話題株ピックアップ【夕刊】(2):レーザーテク、ストライク、ラオックス
■レーザーテック <6920> 21,650円 +60 円 (+0.3%) 本日終値
レーザーテック<6920>は朝安後に小幅ながらプラス圏浮上。前日まで3日続落と下値模索の動きにあったが、足もと押し目買いが入ってきた。前日は最高値更新が続いていたフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が小幅ながら3日ぶりに反落し上昇一服となった。東京市場では米国株市場に先んじて半導体の主力株の上値が重くなっており、同社の値動きはそれを象徴している。マスクブランクス検査装置のニッチトップ企業として、その実力は新たに立ち上がったEUV露光装置市場でも存分に発揮されている。しかし、市場では「時価予想PERが140倍近くに達していることで警戒ムードもあるようだ。ここから先、同社の最終利益が複数期にわたって倍増近いペースで拡大していくことは確信が持てない部分もある」(ネット証券アナリスト)という声も聞かれる。
■ストライク <6196> 4,100円 -335 円 (-7.6%) 本日終値 東証1部 下落率6位
ストライク<6196>が急反落。同社は6月30日取引終了後に、21年9月期第3四半期累計(20年9月~21年5月)の単独決算を発表。営業利益が前年同期比4.5%減の20億3500万円にとどまったことがネガティブ視されたようだ。売上高は同12.4%増の55億9700万円で着地。M&A成約組数が99組(前年同期は97組)となったほか、成約単価が上昇したことが売り上げ増につながった。一方、人件費や営業活動費用の増加に加え、本社移転に伴う臨時的な支出が利益面に影響した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■DMG森精機 <6141> 1,871円 -123 円 (-6.2%) 本日終値 東証1部 下落率8位
DMG森精機<6141>が急落。30日の取引終了後、ユーロ円建て転換社債(CB)型新株予約権付社債を発行し約400億円を調達すると発表しており、CBの株式転換による1株当たり利益の希薄化を懸念する売りが出た。同債は満期償還日が24年7月の3年債。発行日は21年7月16日。転換価格は前日終値を30.04%上回る2593円で決まった。潜在株式による希薄化率は12.38%となる。調達資金は、環境対応や生産性向上のための設備投資、中国など成長市場への投資に充てる。
■三菱電機 <6503> 1,515円 -97.5 円 (-6.1%) 本日終値 東証1部 下落率9位
三菱電機<6503>が年初来安値を更新した。鉄道車両用空調装置などの不適切検査が発覚したことがネガティブ視されたようだ。同社は6月30日、鉄道車両用空調装置の一部で購入仕様書の記載とは異なる検査の実施や検査の不実施、検査成績書への不適切な記載を行っていたことが社内調査で判明したと発表。加えて、鉄道車両用空気圧縮機ユニットの一部で購入仕様書の記載とは異なる検査の実施や検査の不実施があったことも明らかにしている。同社は現時点で業績予想の修正はないとしているが、影響が見込まれる場合には速やかに公表するとしている。
■ファンケル <4921> 3,560円 -40 円 (-1.1%) 本日終値
ファンケル<4921>は続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は30日、同社株のレーティングの「ニュートラル」を継続するとともに、目標株価は4000円から3500円に引き下げた。「インバウンド需要の回復の遅れがバリュエーションのディスカウントに」とみている。中国事業で拡大戦略が打てないことはマイナス要因と指摘。いずれインバウンド需要で業績が大きく回復する可能性はあるが、その時期には不透明感がある、としている。同証券では22年3月期の連結営業利益は会社予想の120億円に対して117億円(前期比1.1%増)と予想している。
■トヨタ自動車 <7203> 9,690円 -20 円 (-0.2%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は強弱観対立のなか前日終値近辺で売り買いを交錯。米国では新型コロナウイルスの感染拡大を警戒して10年債利回りが再び低下傾向にあるが、外国為替市場ではドル買い・円売りの動きが強まっている。足もとドル円相場は1ドル=111円台に入る円安が進んでおり、為替感応度の高い同社は今期想定為替レートを1ドル=105円に設定していることもあって、収益面での強力なポジティブ材料となる。一方、世界的に新型コロナウイルス変異株の感染拡大が観測されるなか、世界景気回復への期待が後退しており、好調が続いていた自動車販売需要の減速を警戒する動きもあるようだ。
■ラオックス <8202> 310円 +79 円 (+34.2%) 一時ストップ高 本日終値
ラオックス<8202>が続急騰、前日は寄り直後に急騰し大引けまで値幅制限上限に張りついていたが、きょうもその余勢を駆って大幅高となり、80円高は連日のストップ高となる311円まで駆け上がった。6月29日に海外メディアを通じて中国のアリババグループと江蘇省政府が率いるコンソーシアムが家電販売の蘇寧易購への出資で合意に近づいていると報じられたが、ラオックスはこの蘇寧易購の傘下にあることで思惑買いが集中している。株式需給面では日証金で貸株急増し高水準の逆日歩がついており、30日午後から貸株規制がかかっている。
■INEST <3390> 106円 +25 円 (+30.9%) 一時ストップ高 本日終値
INEST<3390>がマドを開けて急騰。6月30日の取引終了後、光通信<9435>と資本・業務提携すると発表しており、これが材料視された。この提携により、光通信グループが手掛けるフードデリバリーサービス事業者向けの飲食店開拓に関する事業について、アイネストが同事業を独占的に受託する。これに伴い、アイネストは光通信を割当先とする新株予約権の発行を行い、総額約2億6800万円を調達する。両社は、既に介護業界向けサービス提供や教育研修事業において提携関係にあるが、今回の資本・業務提携をもってこうした提携については終了させる見込み。
株探ニュース