来週の株式相場に向けて=「波乱の5月」は来るのか
東京市場はゴールデンウイーク(GW)の連休に入り、来週の取引は6日と7日の2営業日のみ。例年、この時期は海外市場の動向を気にしながらも休暇モードとなるが、連休の谷間となった30日の取引は手仕舞い売りが膨らみ、241円安となった。いったんポジションを外す動きが目立った。
いまや株式市場では一般的となった「セル・イン・メイ(5月に売れ)」の言葉が米国のアノマリー(経験則)であるように、通常は海外発の波乱が警戒されるが、今年は国内動向が注目されそうだ。
まず、新型コロナウイルス感染拡大の第4波が広がるなか、大阪や東京など4都府県への緊急事態宣言は5月11日までとされている。GW明け後には、政府は同宣言を終了させるか延長するかの判断を迫られることになるだろう。更に、5月17~18日には国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長の来日が予定されている。新型コロナ感染拡大が続くなか、東京五輪の動向も注目されそうだ。
過去50年程度の日経平均株価の月間騰落をみると、5月のパフォーマンスは7月、8月に次いで良くない。直近2年に関しては、19年は7%安だったが、20年は8%高と両極端の値動きとなっている。果たして、今年はどうなるか。
来週は国内では6日に任天堂<7974>や丸紅<8002>、FOOD & LIFE COMPANIES<3563>など、7日に日本製鉄<5401>や花王<4452>、三菱商事<8058>、日本航空<9201>などが決算発表を予定している。海外では、重要経済指標が発表され3日に米4月ISM製造業景況指数、4日に米3月貿易収支、5日に米4月ADP雇用統計、7日に米4月雇用統計の発表が予定されている。
来週の日経平均株価の予想レンジは、2万8400~2万9300円。(岡里英幸)