【杉村富生の短期相場観測】 ─ 物色の流れは微妙に変化! IT系が出直る?

市況
2021年3月14日 9時15分

「物色の流れは微妙に変化! IT系が出直る?」

●ウォール街では「TINA」のスローガン!

日本列島は桜の季節を迎えている。東京の開花は3月15日前後と予想されている。桜前線は急ピッチで北上している。沖縄(すでに、桜祭りが終了)ではとっくに「ハザクラ」という。ともあれ、春本番である。株式市場は「節分天井、彼岸底」を通過し、昨年と同様に投資の時代(株高のシーズン)が本格的に到来する。

コロナ制圧(ワクチン接種)、経済正常化は近い。ウォール街では「TINA」(There is no alternative)というスローガンが囁かれている。すなわち、「株式に代わる選択肢はない」ということ。確かに、投資環境は良好だ。実際、NYダウ平均、S&P500指数は史上最高値を更新中である。

物色面はどうか。年初以来、景気敏感セクター、ポストコロナセクター、技術革新セクター、政策関連セクターの交互(循環)物色と主張してきた。2月以降は景気回復期待、長期金利の上昇を反映し、IT系などイノベーショングループは旗色が悪かった。乗り替えの対象にされたのだ。しかし、その動きに変化が見え始めている。

その象徴が電気自動車(EV)のテスラだろう。1月25日の高値900ドルが3月5日には瞬間、539ドルまで売られた。時価総額50兆円の銘柄が4割もの急落となったのだ。それが9日には673ドル(1日に2割高)、11日には702ドルまで戻した。機関投資家のポートフォリオの組み替えはほぼ終わったのではないか。

技術革新の進展は産業構造の激変、生活スタイルの変化を先取りしている。決して後戻りすることはない。いや、5G(次世代通信システム)DX(デジタルトランスフォーメーション)IoTテレワークEC(電子商取引)ビッグデータなどの重要性は一段と高まるだろう。

●「呪術廻戦」&IPOブームに乗る!

マーケットの話題では、筆者は「週刊少年ジャンプ」に連載されている「呪術廻戦」(単行本は3600万部突破のヒット)に興味がある。小中学生には「鬼滅の刃」を上回る人気という。関連企業(キャラクター、グッズ販売)はレッグス <4286>、イオンファンタジー <4343> など。

IPOブームの到来も見逃せない。3月16日~4月13日に20社の上場が予定されている。ただ、上場前に公募価格で公開株を入手するのは一般的に難しいし、初値を狙うのはリスクが大きすぎる。そこで直近IPOの押し目を拾う戦術はどうか。具体的にはベトナム人技術者(1200人)を抱えるSun Asterisk <4053> [東証M]に妙味があろう。

さらに、ファンドの買いが継続しているRetty <7356> [東証M]、事情通が介入のビーイングホールディングス <9145> [東証2]、深押し(上場以来、公募価格2250円を一度も上回っていないバリオセキュア <4494> [東証2]などに注目できる。

このほか、チャート妙味(出直り態勢)のアイエックス・ナレッジ <9753> [JQ]、中国政府の「自立自強」戦略に沿う紫光集団グループのテラプローブ <6627> [東証M]、切り口多彩かつ米ズームのパートナーのテクノホライゾン <6629> [JQ]、レアメタル回収のアサカ理研 <5724> [JQ]は狙える。

2021年3月12日 記

株探ニュース

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