為替週間見通し:もみ合いか、米長期金利や米国株式の動向が手掛かり材料に

通貨
2021年2月20日 14時45分

【今週の概況】

■米長期金利上昇を意識してドル買い強まる

今週のドル・円は強含み。日本の10-12月期国内総生産(GDP)が予想を上回り2期連続のプラスとなったことや、ワクチン接種開始を好感し、日経平均株価は30年半ぶりに3万円台を回復したことから、リスク選好的なドル買い・円売りが優勢となった。米国の1月の生産者物価指数や小売売上高が予想以上に上昇したほか、新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向にあることから、米長期金利の上昇に伴うドル買いも観測された。ドル・円は2月17日に昨年9月以来となる106円22銭まで上昇した。

19日のニューヨーク外為市場でドル・円は、105円24銭まで下落後、105円67銭まで戻した。この日発表された1月米中古住宅販売件数は予想に反して増加したことや、マークイット2月サービス業PMI速報値は改善したことが、ドル買い材料となった。イエレン財務長官が大規模追加経済対策の必要性を強調し、関連法案成立への期待が再び高まったこともドル買いにつながった。ドル・円は105円45銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:104円91銭-106円22銭。

【来週の見通し】

■もみ合いか、米長期金利や米国株式の動向が手掛かり材料に

来週のドル・円はもみ合いか。米国における新型コロナウイルスの新規感染者は減少傾向にあるが、バイデン政権は製薬大手ファイザーとモデルナから追加購入の契約を決め、7月末までに全国民へのワクチン供給を進める考えのようだ。経済活動拡大への期待は持続しており、2月25日発表の10-12月期国内総生産(GDP)改定値が市場予想を上回った場合、景気見通しは改善し、ドル買い材料となりそうだ。

ただ、長期金利の上昇は株価収益率(PER)の高いハイテクなど一部セクターを圧迫する(株安の材料)可能性がある。金利上昇で米国株式がさえない動きとなった場合、長期金利は反落する可能性もあり、この場合はドル売り・円買いが増えると予想される。なお、2月23日にはパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が予定されているが、現行の低金利政策を長期間維持することを改めて伝えるとみられており、有力な売買材料にはなりにくいだろう。

【米・10-12月期国内総生産(GDP)改定値】(25日発表予定)

25日発表の10-12月期国内総生産(GDP)改定値は、前期比年率+4.3%と予想されており、速報値の同+4.0%を上回る可能性がある。ただし、改定値が市場予想を下回り、景気回復シナリオが鈍化すれば、株売り・ドル売りの要因となりやすい。

【米・1月PCEコア価格指数】(26日発表予定)

26日発表の1月PCEコア価格指数は、12月の前年比+1.5%からの推移が注視される。コロナまん延で伸びの鈍化は織り込み済みだが、市場予想を下回った場合、株価・金利を下押し、ドル売り材料となる。

予想レンジ:104円50銭-106円50銭

《FA》

提供:フィスコ

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