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通期業績の上方修正で4Qのモメンタムが強いのは(和島英樹)

特集
2021年4月25日 8時40分

「明日の好悪材料Next」~第48回

和島英樹和島英樹(Hideki Wajima)
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

【今回チェックした「明日の好悪材料」記事一覧】

4月16日分

4月19日分

4月20日分

4月21日分

4月22日分

4月16日~22日では、2021年3月期の業績修正が目立った。クリナップ<7955>、日本調剤<3341>、新光電気工業<6967>などが上方修正を発表している。さらに製造業の注目企業も決算を発表した。

4月16日分 クリナップ<7955> ~ ☆テクニカル・チェック銘柄

■好悪材料~前期経常を一転2%増益に上方修正

システムキッチンで3位。バスや洗面化粧台にも展開。戸建てに強みがある。マンションは特約店を経由した市販ルートを活用。中国市場など海外を開拓中。

2021年3月期の業績予想を上方修正、売上高は前回予想を5億円上回る1035億円(前年比3.7%減)、営業利益は18億円増額の25億円(同微増)、経常利益は18億円増額の26億円(同2.1%増)とした。

発表資料では「新型コロナウイルス感染症による業績への影響が、当初見通しより軽微であったことや、全社的な経費抑制および原価低減等の施策の効果」などとしていた。なお同社の前期決算は5月11日に発表の予定だ。

■『株探』プレミアムで確認できるクリナップの業績修正の長期履歴

【タイトル】

同社株のテクニカル面のポイントを、月足の移動平均線でチェックする。プレミアム会員は左から「6」「24」「12」と入力すると、24カ月線との乖離(かいり)率が下段に表示される。株価は2018年央以降、24カ月線がレジスタンス(抵抗線)となって推移している

19年には上回る場面もあったが、24カ月線(チャートの赤い折れ線)は一貫して下降トレンドとなっている。今回、一時24カ月線を突破し、6カ月線(緑)が12カ月線(青)を下から抜くゴールデンクロスが接近。24カ月線も横ばいとなりつつある(22日現在)。

株価が24カ月線を維持し、6カ月線、12カ月線が24カ月線を上回れば買いシグナルに。一方、4月月末に24カ月線に押し返されれば、下降トレンドの継続示唆となる

■クリナップの月足チャートと24カ月移動平均乖離率

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4月19日分 日本調剤<3341>

■好悪材料~前期経常を一転13%増益に上方修正

調剤薬局専門店チェーン2位。病院の前の立地に出店する門前薬局を展開。ジェネリック医薬品の製造受託や薬剤師などの派遣紹介事業なども手がけている。

2021年3月期の業績を上方修正、売上高は前回予想を31億4700万円上回る2789億円(前年比3.8%増)、営業利益は15億4800万円増額の81億円(同6.6%増)とした。前回予想の13.7%減益予想から一転増益着地に転じることに。

新型コロナの影響が通期にわたると想定していたが、発表資料では「その後の精査の結果、来局患者数の回復が想定を上回っていること、医薬品製造販売事業における2020年6月および12月の新規収載品の販売が引き続き好調だった」などとしている。コストの削減も寄与している。

【株探編集部より】

日本調剤の上方修正後の売上高営業利益率は2.90%で直近2期よりは改善しているが、18年3月期の過去最高益(営業利益)を計上したときの4.39%と比べると、また改善余地がある。4月30日に予定の決算発表で、今期計画の売上高営業利益率がどの程度になるかが注視材料だ。


■『株探』プレミアムで確認できる日本調剤の通期業績の収益性推移

【タイトル】

4月20日分 新光電気工業<6967>

■好悪材料~前期経常を33%上方修正

半導体パッケージ、ICリードフレームの大手。半導体パッケージは半導体チップに埃がつくことを防ぎ、熱を逃がす役割がある。同社では放熱版に直接熱を逃がす、高い放熱機能を備えた構造のフリップチップパッケージに強みがある。インテルにも供給。

2021年3月期の業績を上方修正、売上高は前回予想を51億円上回る1880億円(前年比26.7%増)、営業利益は46億円増額の233億円(同7.2倍)にとした。

同社は修正理由を「テレワーク、オンライン学習の拡大などを背景として、パソコン向けを中心にフリップチップパッケージの売上高が想定を超えて増加、採算性が向上した」などとしている。また前期前半に需要低迷のリードフレームも自動車市場の回復で受注が大きく増加したことや、為替の円安基調も寄与したとする。

同社の前期決算発表は4月27日の予定。

【株探編集部より】

新光電気工業の四半期業績の成長性推移をみると、直近5四半期実績の業績モメンタムは強く状況が見て取れる。今回の通期業績上方修正後の21年1~3月期は売上高が前年同期比37.3%、営業利益は8.3倍、1株当たり当期純利益は6.54倍と前四半期を上回る状況。27日予定の決算発表で、今期計画がこの勢いを継続するのかに、注目が集まりそうだ。


■『株探』プレミアムで確認できる新光電気工業の四半期業績の成長性推移

【タイトル】

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ ほか2銘柄、そして和島・独自注目の好悪材料は

 

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