話題株ピックアップ【夕刊】(1):フェローテク、野村マイクロ、カプコン
■タチエス <7239> 1,297円 +132 円 (+11.3%) 本日終値 東証1部 上昇率トップ
タチエス<7239>は急伸し年初来高値を更新。26日の取引終了後に未定としていた22年3月期業績予想を発表しており、売上高2340億円(前期比17.9%増)、営業利益14億円(前期77億5300万円の赤字)、最終利益1億円(同137億100万円の赤字)と黒字転換を見込み、同じく未定としていた配当予想については、中間・期末各31円80銭の年63円60銭(前期6円50銭)と大幅な増配を予定していることが好材料視された。また、きょう午前10時ごろに発表した25年3月期を最終年度とする中期経営計画で、最終年度に売上高2700億円、営業利益90億~100億円と来期以降、業績の急回復を目指すとしたことも好感された。既存のシートビジネス領域で深化による業務の変革を行い、収益構造と資産効率の改善を図ることで基盤を再構築するとしている。
■フェローテク <6890> 2,530円 +224 円 (+9.7%) 本日終値
フェローテックホールディングス<6890>は4日続伸。26日の取引終了後、中国子会社が中国華南地区における半導体やFPD製造装置部品の精密再生洗浄事業の拡大を目的に広東省広州市に新会社を設立し、1月に新工場を建設着工していると発表しており、これが材料視された。今回の工場新設により、事業の更なる市場シェア拡大と収益力の向上を見込む。あわせて、あす28日に新中期経営計画を発表することも明らかにした。
■野村マイクロ <6254> 4,005円 +335 円 (+9.1%) 本日終値
野村マイクロ・サイエンス<6254>が大幅続伸。26日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、6月2日付けで東証2部から東証1部へ指定されることになったと発表しており、TOPIX連動ファンドなどによる買い需要を先取りする形で買いが入った。同社は半導体や液晶・有機ELパネルや医薬品などの生産に欠かすことのできない「超純水」の製造装置大手。22年3月期連結業績予想は、売上高315億円(前期比3.8%増)、経常利益35億9700万円(同1.1%減)を見込んでいる。
■IJTT <7315> 790円 +53 円 (+7.2%) 本日終値
IJTT<7315>が自動車部品株人気に乗り鮮烈な上昇トレンドを形成している。きょうで4連騰、新値街道を走っている。株価は今月に入ってから40%以上も水準を切り上げたが、PERはそれでも6倍台にとどまり、PBRも0.5倍前後と会社解散価値の半値水準まで回復したに過ぎない。いすゞ系自動車部品メーカーで、トヨタ自動車<7203>との資本提携に伴い業容拡大やグループ再編に向けた思惑が株価を強く刺激している。電動駆動システムの開発を進捗させ電気自動車(EV)シフトの動きにも対応している。足もとの業績も急回復歩調にあり22年3月期は営業利益段階で前期比5.7倍の73億円を予想するが、一段の上振れの可能性も指摘されている。
■ミツバ <7280> 888円 +52 円 (+6.2%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
ミツバ<7280>が全般軟調地合いに逆行し連日の大幅高、年初来高値を更新した。ワイパーモーターなどを強みとする自動車電装品メーカーで、主要取引先はホンダ<7267>で売り上げ全体の半分近くを占めている。22年3月期営業利益は前期比76%増益を見込むなど業績が急拡大していることに加え、PERは依然として5倍台と割安感が際立つ。自動車部品業界再編の動きが活発化するなか、株価水準訂正に向けた思惑が急浮上している。
■カプコン <9697> 3,505円 +205 円 (+6.2%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
カプコン<9697>が後場一段高。同社はきょう、マルチプラットフォーム向け「バイオハザード」シリーズの最新作「バイオハザード ヴィレッジ」の販売が、全世界で400万本突破(ダウンロード販売実績を含む)したと発表。業績への寄与などが期待されているようだ。同ゲームは今年5月7日(日本は5月8日)に発売したタイトルで、累計900万本(21年3月31日時点)を販売した「バイオハザード7 レジデント イービル」の続編。フォトリアルな映像表現や3Dオーディオなど技術の面だけでなく、伝統的なホラーを源流とした魅力的なキャラクターやホラーとアクションが共存するプレー体験がユーザーから支持された結果だとしている。
■MTG <7806> 1,707円 +84 円 (+5.2%) 本日終値
MTG<7806>が大幅高で3日続伸。26日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。上限を50万株(発行済み株数の1.26%)、または10億円としており、取得期間は5月27日から9月30日まで。資本効率の向上及び株主還元の充実を図ることが目的としている。
■六甲バター <2266> 1,555円 +74 円 (+5.0%) 本日終値
六甲バター<2266>が高い。26日の取引終了後、21年12月期上期(1~6月)の単独業績予想について、純利益を5億4000万円から20億2000万円(前年同期比5.9倍)に大幅上方修正しており、これが好感されたようだ。兵庫県からの補助金収入や遊休地の譲渡に伴う固定資産売却益14億8700万円を計上することが要因。なお、通期の業績見通しは、下期積み輸入チーズ原料の価格変動や為替推移の影響、加えて稲美工場(兵庫県稲美町)の一部解体費用の算定など、変動要因を精査中であることから予想は据え置かれている。
■EIZO <6737> 4,690円 +210 円 (+4.7%) 本日終値
EIZO<6737>が大幅反発。午後1時ごろに定款の一部変更を発表しており、なかで事業目的に「光学機器の開発、製造、販売」や、「アミューズメント用ソフトウェアの企画、開発、販売」などを加えたことが好材料視されたようだ。なお、定款変更のための株主総会は6月24日に開催予定となっている。
■極東開発工業 <7226> 1,701円 +45 円 (+2.7%) 本日終値
極東開発工業<7226>は3日ぶりに反発。26日に提出された大量保有報告書で、物言う株主(アクティビスト)のストラテジックキャピタルの保有株比率が5.00%となり大株主として登場したことが注目されている。保有目的は「純投資及び状況に応じて重要提案行為などを行うこと」としている。ストラテジックキャピタルは文化シヤッター<5930>やタチエス<7239>、日本証券金融<8511>などの大株主となっており、京阪神ビルディング<8818>に対して敵対的TOBを仕掛けるなど和製アクティビスト・ファンドとして知られている。
株探ニュース