話題株ピックアップ【夕刊】(2):JR東日本、すかいらーく、三菱電機
■JR東日本 <9020> 8,421円 +279 円 (+3.4%) 本日終値
JR東日本<9020>、JR東海<9022>、JR西日本<9021>が揃って上昇、いずれも前日に急動意したが、その余勢を駆って上値追いを鮮明とした。国内でも新型コロナワクチンの普及が進展しており、既にワクチンを接種した人が1000万人を超えた。今後、高齢者や医療従事者以外にも接種の動きが進むことが予想され、経済活動の正常化期待から新型コロナ感染拡大で収益デメリットを受けた内需株に水準訂正期待の買いが活発化している。電鉄株は空運株と並びその関連最右翼に位置する。きょうは、東武鉄道<9001>や東急<9005>など私鉄株も全面高様相となった。
■すかいらーく <3197> 1,583円 +51 円 (+3.3%) 本日終値
すかいらーくホールディングス<3197>は3日ぶりに反発。2日の取引終了後に発表した5月度のIRレポートで、既存店売上高は前年同月比28.6%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。緊急事態宣言などによる時短営業の影響はあるものの、ガストで実施している春の彩り小皿プレゼントキャンペーンや、バーミヤンで個食ニーズにあわせた昼夜同一価格の低価格定食メニューの導入などの施策が奏功し、客数が同29.1%増となったことが牽引した。なお、全店売上高は同23.0%増だった。
■アダストリア <2685> 1,965円 +58 円 (+3.0%) 本日終値
アダストリア<2685>、ユナイテッドアローズ<7606>が大幅高。2日の取引終了後、両社は5月の月次売上高をそれぞれ発表した。アダストリアの既存店売上高は28.5%増と3カ月連続、Uアローズの既存店売上高(小売りとネット通販の合計)も27.5%増と4月度に続き連続で前年実績を上回った。前年の同じ時期は1度目の緊急事態宣言に伴う休業や時短営業などで落ち込みが激しかったことから、その反動で大幅なプラスとなった。ここ株式市場では、ワクチン普及による経済正常化への期待からアフターコロナを見据えた物色が強まっており、この流れに乗る形で両銘柄にも買いが入ったようだ。
■三菱電機 <6503> 1,793円 +51 円 (+2.9%) 本日終値
三菱電機<6503>が後場急伸し年初来高値更新。きょう午後1時ごろ、自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。上限を4000万株(発行済み株数の1.86%)、または500億円としており、取得期間は6月4日から22年3月31日まで。中期経営計画における資本政策の一環として、株主還元の強化及び資本効率の向上などを図るためとしている。あわせて「三菱電機の経営戦略」を発表し、なかで25年度を最終年度とする中期経営計画が明らかになっており、25年度に売上高5兆円、営業利益率10%の目標を掲げている。
■アステラス製薬 <4503> 1,892.5円 +42.5 円 (+2.3%) 本日終値
アステラス製薬<4503>は続伸し年初来高値を更新した。正午ごろ、早期退職者優遇制度を実施すると発表しており、経営合理化などを期待した買いが入っている。5月26日に発表した「経営計画2021」の実行に伴い実施するもので、アステラス製薬、国内グループ会社であるアステラスファーマテックとアステラスグリーンサプライを対象に、450人程度を募集する。なお、同件による22年3月期連結業績への影響は、今後の応募状況などを精査の上開示するとしている。
■エイチ・アイ・エス <9603> 2,652円 +52 円 (+2.0%) 本日終値
エイチ・アイ・エス<9603>が年初来高値を更新。国内で医療従事者や高齢者を中心に新型コロナワクチンの接種が進むなか、今月下旬からは職場や大学などでの接種が可能になる見通しであることが伝わっている。今後ワクチン普及により経済が回復に向かうとの期待感から、株式市場ではアフターコロナを見据えた動きが広がっており、コロナ禍による影響を大きく受けた旅行関連株にも物色の矛先が向かった。HISのほか、KNT-CTホールディングス<9726>やベルトラ<7048>などが上値追いの展開。また、空運株や電鉄株も軒並み高となった。
■トヨタ自動車 <7203> 9,790円 +162 円 (+1.7%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が売り買い交錯も最高値圏で堅調な値動き。ここ最高値街道を走る展開にあり、フシ目の1万円大台乗せも視野に入ってきた。今週は週初こそ上昇一服となったが、その後は2営業日続伸し、2日間合計で500円以上も水準を切り上げた。商いも高水準で前日はソフトバンクグループ<9984>と並び1100億円を超える売買代金をこなした。同社はEVやHVなどの電動化戦略や業界盟主として主導する脱炭素戦略で注目を集めている。
■エービーシー・マート <2670> 6,480円 +100 円 (+1.6%) 本日終値
エービーシー・マート<2670>は3日続伸。2日の取引終了後に発表した5月度概況で、既存店売上高は前年同月比7.3%増と3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。緊急事態宣言の対象地域が拡大したが、土日のみ休業などにより営業を継続できたことから売り上げが伸長した。商品面では、キッズシューズやファッション系サンダルの販売が好調となった。なお、全店売上高は同45.8%増だった。
■ソフトバンクグループ <9984> 8,208円 +99 円 (+1.2%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は4日ぶり反発。売り圧力が強く意識された前週のMSCIの指数イベントを通過したことで、今週は強調展開が期待されたが、前日まで冴えない動きを強いられていた。英フィナンシャル・タイムズが2日、英金融会社グリーンシル・キャピタルの経営破綻を巡って、クレディ・スイス・グループがソフトバンクGへの訴訟を検討していると報じたが、これを嫌気する売りは限定的となった。この報道が逆に、空売り筋の買い戻しを誘発した可能性も指摘されている。とはいえ、リバウンドを見込んだ買いも入りにくく、当面は8000円台前半での攻防が続きそうだ。
■ラクーンHD <3031> 2,806円 +26 円 (+0.9%) 本日終値
ラクーンホールディングス<3031>が3日続伸。同社はきょう、福島銀行<8562>と顧客紹介に関して業務提携したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。同社はこの提携により、取引先の支払い遅延や倒産による売掛金の未回収を解決する「T&G売掛保証」と、オンライン完結型の売掛保証「URIHO(ウリホ)」のフィンテックサービスを福島銀の顧客に提供することが可能になる。
株探ニュース