話題株ピックアップ【夕刊】(3):INPEX、トヨタ、オリンパス

注目
2021年5月10日 15時27分

■INPEX <1605>  813円  +21 円 (+2.7%)  本日終値

INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>といった石油関連株が高い。米最大の石油パイプラインがサイバー攻撃を受けて停止したことを受け、石油関連株に買いが流入した様子だ。被害を受けた米コロニアル・パイプラインは全ての業務を停止しており、パイプラインの停止が長引けば米国で燃料不足が広がることが警戒されている。この日の時間外取引でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の6月限は一時1バレル=65ドル後半まで上昇、前週末の清算値(64.90ドル)に比べ0.5ドル強値を上げており、今後の原油相場の動向が関心を集めている。

■トヨタ自動車 <7203>  8,506円  +142 円 (+1.7%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>が164円高の8528円まで買われる展開となり、25日移動平均線を上回ってきた。同移動平均線と5日移動平均線のゴールデンクロスも接近しており、足もと上値指向が強まっている。前週末の欧米株高に加え、きょうは前場取引時間中に外国為替市場でドルが買われ、1ドル=108円80銭台まで円安方向に振れており、これに連れて買い板が厚くなった。自動車販売需要の好調を背景に業績回復への期待感が大きい。今週12日に決算発表を控えマーケットの注目度も高いが、21年3月期の業績悪は織り込み済みであり、22年3月期の改善度合いに関心が向いている。

■トランス・コスモス <9715>  3,115円  +50 円 (+1.6%)  本日終値

トランス・コスモス<9715>が3日ぶりに反発。東海東京調査センターは7日、同社株のレーティングの「アウトパフォーム」を継続するとともに、目標株価を6200円から7060円に引き上げた。国内で継続的な技術者不足が続いていることや、在宅勤務拡大によりアウトソーシング市場が今後も拡大基調にあると、同証券では予想。コロナ禍においてテレワーク定着、非接触チャネルシフト、社会インフラの強化など、DX(デジタルトランスフォーメーション)・プロセスの再構築ニーズが拡大しており、DEC(デジタルマーケティング、EC、コンタクトセンター)・BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービス拡大の好機が到来しているとみている。

■丸井グループ <8252>  2,097円  +32 円 (+1.6%)  本日終値

丸井グループ<8252>が反発。前週末7日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、売上高が2230億円から2208億円(前の期比10.8%減)へ、営業利益が355億円から153億円(同63.5%減)へ、純利益が155億円から23億円(同90.9%減)へ下振れて着地したようだと発表したが、織り込み済みとの見方が強いようだ。小売事業で新型コロナウイルス感染症の影響が想定を上回ったことに加えて、利息返還損失引当金繰入額約194億円を計上することが要因としている。

■三洋化成工業 <4471>  5,400円  +60 円 (+1.1%)  本日終値

三洋化成工業<4471>が3日続伸。午前11時ごろに発表した22年3月期連結業績予想で、売上高1700億円(前期比17.4%増)、営業利益135億円(同13.1%増)、純利益90億円(同23.6%増)と2ケタ増益を見込み、年間配当予想を前期比20円増の170円としたことが好感された。前期に販売数量が減少した高付加価値製品について今期は拡販に転じるほか、原料価格上昇に伴う製品価格改定効果も寄与する見通し。なお21年3月期決算は、売上高1447億5700万円(前の期比6.9%減)、営業利益119億3200万円(同4.1%減)、純利益72億8200万円(同5.0%減)だった。

■オリンパス <7733>  2,279円  +7 円 (+0.3%)  本日終値

オリンパス<7733>が売り買い錯綜。同社が前週末7日取引終了後に発表した21年3月期の営業利益は前の期比11%減の819億8500万円と2ケタ減益となったが、22年3月期の予想は一転して前期比54%増の1260億円と大幅伸長を見込んでおり、これは株価にはプラスに働く。営業利益は08年3月期以来14期ぶりの過去最高利益更新となる見通し。主力の消化器内視鏡が需要高水準で新製品効果なども反映される見通し。傘下に収めたオランダ医療機器会社の業績寄与も見込まれる。株主還元にも前向きで、年間配当は21年3月期に前の期比2円増配となる12円としたが、22年3月も前期比2円増配の14円を計画。更に同日、発行済み株式数の5.22%に相当する7162万株の自社株消却も発表している。しかし、現在の株式市場の地合いは事前に注目度の高い銘柄については、好決算見通しの発表が前もって織り込まれているケースが多く、目先筋の利益確定売りを誘発しやすい。同社株もその流れに影響されている。

