前場に注目すべき3つのポイント~ロールオーバー中心で方向感は掴みづらい~

市況
2021年6月9日 8時38分

9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:ロールオーバー中心で方向感は掴みづらい

■フリービット、21/4上方修正 営業利益34.03億円←24.00億円

■前場の注目材料:ダイセル、年功序列廃止、一般社員2200人も来春

■ロールオーバー中心で方向感は掴みづらい

9日の日本株市場はこう着感の強い相場展開になりそうだ。8日の米国市場はNYダウが30ドル安だった。5月消費者物価指数(CPI)の発表を控え、様子見姿勢が強い中、方向感の欠く一日となった。ダウは高値を警戒する売りに押されたほか、長期金利の低下が金融株の重石に。一方、ハイテク株にとっては長期金利の低下は追い風となり、ナスダックはおおむねプラス圏での推移だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比75円安の28985円。円相場は1ドル109円50銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行の展開になりそうである。米国ではCPI待ちのなかで売り買いが交錯している状況であり、手掛かり材料にも欠ける。また、週末のメジャーSQを控えていることから、先物市場では大半がSQに絡んだロールオーバー中心の商いであり、仕掛けてくる動きも限られている。日経平均は75日線に上値を抑えられる状況が続いている。下値の堅さから煮詰まり感も台頭しているものの、抵抗線突破を意識した動きも期待しづらいところであろう。

そのため、基本的には29000円を挟んだ狭いレンジでのこう着感の強い相場展開になりそうであり、個別の材料などを手掛りとした物色が中心になりやすいだろう。ナスダックの上昇からハイテク株への物色も意識されそうだが、SOX指数は下落していることもあり積極的には手掛けづらそうである。足元で物色が強まっている海運などの動向を睨みながらバリュー志向に向かいやすいところか。

なお、NT倍率は先物中心限月で直近のボトム水準まで低下している。ナスダックの上昇からNT倍率の上昇も意識されやすい面はありそうだが、ボトム圏での推移が続くようだと、全体の方向感は出にくく、SQ通過を待つことになりそうだ。

■フリービット、21/4上方修正 営業利益34.03億円←24.00億円

フリービット<3843>は2021年4月期業績予想の修正を発表。営業利益は24.00億円から34.03億円に上方修正した。従来計画はコロナ影響を考慮して策定していたが、インターネットインフラカテゴリ(インフラテック、不動産テック)の事業が堅調に推移した。

■前場の注目材料

・ナスダック総合指数は上昇(13924.91、+43.19)

・1ドル109円40-50銭

・米原油先物は上昇(70.05、+0.82)

・米長期金利は低下

・海外コロナワクチン接種の進展

・世界的金融緩和の長期化

・株価急落時の日銀ETF買い

・ダイセル<4202>年功序列廃止、一般社員2200人も来春

・日産自<7201>次世代生産システムを追浜・武漢に導入、同一ラインで多車種

・デンヨー<6517>40年ぶり新工場、佐賀で防災用発電機増産

・古河電工<5801>ポリマー碍子、重量、磁器製の7分の1

・東京エレクトロン<8035>蘭研究所に塗布現像装置を導入

・住友商事<8053>米社とドローンの交通制御実証

・TPR<6463>TPR・日ピス、新分野開拓へ体制拡充

・いすゞ<7202>ウーブン・プラネットHD、いすゞ・日野自と協業、高精度地図を作製

・日本アビオニクス<6946>サーモカメラ拡充、1秒判定のタブレット型

・新東工業<6339>事業領域拡大、車・バイオ発電・介護開拓

・日立<6501>25年度営業益1兆円、デジタル分野の成長加速

・タツタ電線<5809>スタートアップ投資加速、電子・医療部材強化

・たけびし<7510>リチャンプ完全子会社化、東南ア事業拡大

・AGC<5201>プラスミドDNA製造、コロナワクチン向け受託

・日立金属<5486>国内営業再編、子会社一部事業、特約店に譲渡

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

・08:50 5月マネーストックM3(前年比予想:+7.0%、4月:+7.8%)

<海外>

・10:30 中・5月消費者物価指数(前年比予想:+1.6%、4月:+0.9%)

・10:30 中・5月生産者物価指数(前年比予想:+8.5%、4月:+6.8%)

《ST》

提供:フィスコ

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