翻訳センター---21年3月期減収なるも、企業のグローバル展開に伴う翻訳・通訳需要の獲得に注力
翻訳センター<2483>は13日、2021年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比14.1%減の99.10億円、営業利益が同48.5%減の4.18億円、経常利益が同43.4%減の4.65億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同61.4%減の1.17億円となった。
翻訳事業の売上高は前年同期比7.3%減の75.20億円となった。特許分野では特許事務所からの受注が低調に推移し、売上高は同7.0%減の21.00億円となった。医薬分野では外資製薬会社からの受注が好調に推移し、国内製薬会社との取引も堅調なことから、売上高は同4.5%増の28.75億円となった。工業・ローカライゼーション分野ではIT・情報通信企業をはじめに需要回復の動きが見られたが、主要顧客である自動車関連企業からの受注が伸び悩み、売上高は同17.5%減の20.38億円となった。金融・法務分野では金融機関、企業の管理系部署からの受注が低調に推移し、売上高は同20.0%減の5.05億円となった。
派遣事業の売上高は同2.3%増の12.28億円となった。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により新規顧客の獲得は限定されたものの、既存顧客との取引が堅調に推移し、増収となった。
通訳事業の売上高は同53.2%減の4.77億円となった。新型コロナウイルス感染拡大防止策の継続に伴う対面での会議通訳案件の受注減少により、減収となった。Web会議システムの普及が進む中、オンライン通訳の実績を着実に積み重ねており、引き続きサービスの拡充を進めていくとしている。
語学教育事業の売上高は同39.1%減の1.04億円となった。新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により通訳者・翻訳者養成スクール「アイ・エス・エス・インスティテュート」の講座開講を中止・延期したことから、減収となった。
コンベンション事業の売上高は同61.8%減の2.98億円となった。「日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会」を始めとする医学会案件の受託・運営を行ったが、大型国際会議の開催中止・延期の影響から、減収となった。
その他の売上高は同7.3%増の2.80億円となった。外国への特許出願に伴う明細書の作成や出願手続きを行う株式会社外国出願支援サービスが順調に推移した。
2022年3月期通期については、売上高は前期比2.9%増の102.00億円、営業利益は同55.4%増の6.50億円、経常利益は同39.7%増の6.50億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同282.3%増の4.50億円を見込んでいる。
《EY》