タマホーム Research Memo(2):注文住宅大手でリフォームや戸建分譲ほか不動産事業など周辺事業領域に展開

特集
2021年2月24日 18時12分

■事業概要

1. 事業内容

タマホーム<1419>の事業セグメントは、住宅事業、不動産事業、金融事業、エネルギー事業、その他事業の5つの事業セグメントで開示されており、2021年5月期第2四半期累計の売上高構成比で見ると住宅事業が約80%を占める主力事業となっており、次いで戸建分譲事業やマンション、サブリース、その他不動産物件の販売等が含まれる不動産事業が約16%を占めている。不動産事業については期によって大型物件の売却益を計上することがあるため、利益変動が大きくなる傾向にあるが、注文住宅事業と不動産事業で連結業績の大半を占める構造であることに変わりない。各セグメントの内容は以下の通り。

(1) 住宅事業

住宅事業の主力は、注文住宅の建築請負事業である。同社は、「より良いものを より安く提供することにより 社会に奉仕する」という経営方針のもと、設立当初から注文住宅としては画期的な低価格化を実現し、主にロードサイド型の独立型店舗の出店による全国展開と、テレビCMや折込チラシ等の広告宣伝による積極的な集客戦略を行うことで顧客を獲得し、成長を続けてきた。ここ数年は、インターネットの普及によりWebマーケティングも強化している。店舗数は2021年5月期第2四半期末で245店舗となり、北海道から沖縄まで全都道府県に展開している。

注文住宅のラインナップとしては、設立当初からの主力商品である「大安心の家」(自由設計・オール電化・豊富な設備仕様が特徴)を中心として、都市部での狭小地向け3階建て住宅である「木望の家」、低価格訴求商品である「シフクノいえ」、高価格帯商品となる「大安心の家 PREMIUM」など各種商品をラインナップしている。また、2016年7月より戦略商品として各地域のニーズに合わせて投入している「地域限定商品」を、2020年1月からコストパフォーマンスに優れた「期間限定商品」(各期間のニーズに応じた商品仕様を設定)を全国で順次投入しており、2021年5月期第2四半期累計ではこの両商品で受注棟数の約90%を占めるまでになっている。商品の平均価格帯を見ると、「大安心の家」をベースとした「期間限定商品」が1,800万円前後、低価格帯商品である「シフクノいえ」が1,200万円前後となっている。また、良質な国産材にこだわった家づくりをしているのが特徴で、構造躯体に使用される木材のうち、国産材の比率は約74%となっている※。

※「大安心の家」シリーズ。2018年10月時点、同社調べ。

その他、同セグメントにはリフォーム工事請負事業や住宅関連紹介事業(住宅建築に付随する各種工事など)が含まれる。

(2) 不動産事業

不動産事業には戸建分譲販売事業(分譲宅地含む)、マンションの企画・開発・販売事業(中古マンションのリノベーション販売含む)、オフィスビルのサブリース事業、オフィス区分所有権販売事業のほか、各種不動産物件の販売等が含まれる。オフィス区分所有権販売事業では、東京主要5区を対象エリアに中小規模のオフィスビルを1棟仕入れ、バリューアップ後に全国の不動産オーナー(個人)や法人(中堅企業)向けに所有権を小口化して販売している。

(3) 金融事業

金融事業は、主に住宅購入者向けの火災保険や地震保険、生命保険など各種保険の販売代理業務のほか、子会社のタマファイナンス(株)にて住宅購入資金の本融資実行までのつなぎ融資サービスを行っている。売上構成比は全体の1%弱と小さいが利益率は高く、同社の中では安定収益源となっている。

(4) エネルギー事業

子会社の(株)九州新エネルギー機構が福岡県大牟田市でメガソーラー発電所(タマホーム有明メガソーラー発電所)を運営している。2015年2月より商業運転を開始し、全量を九州電力<9508>に売電している。発電能力は15MW(メガワット)で、金融事業と同様に売上規模は小さいものの利益率は高く、安定収益源となっている。なお、発電能力については今後も現状を維持する方針となっている。

(5) その他事業

その他事業には、国内子会社で展開する広告代理業や、家具販売・インテリア工事の請負、地盤保証などの住宅周辺事業、障がい者雇用支援のための農業事業を行っている。また、海外事業に関しては引き続き事業の選択と集中を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《ST》

提供:フィスコ

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