話題株ピックアップ【夕刊】(2):ソフトバンクG、安川電、イオン

注目
2021年4月12日 15時17分

■ソフトバンクグループ <9984>  10,030円  +80 円 (+0.8%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>は強弱観対立のなか売り買い交錯、売買代金は取引開始後数分で100億円を上回るなど、東証1部上場企業のなかで首位となっている。同社は米ハイテク企業への投資を積極化させており、ハイテク株比率が高いナスダック総合指数の動きと株価が連動しやすい。前週末の米国株市場では主要株指数が揃って上昇、NYダウが最高値街道を走る一方、遅れていたナスダック指数も戻り足を強め最高値まで200ポイント弱まで迫っている。これが、同社株には追い風として意識されている。一方、中国の規制当局がEC最大手アリババ集団に独禁法違反で日本円にして約3000億円の罰金処分を科すことを決定、これはネガティブ材料となりうる。また、全体市場は先物絡みで足もと不安定な動きとなっており、インデックス売買を通じて同社株も方向感が定まりにくくなっている。

■イオンFS <8570>  1,319円  -143 円 (-9.8%)  本日終値  東証1部 下落率2位

イオンフィナンシャルサービス<8570>が急落。同社が9日に行った決算発表では、21年2月期の連結営業利益は406億5100万円となった。前の期に決算期を変更しているため比較はできないが、予想レンジ(270~330億円)を上回って着地した。ただ、22年2月期の同利益は410億~460億円との見通しが示された。市場では550億円前後との見通しがコンセンサスとなっていたこともあり、この日は失望売りから株価は急落した。

■安川電機 <6506>  5,490円  -420 円 (-7.1%)  本日終値  東証1部 下落率10位

安川電機<6506>は大幅安。前週末9日の取引終了後、22年2月期の連結業績予想を発表し、売上高4300億円(前期比10.3%増)、営業利益420億円(同54.5%増)、純利益317億円(同67.5%増)を見込むとしたが、430億円強を見込んでいた市場予想を下回ったことから、失望売りが出たようだ。なお、年間配当は前期比16円増の40円を予定している。5GやAIの普及に伴う通信・産業の高度化を背景に、グローバルでの半導体や電子部品関連の需要拡大が見込まれることや、世界的なEV化の加速をはじめとする自動車関連需要の持ち直しなどにより、主力事業であるACサーボやロボットを中心に回復基調が鮮明化する見通し。21年2月期決算は、売上高3897億1200万円(前の期比5.2%減)、営業利益271億8000万円(同12.3%増)、純利益189億2700万円(同21.5%増)だった。あわせて、19年6月に発表した22年2月期を最終年度とする中期経営計画の見直しを発表した。従来は、22年2月期に売上高5400億円、営業利益700億円を目標としていたが、計画を1年延長して23年2月期に売上高4700億円、営業利益610億円を目指すとした。

■物語コーポレーション <3097>  7,300円  -440 円 (-5.7%)  本日終値

物語コーポレーション<3097>が大幅反落。9日の取引終了後に発表した3月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比11.2%減と4カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。客数の落ち込みにより主力の焼肉部門が同13.2%減となったことが響いた。

■参天製薬 <4536>  1,436円  -74 円 (-4.9%)  本日終値

参天製薬<4536>が大幅続落。前週末9日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、営業利益が350億円から145億円(前の期比56.8%減)へ、純利益が230億円から70億円(同67.8%減)へ下振れて着地したようだと発表しており、これが嫌気された。日本でアレジオンLXなどの主力製品が順調に推移したことに加え、中国で私立病院などを中心に順調に推移したことから、売上高は2350億円から2490億円(同3.1%増)へ上振れた。ただ、低侵襲手術用デバイスであるDE-128の米国における承認時期の遅延を前提に資産価値の見直しを行った結果、減損損失を計上したことが利益を下振れさせたとしている。

■イオン <8267>  3,081円  -131 円 (-4.1%)  本日終値

イオン<8267>が急反落。9日取引終了後に発表された21年2月期決算で連結純損益が710億2400万円の赤字(前の期は268億3800万円の黒字)と2009年2月期以来、12年ぶりに最終赤字に転落したことが嫌気された。コロナ禍の影響で店舗の収益性悪化を背景に固定資産の減損損失を計上したことも響く。22年2月期の同損益は200億~300億円の黒字を見込んでいる。

■竹内製作所 <6432>  2,898円  -47 円 (-1.6%)  本日終値

竹内製作所<6432>が3日続落。同社は9日取引終了後に、22年2月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを前期比8.4%減の121億円としていることがネガティブ視されたようだ。製品需要の回復を見込み売上高は同9.8%増の1233億円を予想しているが、鋼材を主とした原材料コストの上昇や欧米向け海上運賃の急騰による運搬費の大幅増が利益面に影響するとみている。なお、21年2月期通期の連結決算は売上高が前の期比3.2%減の1122億5400万円、営業利益が同4.4%増の132億700万円となった。

■レーザーテック <6920>  18,000円  -240 円 (-1.3%)  本日終値

レーザーテック<6920>は4日ぶりに反落。前週は、週間ベースで約2200円の上昇と東証1部企業の中でも群を抜くパフォーマンスをみせた。目先はその反動も意識されるところで、前週末の米国株市場で半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が小幅反落していることも上値の重石となっている。しかし、世界的な半導体需給の逼迫を背景に半導体設備投資需要は旺盛であり、同社が手掛けるマスクブランクス検査装置の受注拡大期待が株価を支えている。前週は機関投資家とみられる大口資金の攻勢で、同社株争奪合戦の様相を呈したが、今後も押し目ではファンド系資金の買い増しなど実需買いの動きが予想される。

■ファーストリテイリング <9983>  87,310円  -580 円 (-0.7%)  本日終値

ファーストリテイリング<9983>が軟調。後場寄りに大口の売り注文が出て下げ幅を一時1000円超に広げる場面があった。全体相場は朝方高く始まったあと下値を探る展開に変わった。同社株は日経平均株価と連動性の高い値がさ株として知られるが、後場寄りは先物絡みのインデックス売りが下げに影響したとみられる。テクニカル的には9万3000円台前半を横に走る75日移動平均線が上値抵抗ラインとなった状態で、目先筋のリバウンド狙いの買いも現時点では結果が出ていない。業績は改善色を強めコロナ禍からの脱却を意識させるが、「PERが50倍台と高く、純粋にファンダメンタルズ面からは買いにくい」(ネット証券アナリスト)という声も出ている。

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