【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─強力リーダーが降臨!2頭立てで走り始めた東京市場
「強力リーダーが降臨!2頭立てで走り始めた東京市場」
●状況は好転、この馬車の席は確保したい
東京市場に久しぶりにリード役となる銘柄が登場した。東京市場は長年、リード役が不在だった。そのため、なかなか方向感が定まらず、結局は米国市場次第…。こんな展開になっていたのだが、いまは明らかに状況は好転した。
トヨタ自動車 <7203> の上昇――このお蔭になる。リード役が存在する相場と、そうではない相場では大きな違いがある。
この点で思い出すのは、次のエピソードだ。1頭の羊に率いられた99匹の狼の軍団と、1頭の狼に率いられた99匹の羊の軍団。両軍が戦ったらどちらが勝つか、という設問だ。
もちろん、答えは1頭の狼に率いられた羊の軍団になる。羊に率いられた方は、リーダーがいないのと同然であり、部下の狼たちは攻撃目標を絞り切れないうえに、闘争心も失い、敗走してしまうことになる。
いまはトヨタ株の上昇により、前述したように状況が急改善しつつあり、実際に投資がやりやすくなっている。トヨタ株の上昇に刺激されて、業績相場が本格始動しているからだ。
トヨタ株の上昇要因は、細かく数え上げたら多数あることになるが、1つだけとなったら「今期決算が増収増益予想だから」。こういうことになる。
ついでに紹介すると、ソニーグループ <6758> の値動きが重いのは、今期決算予想を開示しなかったからだ。つまり、方向性を示してくれなかったことで、非常に投資しにくくなっている。
こんなふうに株は企業収益の予想情報に敏感であり、幸い、いまは前回も紹介したように今期業績が向上、好転する企業が圧倒的に多いのだ。
これだけでも株は上がりやすいが、実はいまはもう1つの上昇要因が加わってきた。アフターコロナ関連株の蘇生だ。
東京市場は現在、これら2頭立ての馬車で走り始めたところ。投資家としては、この馬車にぜひ座席を確保したい。
●活躍期待されるアフターコロナ関連
さて注目株だが、改めてアフターコロナ関連の中からまずは百貨店大手の高島屋 <8233> 、三越伊勢丹ホールディングス <3099> になる。営業規制が緩和されたことで、今後、次第に集客力が高まると見てよい。株価は目先高いため浅い押し目が入るだろうが、その後は再浮上が見込める。
EU(欧州連合)が観光など不要不急の渡航者を受け入れる「安全」な国リストに日本を追加したことで、今後は欧州への旅行者も増えると見てよく、日本航空 <9201> 、ANAホールディングス <9202> も。どちらも値動きは超スローなので、この点を了解の上で投資したい。
当然、 旅行会社も仕事が増えるので、旅行客の激減で苦境に陥ったエイチ・アイ・エス <9603> も本格浮上はこれからだ。
羽田空港の家主である日本空港ビルデング <9706>も地味ながら浮上を続ける可能性が高い。これまた値動きは早い方ではない。
観光地関連ではまだ株価がほとんど上昇していない富士急行 <9010>がある。旅行解禁となればぜひ奈良に行きたいので、近鉄グループホールディングス <9041>も魅力的だ。
ホテルでは全国でビジネスホテルを展開する共立メンテナンス <9616> がある。
私は音痴なので近づかないようにしているが、カラオケファンは カラオケ全面解禁の日を待ちくたびれているに違いない。コシダカホールディングス <2157> のほか、介護に強いウチヤマホールディングス <6059> もカラオケを運営しているので、これまた見逃せない。
フィットネスクラブでは主力の女性専用に加えて、新たに男性専用も展開しているカーブスホールディングス <7085> を。大手ではセントラルスポーツ <4801> の続伸確率が高いと見る。
以上、アフターコロナ株のオンパレードになったが、最後に半導体関連も取り上げておくと、半導体、液晶基板などの搬送装置に強いローツェ <6323> が魅力的だ。
2021年6月4日 記
株探ニュース