど機関投資家の運用戦略上の理由から株式の吸い上げが続き、品薄感が強い。これが同社株のボラティリティを高めるとともに、全体指数にイレギュラーな影響を与えている。

■日本製鉄 <5401>  1,516円  -10.5 円 (-0.7%)  本日終値

日本製鉄<5401>は続落。自動車向けの鉄鋼需要の回復などを材料に株価は上昇基調にあっただけに、足もとでは利益確定売りが出ている様子だ。19日付の日本経済新聞は、同社は「茨城県鹿嶋市の製鉄所で、基幹設備である高炉1基を休止する方針を固めた」と報じた。広島県などでも高炉3基の休止を決めていることから、国内の生産能力は約2割減るという。この報道に対して、アナリストからは「ポジティブ」と評価する見方が出ている。汎用品市場は長期的には競争激化が懸念されるが、電磁鋼板など付加価値の高い製品へのシフトによって収益性を高めることは可能だろう、とみている。

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