横山利香「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (3)売り買いの力関係を読み解くために、信用残とチャートを組み合わせて使おう!

特集
2021年4月17日 10時30分

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。

4月新年度に入ってからも、日経平均株価は3万円を挟んで推移し、膠着感の漂う動きが続いています。それもそのはず、日銀が4月から ETF の買い入れ基準を変更したことに伴って、これまでならあったはずの買い入れが行われない日が続いているからです。おかげで日経平均株価は3万円を超えれば戻り売りに押される状況となっており、「上値は相当重いんだなぁ」と感じている人も多いのではないかと思います。

およそ30年前、日本経済はバブル真っ只中だったこともあり、日経平均株価は3万円を超えて、3万8915円87銭という史上最高値を記録しました。この30年間、耐えに耐えた塩漬け株が3万円を前にしてようやく利益が乗ってきたということなのか、「やれやれ、ようやく売れる水準になった」とばかりに売りが出てきているのでしょう。日銀の ETF 買い入れ基準が変更された今、株式市場にこれまでのようなインパクトを与えることは難しいでしょう。30年という長い歳月の間にたまった相当数の戻り売りをこなして上昇するためには、少し時間が必要なのかもしれませんね。

◆「信用残高」は需給を理解するための基礎データ

株式投資の基本は、株価が安い時に株を買い、値上がりしたら儲けを得るために売ることにあります。株式投資では、一般的な利益確定のための売り以外にも、株を売る方法が存在します。証券会社から株を借りて株価が高い時に株を売る「信用売り(空売り)」です。 空売りは信用取引で行える取引手法の一つで、株価が上昇すれば損失が発生しますが、株価が狙い通り下落すれば儲けられる取引方法です。「買われすぎて過熱感が出てきているから、株価は下落する可能性が高そう」と判断される場合などに空売りを行い、思惑通りに株価が値下がりすれば儲けることができます。

なお、信用取引の基本的な仕組みについて知りたい方は 前シリーズの「ゼロから始める株探の歩き方15 株価の下落も上昇もチャンスにできる信用取引」を参考にしてください。

それでは、保有株が順調に上昇できるのか、それとも、売りに押されてしんどい状況が続くのか、それらを信用残から探る方法を株探でみていきましょう。ここではラクーンホールディングス <3031> を例に説明していきます。

まずは、株探のページ上部にある「株探検隊」の検索窓に「3031」とコード番号を打ち込むと、「3031 ラクーンホールディングス」と表示されるのでこれを選択します。自動的にラクーンホールディングスの個別銘柄ページに移動しますので、左カラム下の「信用取引 (単位:千株)」欄に記載されている「日付」「売り残」「買い残」「倍率」を確認しましょう(図1参照)。見る流れとしては、日付の古い「03/12」(3月12日)から現在に向かって順番に見ていきます。「売り残」を見ると、「03/12」の時点では、「608.9」でしたが、「04/02」には「1,260.0」まで増えています。一方、「買い残」を見ると、「03/12」の時点では、「948.2」でしたが、「04/02」には「406.8」まで減っています。

●図1 ラクーンホールディングス <3031> の信用取引欄

【タイトル】

この数字を見ながら、今度は銘柄名が記載されている囲み(銘柄欄)の下にある「チャート」のタブをクリックしましょう。デフォルトでは日足チャートが表示されますので、この期間の株価を確認しましょう(週足や月足など時間軸の異なるチャートが表示されたら、チャート上の「期間」から「日足」をラジオボタンで選択してください)。チャートからは「03/12」の3月12日時点の株価は1800円程度でしたが、「04/02」の4月2日時点では2800円程度まで上昇していることがわかります(図2)。

●図2 ラクーンホールディングス <3031> 日足チャート

【タイトル】

次ページ:信用残が語る投資家心理と株価の先行き

 

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.