■東京エレクトロン <8035>  50,060円  +150 円 (+0.3%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置関連株が買い優勢の展開となった。前週末の米国株市場ではNYダウが5日続伸し最高値街道を走っているが、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も調整一巡から出直り歩調にあり、前週末まで3日続伸と戻り足を明示している。半導体の需給逼迫を背景に関連企業の収益は総じて好調に推移しており、これは日本の半導体製造装置メーカーも例外ではない。両銘柄とも4月以降は一部機関投資家の利益確定を急ぐ動きで上値が重くなっているが、押し目買いニーズも旺盛であり、売り圧力をこなして高値圏もみ合いを上放れるかどうかにマーケットの注目が集まった。

■JIG-SAW <3914>  11,050円  -3,000 円 (-21.4%) ストップ安   本日終値

JIG-SAW<3914>が急落し、ストップ安の1万1050円に売られた。前週末7日の取引終了後に発表した第1四半期(1~3月)連結決算が、売上高6億3800万円(前年同期比22.7%増)、営業利益1億500万円(同56.1%増)、純利益6800万円(同37.3%減)と大幅最終減益となったことが嫌気された。クラウド・IoT分野を包括するデータコントロール事業で、引き続き解約率の低い月額課金案件の受注獲得を推進し、月額課金売上高が増加したことが牽引した。ただ、研究開発費や販売促進費、人件費、グローバル展開のための先行投資を積極的に行ったことに加えて、為替差損の計上もあり、最終利益は大幅な減益となった。なお、21年12月期通期業績予想は、ストック型ビジネスの堅調な推移により、現時点で過去最高の売上高が見込まれるものの、適正かつ合理的な業績予想の策定が困難であるとして非開示としている。

■大幸薬品 <4574>  1,039円  -149 円 (-12.5%)  本日終値  東証1部 下落率2位

大幸薬品<4574>が大幅安で、年初来安値を更新した。同社は7日取引終了後に、21年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算を発表。前期は決算期変更の経過期間のため前年同期との単純比較はできないが、営業損益が1億9000万円の赤字となったことがネガティブ視されたようだ。売上高は32億7100万円となった。医薬品事業が消費者の外出自粛やインバウンド需要の消失の影響で苦戦したほか、感染管理事業も除菌関連製品の流通在庫過多の状況から販売が低調に推移した。なお、通期業績予想は売上高220億円、営業利益45億円とする従来計画を据え置いている。

■スクロール <8005>  892円  -117 円 (-11.6%)  本日終値  東証1部 下落率3位

7日に決算を発表。「今期経常は47%減益、40円減配へ」が嫌気された。

スクロール <8005> が5月7日大引け後(15:00)に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比3.3倍の75.1億円に拡大したが、22年3月期は前期比46.8%減の40億円に落ち込む見通しとなった。

⇒⇒スクロールの詳しい業績推移表を見る

■フルサト工業 <8087>  1,641円  +300 円 (+22.4%) ストップ高   本日終値

フルサト工業<8087>が突発人気化、300円高はストップ高となる1641円に買われた。同社はボルトなど鉄骨・建築資材の大手であり、セキュリティー分野も深耕し、顔認証機能付きサーマルカメラなど入出管理システムなどに期待が大きい。7日取引終了後、機械専門商社のマルカ<7594>と共同株式移転の方法により両社の完全親会社となるフルサト・マルカホールディングスを設立することを発表、これが思惑買いに火をつける格好となった。両社の株式は9月29日に上場廃止となり、10月1日に新会社が新規上場する形となる。 

■デイトナ <7228>  3,085円  +503 円 (+19.5%) ストップ高   本日終値

二輪車部品・用品メーカーのデイトナ<7228>がストップ高。同社は7日取引終了後に、21年12月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しは前期比21.3%増の14億3900万円(従来予想は11億2200万円)に引き上げた。売上高見通しも同7.8%増の106億8000万円(従来予想は99億5300万円)に上方修正。新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした移動手段の変化や3密を回避できる趣味として、二輪車の需要が高まっていることが追い風になっているとしている。なお、21年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算は、売上高が前年同期比29.7%増の24億9600万円、営業利益が同3.6倍の3億300万円で着地した。

■オーナンバ <5816>  617円  +100 円 (+19.3%) ストップ高   本日終値

オーナンバ<5816>がストップ高の617円水準に買われた。前週末7日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を330億円から350億円(前期比11.5%増)へ、営業利益を8億5000万円から10億円(同31.3%増)へ、純利益を6億円から7億円(同33.5%増)へ上方修正したことが好感された。上期において自動車・産業機器用製品などの分野で、日本や中国など一部地域の需要が回復したことが要因。また、販売品種構成の良化や、積極的な原価低減及び販管費の抑制なども寄与する。なお、第1四半期(1~3月)決算は、売上高92億6500万円(前年同期比10.0%増)、営業利益5億円(同3.8倍)、純利益5億2300万円(同9.5倍)だった。

●ストップ高銘柄

オーナンバ <5816>  617円  +100 円 (+19.3%) ストップ高   本日終値

など、4銘柄

●ストップ安銘柄

ミズホメディー <4595>  3,150円  -700 円 (-18.2%) ストップ安   本日終値

など、2銘柄

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