【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 再び天空目指す「収益好転株」、株式投資の幹となるのは成長力
「再び天空目指す『収益好転株』、株式投資の幹となるのは成長力」
●バリュー株シフトの「言葉の罠」
私が劇作家なら、「東京市場、怒りの反騰。日本株のマグマは燃え続けていた」、なんて表現したい局面だ。米国長期債(10年債)利回りの上昇により、NASDAQ市場が急落したことを受けて、東京市場も連動安してしまったわけだが、その過程で明確になったのが市場の底流変化だ。
分かりやすく表現するなら、グロース(成長)株からバリュー株へのシフトということになるが、私に言わせるとややニュアンスが異なる。「収益絶頂株」から「収益好転株」へとなる。実に平凡な表現になるのだが、市場の実体を見ると、こうしたことになっている。
そして、実際に投資する場合も、こんな視点の方が投資しやすくなる。「グロース株」から「バリュー株」へとなると、「グロース=成長株」は全部ダメ、バリュー株つまり評価が低い銘柄はことごとく上がるという極端なことになってしまう。それではせっかくの有望銘柄を見逃してしまうし、逆にバリュー株だと勘違いしてクズ銘柄に投資してしまうかもしれない。
●アクシデントでは砕けぬ根源の強さを見直す
改めて書くのも気が引けるが、株価は業績に連動する。もちろん、目先はそうならないこともある。すくすくと成長しつつある樹木でも、不意の突風や雨風、地震などによってそれが止まったり、枝葉が折れたりする。しかし、その樹木の根本的な成長力が衰えない限り、しばらくすると再び天空を目指しはじめる。
我が家の庭には金木犀と銀木犀が植わっているが、伸びすぎると思い出したように枝を適当に切り落とすのだが、それでも伸び続けてもう手に負えなくなっている。成長力を持つ株も基本的には同じように伸び続ける。こう見てよく、こんな観点で現在の東京市場を見回すと、「収益好転株」が多数あることが分かる。
それに投資していけばよいので、次のような銘柄に注目だ。
まずは、竹内製作所 <6432> だ。ミニショベルに強い建機メーカーで、海外での販売に強いことで知られている。当然、コロナの影響は甚大であり収益は落ち込んでしまったが、欧米ともにコロナ禍を乗り切りつつあるため、今後ミニショベルの需要も回復に向かうと見てよく、株も期待が持てる。
半導体・LED用リードフレームに強いエノモト <6928> も値動きは地味ながら、モバイル向けコネクター用部品需要の回復により、株価は緩やかな浮上を続ける確率が高いと見てよい。
不動産業界も収益好転企業が多く、まずはテレビCMを積極的に流している飯田グループホールディングス <3291> だ。都内の狭小戸建て住宅販売に強いオープンハウス <3288> も、高値圏ながらまだ天井は先になりそうだ。
ファッション分野にも有望株はある。私の大好き銘柄であるTOKYO BASE <3415> だ。国内の独自ブランドショップ「UNITED TOKYO」は底打ちが見込める上に、中国での展開に期待が持てる。中国の消費者たちにとって、「TOKYO」はかなりのインパクトがあり集客好調が予見される。
カーコーティング材の製造卸とサービスに強いKeePer技研 <6036> も、今年になって下げ続けてしまった。ドライブの季節が訪れることを考えると、株価も蘇生が見込める。
国産車の国内販売はさえないものの、外車販売は上向きつつある。当然、欧州車の販売から上向き始めるので、BMW、フィアットなどに強いウイルプラスホールディングス <3538> が投資対象としては魅力的だ。
飲食店株にも目を向けておくと、食べ放題焼肉店「焼肉きんぐ」を運営する物語コーポレーション <3097> でよい。
2021年3月12日 記
株探ニュース