上方修正を発表した郵船の株価動向でセンチメントを見極め/オープニングコメント

市況
2021年7月2日 8時24分

2日の日本株市場は引き続きこう着感の強い相場展開が続きそうである。1日の米国市場ではNYダウが131ドル高だった。週次の失業保険申請件数がパンデミックによる経済封鎖が始まった昨年3月中旬以降で最小となったため労働市場の回復期待が一段と強まり買い優勢の展開。原油高も手伝い終日堅調に推移し、引けにかけて上げ幅を拡大した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比155円高の28785円。円相場は1ドル111円50銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まろう。ただし、買い一巡後は次第にこう着感が強まりやすいと見られる。米国では新たな四半期に入ったこともあり、資金流入への期待から景気敏感株を中心に買われているが、一方で、マイクロンテクノロジーは予想を上回る決算ながらも材料出尽くしといった流れからか売られている。雇用統計の発表を控えているとはいえ、長期金利の低下傾向も続いていることから地合いは悪くないだけに、今後本格化する決算を前に慎重にさせそうである。

日経平均は29000円辺りに位置している75日線に上値を抑えられる格好から、今週は緩やかな調整が続いている。28500円水準での底堅さは意識されるものの、足元では25日線辺りも抵抗に変わってきているところであり、積極的にリバウンドを狙いにいく動きは期待しづらいところであろう。米国市場の上昇や雇用統計の発表を控えて短期筋のショートカバーは意識されるだろうが、週明け5日の米国市場は独立記念日の振替祝日で休場となるため、海外勢のフローも期待しづらい。そのため、先物主導によるインデックスに絡んだ商いの影響を受けやすい点については注意しておきたい。

物色の流れとしては個人主体の売買が中心になりやすく、マザーズやJASDAQなど中小型株での短期的な値幅取り狙いに。また、昨日はこれまで強い上昇が続いていた海運セクターに対する利益確定の動きが目立っていた。一方で、昨日の取引終了後に郵船<9101>が通期業績予想の上方修正を発表している。内容としてはコンセンサスを上回る修正であるため、ポジティブである。そのため、上方修正を受けて、改めて買い直されるかが注目されよう。反対に材料出尽くし感から利食いの動きが強まるようだと、景気敏感株への利食いの動きが広がりを見せてくる可能性はありそうだ。

《AK》

提供:フィスコ

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