富田隆弥の【CHART CLUB】 「彼岸底で打診買い」
◆やはり、3月下旬に日経平均株価は荒れた。アノマリー(経験則)の通りである。3月18日に3万485円(ザラバ値)まで戻したが、そこから4日続落し24日に2万8379円の安値を付けた。18日の高値から4日間で2100円幅(6.9%)という厳しい下げであり、チャートは二番天井と二段下げの懸念を募らせた。
◆19日時点で、騰落レシオが127%に上昇し、RCI短期線(9日線、13日線)は高値圏に集まり、信用買い残の評価損率が-5.99%(3年1ヵ月ぶり)に改善するなど、テクニカル指標は再び過熱を見せていた。バリュー株物色が過熱したこともあり、ここでの調整は仕方がなかったと言える。
◆だが、年度末で機関投資家などがいったんポジション調整(売り)に動くところで、昨年は3月19日に、2019年は3月25日、18年は3月26日といずれも3月後半に安値を付けている。だとすると、今年もこのあたりで安値を打ってもおかしくない。いわゆるアノマリーの「彼岸底」である。
◆日足チャートは75日移動平均線(25日時点2万8420円)や一目均衡表の「雲」下限(同2万8520円)の節目に差し掛かった。配当落ちのある30日まで下値模索を続ける可能性はあるものの、4月になれば新年度入りで機関投資家が買いに動くことも想定され、日本株は5月に向けて反発しやすくなる。
◆ならば、この調整局面で「買い」に動いてみる価値はあるだろう。もちろん、日本株のカギを握る米国株の調整入りに注意が必要だが、金融・財政政策を背景とした需給相場が継続しており、すぐに崩れるようなことはまだないと思われる。
(3月25日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース