話題株ピックアップ【夕刊】(1):オキサイド、フロンテオ、ニトリHD

注目
2021年6月23日 15時11分

■オリバー <7959>  3,220円  +500 円 (+18.4%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ

オリバー<7959>がストップ高。投資会社インテグラル傘下のNEXT-Оが22日、オリバー株の非公開化を目指して公開買い付けを行うと発表した。買い付け価格が3781円とされていることから、これにサヤ寄せする格好となった。この公開買い付けは、MBOの一環としてオリバー取締役会の賛同のもと、友好的に同社株の全てを取得するために実施される。買い付け予定数は1020万7016株(下限618万6900株、上限設定なし)で、買い付け期間は6月23日から8月5日まで。なお公開買い付け成立後、オリバーは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所はオリバーを22日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■オキサイド <6521>  9,120円  +960 円 (+11.8%)  本日終値

オキサイド<6521>が大幅高で3連騰。6月中旬以降は次第高の展開で7700円近辺を横に走る25日移動平均線からの上放れを鮮明としている。レーザー光源や光学系デバイス、計測装置などの製造販売を手掛けるが、半導体材料の開発にも注力している。今後加速的な市場拡大が見込まれる次世代パワー半導体では炭化ケイ素(SiC)製デバイス、窒化ガリウム(GaN)製デバイス、酸化ガリウム(Ga2O3)製デバイスなどが注目されており、株式市場でもこれらの開発製造に関連する銘柄に光が当たっている。そうしたなか、同社は前週18日にGaN薄膜単結晶の成長に適した新材料基板のサンプル出荷開始を発表、これが新たな株高材料となっている。同社は過去に経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」にも選出されるなど、ニッチ分野での高い技術力に評価が高く、半導体の微細化や量子コンピューティング分野でもキーテクノロジーと目されているレーザー技術関連株の一角として人気化素地が高い。

■FRONTEO <2158>  1,120円  +94 円 (+9.2%)  本日終値

FRONTEO<2158>が大幅高、1000円台乗せから更に上値指向を強めている。同社はここ急速に株価水準を切り上げ、今週明けまでで10連騰と異彩の上昇パフォーマンスをみせていた。前日は、全体リスクオン相場で上昇一服となったが、改めて買い直されている。22日取引終了後、創薬支援AI「Cascade Eye」に関する国内特許査定を取得したことを発表、これが新たな株価刺激材料となっている。テクニカル的には昨年6月につけた高値1056円がポイントとなっており、きょうはここを払拭したことで上値が軽くなった。

■乾汽船 <9308>  1,305円  +105 円 (+8.8%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

乾汽船<9308>が異彩高。前日に軒並み急動意をみせた大手海運株は、きょうは目先利益確定の動きが優勢となり日本郵船<9101>や商船三井<9104>など総じて売り物に押される展開を余儀なくされている。しかし、相対的に出遅れ感のあった乾汽船はその間隙を縫って一気に上値指向を強めている。22年3月期は市況改善を背景に、増収効果を反映して営業損益段階からの大幅黒字化が見込まれている。年間配当は前期実績の6円から一気に51円への増配を計画していることは特筆される。「アクティビストのアルファレオが筆頭株主に入っているが、会社側では買収防衛策の導入などに動いており、株式需給面でも思惑がある」(国内証券ストラテジスト)とされる。

■フリュー <6238>  1,357円  +104 円 (+8.3%)  本日終値  東証1部 上昇率6位

フリュー<6238>が大幅続伸、年初来高値を更新した。東海東京調査センターは22日、同社株のレーティングの「アウトパフォーム」を継続するとともに、目標株価は2000円から2550円に引き上げた。22年3月期は、プリントシール事業とコンテンツ・メディア事業はコロナ禍の影響が残るとみているが、キャラクター・マーチャンダイジング事業が複数の大型商材の貢献により業績を牽引するとみている。特に、幅広いユーザー層から圧倒的な支持を得ているマイクロソフト<MSFT>のオンラインゲーム「マインクラフト」関連商材の動向に注目している。コロナワクチンがある程度普及し、ファミリー層がアミューズメント施設に来場する局面での需要の受け皿となる商材として大いに期待が持てる、と指摘。同社の今期連結営業利益は前期比17.0%増の32億円の見通しだが、同センターでは50億7700万円への増額修正を予想している。

■日本ケミコン <6997>  2,633円  +154 円 (+6.2%)  本日終値

日本ケミコン<6997>が続伸。23日付の日本経済新聞は、同社とブリヂストン<5108>子会社の旭カーボン(新潟市)は「全固体電池の電極に使う導電材料を2023年にも量産する」と報じたことが好感された。同社は粘土状で加工しやすい電極向けの導電材料を開発。電極内の物質を炭素材料(カーボン)で包むことで、抵抗や放熱を減らし、容量を高められるという。旭カーボンの新潟の工場で生産し、日本ケミコンが販売する見込みだ。

■ニトリホールディングス <9843>  19,835円  +995 円 (+5.3%)  本日終値

ニトリホールディングス<9843>が大幅続伸。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「2021年3~5月期の本業のもうけを示す連結営業利益が、前年同期比13%増の420億円程度になったことが分かった」と報じられており、第1四半期として過去最高を更新したとの観測が好材料視された。記事によると、新型コロナウイルス感染防止のために外出を控えるようになった人々が、住みやすさを求めて家具や家電を買い換える動きが広がったという。また、買収した島忠の業績が上乗せされたことも寄与したという。

■アートSHD <3663>  3,755円  +130 円 (+3.6%)  本日終値

アートスパークホールディングス<3663>が4日ぶりに反発。この日正午ごろ、グループ会社のカンデラ社が、世界的な自動車部品メーカーであるインドのバロック・エンジニアリング社とTFT(薄膜トランジスタ)メータークラスター開発のためにHMI(ヒューマンマシンインターフェース)技術を共有する戦略的提携を行うことで基本合意したと発表しており、これが好感された。今回の提携により、バロック社はTFTメータークラスターのハードウェアと製品のベースとなるソフトウェアを開発する一方、カンデラはHMIのソフトウェアソリューションを提供するという。これにより、インドをはじめとした世界の車載TFTメータークラスター市場で、より短期間でコストが最適化されたソリューションを提供できるようになるとしている。

■CYBERDYNE <7779>  525円  +18 円 (+3.6%)  本日終値

CYBERDYNE<7779>が高い。正午ごろ、医療用HAL下肢タイプ(単脚モデル)について、脳卒中片麻痺患者の歩行能力などの運動改善を目的とする医療機器承認をめざす医師主導治験で、優越性を示す統計学的な有意差が認められたと発表しており、これが好感された。同社では、治験において十分な安全性も確認できたことから今後、当局(医薬品医療機器総合機構:PMDA)と協議し、日本における脳卒中患者に対する医療用HALの製造販売承認申請の準備を進めるとしている。

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