ヒガシ21 Research Memo(3):幅広い分野の大手優良顧客層が安定収益基盤となる(1)

特集
2021年6月11日 15時23分

■ヒガシトゥエンティワン<9029>の事業概要

1. 事業概要

セグメント区分は、運送事業(輸送サービス事業、オフィスサービス(事務所移転・引越)事業、静脈物流事業、ビルデリバリー事業、メールサービス事業、ITサポート事業、精密機器輸送サービス)、倉庫事業(保管サービス事業、ドキュメントサービス事業、物流・流通加工サービス)、商品販売事業、ウエルフェア事業、その他事業となる。また、連結子会社では、ユートランスシステムが精密機器輸送サービス、イシカワコーポレーションが物流・流通加工サービス、FMサポート21がビルデリバリー事業、トランスポート21が輸送サービス事業、ヒガシオフィスサービスとワールドコーポレーションがオフィスサービス事業を展開している。

セグメント別売上高の推移については、2021年3月期はコロナ禍の影響を受けたものの、主力の運送事業及び倉庫事業は概ね順調に拡大している。

(1) 運送事業

(a) 輸送サービス事業

近畿地区の新聞配送、ビールメーカー及び飲料メーカーの大阪中・南部地区の配送、製鋼所の非鉄金属の配送業務並びに一般荷主等の輸送業務を行っている。

(b) オフィスサービス事業

企業のオフィス移転業務を受託している。移転規模に合わせてプロジェクトチームが顧客の業務に支障をきたさないプランニングを行い、各官庁に対する諸手続きや移転前後の近隣対応等、事前・事後処理に関する業務までサポートしている。

(c) 静脈物流事業

全国の中間処理業者、産業廃棄物収集運搬業者をネットワーク化し、精密書類・OA機器等の回収・リサイクル化に応えられる体制を整えている。また、オフィスの機密書類等の紙資源処理は、全国各地で選定した製紙会社及び運送業者と提携して、ダンボール箱に詰めた機密書類を第三者の目に触れさせることなく溶解処理している。回収からリサイクル処分完了までのトータル物流システムによって、資源の再利用等の環境負荷軽減に対応した業務を提供している。

(d) ビルデリバリー事業

大型都市ビル内の快適な環境を守り、円滑なモノの流れを保つために、ビル館内での物品の搬出入を一括管理して共同配送することで、モノの流れを統括する物流システムを構築している。首都圏では東京オペラシティ・六本木ヒルズ・表参道ヒルズ・仙石山ヒルズ・御茶ノ水ワテラスタワー・日本生命丸の内ビル・エステック情報ビル・神宮前タワービルディング・Hareza Tower池袋・神谷町トラストタワー、中部圏では名古屋グローバルゲートタワー、関西圏ではグランフロント大阪南館・ニッセイ新大阪ビル・堂島アバンザ・新ダイビル等で受託している。

(e) メールサービス事業

DM・カタログ・パンフレット等を封入・封緘し、取扱郵便局までの発送から諸手続き等の代行サービスを行っている。

(f) ITサービス事業

PCのカストマイズを行っている。機器の調達、キッティング、現地でのセッティングからメンテナンスまで、同社グループの物流インフラを活用してトータルにサポートする。

(g) 精密機器輸送サービス

銀行ATM、通貨処理機、POSレジスター等の金融端末機を中心に、精密機器輸送を行っている。設置作業等の運送付帯業務も行い、輸送から設置まで一貫したサービスを提供している。

(2) 倉庫事業

(a) 保管サービス事業

製鋼所、家電商品メーカー、e-コマース向けの大型物流センター等、個々の顧客の商品に適した保管・管理を提供している。また、在庫管理から物流加工、配送まで一貫した総合情報システムで、顧客の物流基地としての機能を提供している。一例を挙げると、多久ロジネットセンターはJoyson Safty Systemsグループ(旧:タカタ(株))のエアバッグ部品用の物流基地となっている。

(b) ドキュメントサービス事業

国土交通省の認定を受けているトランクルームにおいて、特別なセキュリティが必要な企業の機密文書やデータを保管している。静脈認証システムやビデオカメラによる24時間監視体制等の警備システムを整え、利便性と安全性を両立させている。保存期間が到来した機密文書等は廃棄(リサイクル)するなどの一貫したシステムを採用することで、オフィススペースの有効活用を図るサービスを提供している。また、紙で保管されたままの文書や図面をデータ化するデジタルソリューション事業にも取り組んでいる。

(c) 物流・流通加工サービス

帳票類等の印刷物の書類保管、梱包、封入、発送、管理を行っている。それぞれの特性に合わせて、顧客のニーズに柔軟に対応したサービスを提供している。近年では、2020年3月期より関西圏にてe-コマース向けの庫内仕分作業にも参入し、さらに、2022年3月期下期より新事業となるインフラ会社の資材3PL業務が開始される予定。また、さらなる事業拡大に向け、2023年4月に3PL用の大型倉庫(約6,000坪)を茨木市に開設予定である。

(3) 商品販売事業

物流事業から派生した事業で、物流インフラを活用した各種梱包資材やOA機器等の販売を行っている。

(4) ウエルフェア事業

介護支援(福祉用具貸与)事業者向けに、福祉用具(ベッド、車椅子等)のレンタル及び販売を行っている。

(5) その他事業

駐車場事業では、大阪・東京・名古屋等の主要都市において、各地域に適した立体駐車場の運営を行っている。周辺事業のうち、ビジネスサポート事業では六本木ヒルズ内のオフィスコンビニ「ヒルズ21」の運営、PCイレース事業ではPCデータのイレース(機密データ消去・物理破壊、中古PC販売・リサイクル)、デジタルソリューション事業では大量の文書・図面等の保存を展開している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《YM》

提供:フィスコ

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