今週の【早わかり株式市況】3週ぶり下落、日銀のETF取得方針変更や欧州でのコロナ感染再拡大を嫌気

市況
2021年3月27日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は3週ぶりに下落、週前半は前週末の波乱引き継ぎ下値模索が加速

2.日銀のETF買い入れ対象の変更に伴い、値がさ株への売りが下げを助長

3.欧州でのコロナ感染再拡大も嫌気され、直近4営業日で1800円超下落

4.週後半はリバウンド局面に移行、25日は買い戻しで約9割の銘柄が上昇

5.週末は米国でのワクチン普及期待などを追い風に日経平均は戻り足強める

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比615円(2.07%)安の2万9176円と3週ぶり下落となった。

今週は日経平均が週半ばまで大きく水準を切り下げ、後半に急速に巻き返すという展開。週前半は前週末に日銀がETF買い入れ対象の変更を発表したことによるショック安の余韻を引きずり、値がさ株が売りの対象となった。欧州での新型コロナ感染再拡大も重しとなった。週後半2営業日で770円戻したが、週間ベースでは大幅下落となった。

週明け22日(月)は、前週末の米国株市場でFRBが大手銀行の資本規制特例措置を延長しなかったことが嫌気されNYダウが下落、その地合いを引き継ぎリスクオフに。前週末に日銀のETF購入に際して日経平均連動型の除外を決めたことが引き続き影響し、日経平均寄与度の高い値がさ株が売られ下げを助長、下落幅は600円を超えた。23日(火)は景気敏感株が利食われ、日経平均は3日続落。そして24日(水)は欧州での変異種を含めた新型コロナウイルスの感染が再拡大していることが嫌気され一段と下値を探る展開に。日経平均は590円安となり、前週末から直近4営業日合計で1800円以上も水準を切り下げた。25日(木)は自律反発狙いの買いが優勢となった。広範囲に買い戻され全体の約9割の銘柄が上昇した。そして週末26日(金)は続急伸。前日の米国株市場で新型コロナワクチン普及期待から景気敏感株を中心に買われ、NYダウが200ドル近い上昇で反発した。この流れを受けて東京市場でもリバウンドが加速する形となった。

■来週のポイント

来週は新年度入りすることから日経平均は再び3万円大台を目指す展開が期待される。ただ、全国的に広がる新型コロナ感染の再拡大がさらに進めば、調整を強いられる場面もありそうだ。

重要イベントとしては、国内では30日朝に発表される2月有効求人倍率や31日朝に発表される2月鉱工業生産、4月1日朝に発表される日銀短観が注目される。なお、3月29日は3月末権利付き最終日となる。海外では30日発表の米国3月コンファレンスボード消費者信頼感指数や31日に発表される中国3月製造業PMIとバイデン米大統領の経済再生プログラム、4月2日発表の米国3月雇用統計に注視が必要だろう。

■日々の動き(3月22日~3月26日)

【↓】   3月22日(月)―― 続急落、日銀ETF購入手法の変更を引き続き嫌気

日経平均 29174.15( -617.90)  売買高13億8426万株 売買代金 3兆0338億円

【↓】   3月23日(火)―― 3日続落、期末を控えた決算対策売りで2万9000円割れ

日経平均 28995.92( -178.23)  売買高13億7129万株 売買代金 2兆8900億円

【↓】   3月24日(水)―― 4日続落、欧州で新型コロナ再拡大で売り圧力が継続

日経平均 28405.52( -590.40)  売買高15億9135万株 売買代金 3兆2154億円

【↑】   3月25日(木)―― 5日ぶり反発、景気敏感株中心に買い戻しが優勢

日経平均 28729.88( +324.36)  売買高12億4341万株 売買代金 2兆7080億円

【↑】   3月26日(金)―― 大幅続伸、景気敏感株が買われ2万9000円台を回復

日経平均 29176.70( +446.82)  売買高12億8270万株 売買代金 2兆8093億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、24業種が下落

(2)JAL <9201> など空運業が値下がり率トップ

(3)金融株は三菱UFJ <8306> など銀行、東京海上 <8766> など保険が大幅反落も

野村 <8604> など証券、日本取引所 <8697> などその他金融は値を保つ

(4)住友電 <5802> など非鉄、JFE <5411> など鉄鋼、住友化 <4005> など化学といった素材株は安い

(5)トヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械、キーエンス <6861> など電機といった輸出株も総じて軟調

(6)JR東日本 <9020> など陸運、ZHD <4689> など情報・通信、三井不 <8801> など不動産といった内需株の一角は下落

(7)北陸電 <9505> 、東ガス <9531> など電力・ガスは値上がり率トップ

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) 全固体電池

2(20) TOPIXコア30

3(3) 半導体

4(5) 再生可能エネルギー

5(19) 地方銀行 ── 金利上昇と再編機運で脚光

※カッコは前週の順位

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