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米国株
2021年6月24日 19時30分
特集

製造現場のIoT革命、次代を担う「スマート工場」関連株に照準 <株探トップ特集>

―国内外で進むスマート工場への取り組み、5G時代に見えてきた新たなビジョン―

コロナ禍によって、多岐にわたる業種が深刻なダメージを受けた。足もとでは、日本国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が加速しているとはいえ、世界各国でインド型(デルタ株)の感染拡大が確認されており、先行きはまだ不透明感が漂う。しかし、そうしたなかでも、ネガティブインパクトが大きかった製造業を中心に、「スマート工場」が普及期に至っているという明るい材料がある。

●国内外で急速に存在感高める

直近、国内の動向では、沖電気工業 <6703> は2月に計画を公表していた埼玉県の新工場について、今月7日に着工したことを発表した。同工場は2022年4月に竣工予定で、同年5月から同社のソリューションコンセプトである「Manufacturing DX(マニュファクチャリング・デジタルトランスフォーメーション)」を実現するスマート工場として本格稼働を開始する予定。また、アサヒグループホールディングス <2502> がスマートファクトリーのモデル工場を2~3年内に設けることも一部メディアによって報じられている。

一方、国内に限らず海外でもスマート工場を巡る動きは加速しつつある。例えば、中国の大手自動車メーカーである長城汽車は6月に入り、タイにスマート工場を正式開設している。20年に工場を取得し、着々とスマート化を進めていたのだ。また、米マイクロソフト<MSFT>の台湾法人と台湾の電子機器受託製造サービス大手の英業達(インベンテック)は、 5Gを活用したスマート工場プラットフォームの構築で協力するべく覚書を交わしたことが伝えられている。こうした国内外の動向を挙げればきりがないくらいに、スマート工場は急速にその存在感を高めている。

●「インダストリー4.0」構想に紐づく

実際、こうした認識を持っているのは通信業界も同様のようで、韓国通信大手KTの幹部が5Gの採用状況について質問を受けた際に、「真の最前線は5Gスマート工場だ」と回答したことも報じられている。高速・大容量通信を実現した5Gの真価を発揮する新たなビジョンが早晩見えてくることになりそうだ。

そもそも「スマート工場」の概念自体は、ドイツが提唱した「第4次産業革命」という意味合いを持つ「インダストリー4.0」という構想に紐づいて存在しており、日本では経済産業省が16年度に「IoT推進のための社会システム推進事業(スマート工場実証事業)」を開始したあたりから、本格的に取り組みが進展してきている。

●AIによりデータ収集や連携が高度化

従来よりも高速かつ大量の通信を可能にする「5G」だけでなく「人工知能(AI)」という存在が加わったことで、データ収集や連携が高度化し、一挙に可能性が広がった格好だ。完成されたスマート工場では、システムないしロボットが自律的に意思決定をすることで、人間をサポートするため、生産効率が上昇するだけでなく、省力化(省人化)にも資することになる。当然、センサーを用いてリアルタイムで生産・稼働状況を監視しているため、トラブルの発生などに対して即応することが可能だ。

製品の製造プロセス明瞭化、人口減少(人手不足)、生産効率、付加価値の創出やビジネスモデルの変革など、さまざまな観点からスマート工場の引き合いは増大していくことになろう。そこで、今後の活躍が期待できるスマート工場関連の7銘柄を紹介したい。

●スマート工場で実力発揮する7銘柄

【アズビル <6845> 】 制御・計測機器メーカー大手。超スマート工場を「これからの若者が就労したいと感じる工場」と定義しており、その実現に向けたソリューションを提案する。熟練者の叡智を超越・継承する第2、第3の目となる「 IoTエージェント」では、高機能センサーを活用した生産状態や設備稼働の可視化・診断などを行う。「IoTエージェント」を使いこなす「データエンジニア」のほか、データエンジニアを支援するサービスを提供する。

【アルプスアルパイン <6770> 】 製品の品質を高め、生産効率を向上する自動化技術に、豊富なノウハウを持つ。汎用自動化設備の開発・量産展開に注力しており、ユニットコンセプトによる汎用自動化ラインを構成。ユニット化によって、さまざまな種類の製品に対応した生産ラインを構築することが可能。また、自動車・民生市場向けに多種多様なセンサーを取り揃えているが、工場の重要設備を中心に汎用性の高い商品・サービスの開発を目指す。

【ジェイテクト <6473> 】 19年11月に日立ソリューションズとスマートファクトリーの領域での協業を発表した。同社は製造現場におけるIoTの活用において、「JTEKT IoE(Internet of Everything) Solution」を推進しており、スマートファクトリーの実現に向けてシステム構築を進めている。また、国立研究開発法人の産業技術総合研究所と連携して、知能化・自律化や システムインテグレーションの技術開発を進めている。

【住友重機械工業 <6302> 】 総合重機大手で特に射出成形機で高い競争力を誇る。また、射出成形機向けの生産品質管理システム「i-Connect」を展開している。これは成形機と周辺機器・各種センサーの情報を統合し、生産現場のIoTを構築するコアアプリケーションとして幅広いニーズを捉えている。工場外にいても、スマートフォンやタブレットなどの端末に、稼働状況や異常発生などをリアルタイムで伝えることができる。

【明電舎 <6508> 】 重電セクターの中堅で発電・変電や制御装置などで強みを持っている。自国から海外工場設備の故障予兆検出や余寿命診断を実施する海外工場の遠隔設備診断や受変電設備のスマート診断、水力発電施設の運用最適化など社会インフラを支える設備や施設運用、保守を手掛けている。IoT活用により、設備の故障予兆を早期にとらえて安定稼働を支えるほか、設備メンテナンスを効率化する。

【日本航空電子工業 <6807> 】 コネクターのほか航空用電子機器の製造販売を行う。幅広い用途に向けたコネクターを多種にわたり開発している。工場のスマート化、省人化・無人化に向けて産機・インフラ市場の中期的な拡大が見込まれることから、産業機器向けコネクターなどの需要拡大が期待できる。5G向けコネクターとして、基地局の熱設計を容易にするSFPトランシーバ内蔵型の光コネクターを開発している。

【TDCソフト <4687> 】 金融関連で実績の高い独立系システムインテグレーターで、自社開発のクラウドサービスやデータ分析で実力を発揮する。プライベートLTEサービスを提供するLTE-X(東京都中央区)をグループに擁し、 ローカル5G分野でのサービス提供に向けた取り組みを推進している。工場、病院、学校などの閉域ネットワークで、ローカル5Gを活用した新たなシステムインテグレーションサービスを提供する。

株探ニュース

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