利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 38社選出 <成長株特集>
本特集では、1月下旬から2月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編第1弾として、時価総額2000億円以上の東証1部銘柄を対象に、20年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、10-12月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している38社を選び出し、10-12月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、インターネットイニシアティブ <3774> 。20年10-12月期(第3四半期)の経常利益は過去最高だった直前の7-9月期実績を71.8%も上回る47.6億円に伸びて着地。テレワーク普及による通信需要の増加で法人向けインターネット接続サービスやセキュリティ、クラウド関連ビジネスが増勢だったほか、モバイル接続料が低減したことも利益を押し上げた。
2位のタカラバイオ <4974> も10-12月期(第3四半期)は2四半期連続の最高益を記録した。研究用試薬や受託サービスが増加したほか、昨年11月に発売した新型コロナウイルス体外診断用医薬品などのPCR検査関連製品の販売が大きく伸びた。また、売上構成の良化や生産稼働率の向上で採算が改善したことも利益拡大につながった。
3位に入ったコーエーテクモホールディングス <3635> の10-12月期(第3四半期)は、新たに投入したスマートフォン向けゲーム「三國志 覇道」やニンテンドースイッチ用ソフト「ゼルダ無双 厄災の黙示録」が好調だったほか、中国で配信中の「三国志・戦略版」が高水準なロイヤリティ収入を継続した。業績好調に伴い、21年3月期の通期業績見通しと配当予想を大幅上方修正している。
5位のスシローグローバルホールディングス <3563> はコロナ禍で既存店客数は減少したものの、出店拡大を続けたことに加え、新価格帯商品の導入などで客単価が上昇したことが寄与し、10-12月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比41.8%増の66.5億円に膨らんだ。続く6位のヒューリック <3003> はオフィスビルなどの不動産賃貸収入が増加したことに加え、販売用不動産の売却も順調に進み、4四半期ぶりの最高益を達成した。
選出リストには、旺盛な巣ごもり消費を追い風に業績を伸ばした企業が目立つ。8位のソニー <6758> は昨秋発売のゲーム機「プレイステーション5」が好調だったほか、映画「鬼滅の刃」の大ヒットなども収益拡大に貢献した。また、29位の任天堂 <7974> は主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」やソフト「あつまれ どうぶつの森」などの販売を大きく伸ばした。両社とも実に13年ぶりに四半期ベースの最高益更新を果たしている。
7位にリスト入りしたZOZO <3092> はEC需要の増加を追い風に、主力の衣料品通販サイト「ZOZOTOWN」で商品取扱高が拡大し、4四半期連続の2ケタ増収増益を遂げた。宅配大手のヤマトホールディングス <9064> 、SGホールディングス <9143> 、アマゾンジャパンを主要顧客とする丸和運輸機関 <9090> もEC市場の拡大が追い風となった。
9位のエフピコ <7947> はコロナ禍による自炊の増加を背景に、食品スーパー向けトレーの販売が伸び、10-12月期(第3四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。11位のKADOKAWA <9468> は主力の出版事業で好採算の電子書籍が増勢だったうえ、紙書籍の返品率が大幅に改善したことも利益を押し上げた。
15位のリンナイ <5947> は巣ごもり需要が高まるなか、オート調理機能付きガスコンロや給湯機器の販売が好調だった。このほか、17位のエレコム <6750> はテレワークの普及でパソコン関連機器の需要が拡大し、10-12月期(第3四半期)は3四半期連続で経常利益の最高益を更新している。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3774> IIJ 71.8 4761 2772 56.9 12300 7840 29.7
<4974> タカラバイオ 65.8 5099 3075 90.6 12100 6347 46.6
<3635> コーテクHD 62.8 14585 8957 74.9 33000 18869 35.4
<2531> 宝HLD 49.3 11628 7789 5.1 19300 18359 31.6
<3563> スシローGH 41.8 6656 4693 13.5 16300 14363 52.6
<3003> ヒューリック 40.0 45515 32521 4.6 100000 95627 13.5
<3092> ZOZO 30.5 13934 10678 27.1 41600 32740 36.2
<6758> ソニー 26.1 477371 378440 10.7 1120000 1011648 13.3
<7947> エフピコ 25.1 7340 5866 18.0 19200 16274 31.2
<9064> ヤマトHD 24.2 63197 50888 15.2 82000 71194 26.0
<9468> カドカワ 23.7 5307 4289 37.4 14000 10189 28.9
<6586> マキタ 21.8 27141 22285 1.4 81000 79919 22.0
<3923> ラクス 18.6 1085 915 145 3617 1474 145
<9143> SGHD 15.5 37212 32219 25.4 101000 80532 23.2
<5947> リンナイ 15.0 14964 13010 8.4 40000 36910 24.2
<6981> 村田製 14.6 106340 92827 4.2 291000 279173 27.2
<6750> エレコム 13.8 4326 3801 11.0 15100 13598 21.6
<6920> レーザーテク 13.0 7431 6576 32.3 20000 15115 89.0
<6544> Jエレベータ 12.4 960 854 35.0 3650 2703 91.0
<4307> 野村総研 12.2 24064 21438 2.9 87000 84528 31.4
<4186> 東応化 10.9 4914 4430 3.5 16700 16129 25.7
<9090> 丸和運機関 9.9 2618 2382 9.6 8100 7392 48.7
<4552> JCRファ 9.9 2694 2452 18.4 6000 5068 85.9
<4528> 小野薬 9.5 30984 28307 19.8 95500 79696 19.9
<3880> 大王紙 9.1 11401 10451 0.0 30000 29989 19.0
<6028> テクノプロH 8.9 5334 4897 6.7 16900 15843 28.0
<7476> アズワン 8.2 3080 2847 8.9 9610 8822 46.4
<1414> ショーボンド 7.3 4913 4578 11.8 15100 13507 25.7
<7974> 任天堂 7.1 230734 215454 22.6 550000 448695 18.9
<6268> ナブテスコ 5.2 12979 12338 367 163000 34907 5.6
<2801> キッコマン 4.7 12624 12053 0.1 39100 39078 52.6
<7532> パンパシHD 4.1 25386 24393 5.1 79000 75173 31.9
<3064> モノタロウ 4.0 5266 5063 25.8 24738 19671 87.4
<7741> HOYA 3.5 45787 44221 5.9 156000 147268 37.7
<4684> オービック 2.5 13420 13089 7.1 49300 46012 50.0
<8919> カチタス 1.5 3275 3228 0.0 9896 9895 35.5
<2412> ベネ・ワン 0.6 2473 2459 7.5 9100 8462 77.8
<2296> 伊藤米久HD 0.2 10617 10592 0.5 25000 24884 12.2
※ 2020年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
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