話題株ピックアップ【夕刊】(1):タムラ、THK、サイバー

注目
2021年6月16日 15時12分

■タムラ製作所 <6768>  701円  +100 円 (+16.6%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率2位

タムラ製作所<6768>はストップ高。同社はトランスやリアクターのほか、はんだ材料など電子材料を展開するが、パワー半導体分野では次世代の酸化ガリウム半導体の開発で業界をリードしている。同社からカーブアウトする形で設立されたノベルクリスタルテクノロジーが同分野の研究開発を推進している。15日に日本経済新聞が、このノベルクリスタルテクノロジーが酸化ガリウムの100ミリウエハーの量産に世界で初めて成功し、ウエハーの提供を2021年内に開始する見通しであることを報じた。これがタムラの株価を強く刺激する格好となった。次世代パワー半導体分野で、酸化ガリウム製は従来のシリコン製に比べ消失電力を1000分の1程度に低減することを可能とし、ウエハーのコストも安価に抑えられる強みを持っている。今後、太陽光発電などの再生可能エネルギーや電気自動車(EV)などの分野で大きく貢献するとみられ、同社株はその関連有望株として頭角を現している。

■自律制御システム研究所 <6232>  2,798円  +296 円 (+11.8%) 一時ストップ高   本日終値

自律制御システム研究所<6232>が急騰。15日の取引終了後、日本郵便と日本郵政キャピタルの2社との間で業務提携し、あわせて日本郵政キャピタルに対して第三者割当による新株式の発行を行うと発表しており、これが材料視された。同業務提携により、都市などでの目視外飛行が可能なドローンやそれに関わるシステムの開発をはじめ、ドローンを用いた物流システム確立などを目指す。なお、自律制御シ研は日本郵政キャピタルに対する第三者割当増資により、総額約30億円を調達する予定。割り当て後、日本郵政キャピタルは自律制御シ研株の10.36%を保有する筆頭株主となる。現在の筆頭株主である野波健蔵氏の持ち株比率は、所有株数は変わらないものの11.01%から9.88%へと低下する見込み。

■THK <6481>  3,480円  +200 円 (+6.1%)  本日終値

THK<6481>が8日ぶりに急反発。SMBC日興証券が15日付で同社の投資判断を「2(中立)」から「1(強気)」に引き上げ、目標株価を3600円から4300円へ増額しており、これが好材料視されたようだ。レポートでは、中国産業機器事業の受注高は季節性要因でピークアウトするものの、高水準が継続すると指摘。また、先進国の受注回復や輸送機器事業の収益性改善を考慮し、22年12月期に営業利益520億円と過去最高益(18年12月期498億円)を更新すると予想している。

■中央発條 <5992>  1,284円  +57 円 (+4.7%)  本日終値

中央発條<5992>が大幅続伸。15日の取引終了後、新たにタイでダイハツ向けシャシばね製品を新規受注し、東南アジアでの事業規模拡大を計画していることを明らかにしており、これが好材料視された。同社は既にタイの現地拠点であるCHUHATSUでシャシばね製品の生産をスタートしており、順次生産規模を拡張していく予定という。東南アジアにおけるシャシばね製品の需要は今後も拡大が見込まれ、引き続き投資や拡販活動を進めていくとしている。

■サイバーエージェント <4751>  2,322円  +89 円 (+4.0%)  本日終値

サイバーエージェント<4751>が5日続伸と上値追い鮮明。巣ごもり消費需要を捉えたネット広告が好調で収益を押し上げている。21年9月期は営業利益段階で575億~625億円予想(前期実績338億8000万円)と高変化を見込むが、市場では一段の上振れが有力との見方が強い。加えて、ゲーム子会社のサムザップが14日にテレビの人気アニメ「呪術廻戦」のスマートフォンゲームについて企画開発及び運営を行うと発表したことが株価上昇を後押しする形となった。

■TOYO TIRE <5105>  2,419円  +89 円 (+3.8%)  本日終値

TOYO TIRE<5105>が大幅反発し、年初来高値を連日更新した。SMBC日興証券が15日付で同社の投資判断「1(強気)」を据え置き、目標株価を前回の2300円から2700円へ引き上げており、これが好材料視された。レポートでは、好環境が続く米国需要の取り込みに加えて、高効率生産・供給体制の整備に伴う利益成長は、来期以降の成長ドライバーとして期待されると報告。また、業績拡大や株主還元強化によるバリュエーションの高まりにも期待したいとしている。

■INPEX <1605>  840円  +30 円 (+3.7%)  本日終値

INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>が高い。15日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前日比1.24ドル高の1バレル=72.12ドルに上昇。時間外取引で一時72.80ドル台へと値を上げている。新型コロナワクチンの接種拡大による米国の経済正常化に向けて、原油需要が回復するとの期待感が膨らんでいる。

■AGC <5201>  5,000円  +175 円 (+3.6%)  本日終値

AGC<5201>が大幅反発。15日の取引終了後、北米建築用ガラス事業をCardinal Glass Industries(米国)に譲渡すると発表しており、これが好材料視された。北米建築用ガラスの売却額は4億5000万ドル。同社は建築用ガラス事業の構造改革を進めており、今回の売却はその一環として行われる。売却に伴い、21年12月期第3四半期に譲渡益約250億円をその他収益として計上する予定だ。なお、通期業績への影響は現在精査中とし、判明次第発表するとしている。

■横浜ゴム <5101>  2,429円  +78 円 (+3.3%)  本日終値

横浜ゴム<5101>が大幅高で3日続伸し、年初来高値を更新した。SMBC日興証券が15日付で同社の投資判断「2(中立)」を据え置き、目標株価を前回の2000円から2500円へ引き上げたことが材料視されたようだ。レポートでは、足もとでトップラインは好調な推移がみられ、特に北米タイヤや農業用タイヤを扱うATGが想定を上回るペースで成長していると指摘。ATGの成長確度は高まりつつあるとし、ATG寄与で収益構造が変化するなか、バリュエーションの変化も注目されると報告している。

■コスモス薬品 <3349>  16,750円  +490 円 (+3.0%)  本日終値

コスモス薬品<3349>が4日続伸。SMBC日興証券は15日、同社株の投資評価を「2」から「1」に引き上げた。目標株価は1万7000円から1万8000円に見直した。前年のハードルは9月まで高く、22年5月期上期は営業減益を予想している。ただ短期的なカタリスト(相場の変動材料)には欠けるものの、同社はドラッグストア内での競争優位性や中期期待成長率の高さから、カタリスト、モメンタム(勢い)が欠ける時期に中長期視点に基づいて投資すべき、とみている。

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