話題株ピックアップ【夕刊】(2):INPEX、SHIFT、郵船
■INPEX <1605> 855円 +20 円 (+2.4%) 本日終値
INPEX<1605>やENEOSホールディングス<5020>、出光興産<5019>が高い。1日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月限が前日比1.76ドル高の1バレル=75.23ドルに上昇。一時、76.22ドルと18年10月以来、2年9カ月ぶり高値をつけた。1日に開催された石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国による「OPECプラス」では、協調減産の縮小幅が予想より小さくなるとの報道が伝わり、需給引き締まりへの期待から原油先物は上昇した。ただ、アラブ首長国連邦(UAE)の反対により、決定は2日に持ち越された。
■SHIFT <3697> 17,290円 +350 円 (+2.1%) 本日終値
SHIFT<3697>が反発。1日の取引終了後、小売業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するフェズ(東京都千代田区)と資本・業務提携すると発表しており、これが好材料視された。フェズが第三者割当で発行するC種優先株式(潜在ベースの持ち分比率2.4%)を引き受ける。今回の提携は、今後拡大する市場で急成長が期待されるフェズを支援することで小売業界のDX化を連携して推進するのが狙い。また、フェズの持つ小売業界の取引先基盤にアクセスすることで、SHIFTの新規顧客開拓や既存顧客との関係性の強化、それによる取引の拡大にも取り組むとしている。
■フジテック <6406> 2,498円 +44 円 (+1.8%) 本日終値
フジテック<6406>はしっかり。この日、顔認証によりエレベーターを操作できる呼び入力システムを開発したと発表しており、これが好材料視された。同システムは、事前に利用者の顔写真と普段利用する目的階の登録を行い、エレベーターホールに設置した専用カメラで顔認証することでエレベーターを自動的に呼び出し、利用者が到着したかごに乗り込むと、登録済みの目的階を自動で入力することで、ボタンに触れずに目的階まで移動することができるというもの。同社では最近の公衆衛生意識の高まりから、顔認証を活用した技術研究を進めており、今後、商品化に向けた検証を重ねるとしている。
■清水建設 <1803> 871円 +15 円 (+1.8%) 本日終値
清水建設<1803>が続伸。きょう付けの日刊工業新聞で「人工知能(AI)を活用することで、シールドマシンによるトンネル工事の掘進計画の策定から施工操作までの作業を自動化した」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、同社が開発した次世代型トンネル構築システム「シミズ・シールドAI」は、AIの支援でシールド掘進の計画策定から操作までを自動化・無人化した世界で初めての技術という。今秋、関西の雨水放水路シールド工事で初めて適用するとしており、省人化への貢献が期待されている。
■日本郵船 <9101> 5,510円 +90 円 (+1.7%) 本日終値
日本郵船<9101>は4日ぶりに反発。1日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆5000億円から1兆8000億円(前期比11.9%増)へ、営業利益を660億円から1300億円(同81.7%増)へ、純利益を1400億円から3500億円(同2.5倍)へ上方修正したことが好感された。旺盛な輸送需要の継続を背景に持ち分法適用会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス社の業績が想定以上に堅調に推移していることや、航空運送事業及び物流事業で引き締まった需給が継続していることが要因。また、好調なドライバルク市況などで、不定期専用船事業の収支の良化も見込むとしている。
■科研製薬 <4521> 4,860円 +75 円 (+1.6%) 本日終値
科研製薬<4521>が続伸し、年初来高値を更新した。同社は1日取引終了後に、スペインの製薬会社であるアルミラル(バルセロナ市)と爪白癬治療剤「クレナフィン」の欧州での独占的ライセンス実施許諾及び供給契約を締結したと発表。これが材料視されたようだ。同剤は、科研薬が創製した新規トリアゾール系化合物で、爪の中や爪の下の皮膚に浸透することにより爪白癬に優れた臨床効果を発揮する。国内では同社が2014年9月から販売しているほか、海外では米国、カナダ、韓国、台湾、香港・マカオで導出先企業が販売している。なお、同社は今回の契約により、アルミラルから契約一時金、マイルストン及び販売額に応じたロイヤルティを受領する。
■バイセル <7685> 4,545円 +65 円 (+1.5%) 本日終値
BuySell Technologies<7685>が反発。1日の取引終了後、子会社タイムレスが、オンラインで査定を行う買い取りサポート事業「タイムレスエクスプレス」を開始し、カーコンビニ倶楽部に提供を開始したと発表しており、これが好材料視された。タイムレスでは、古物商向けオークション「タイムレスオークション」を運営し、全国の買取店・質屋など同業種に対しオンラインでの遠隔査定・買い取りを行っているが、同オンライン査定システムを活用し、既存のリユース業以外の企業でもリユース品の査定・買い取り業務を支援する目的で、新たに買い取りサポート事業「タイムレスエクスプレス」のサービスをローンチしたという。今回、カーコンビニ倶楽部がブランド品・時計・ジュエリーなどの買い取り事業へ参入することから、「タイムレスエクスプレス」を導入することになったという。
■トヨタ自動車 <7203> 9,820円 +130 円 (+1.3%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が5日ぶり反発。6月15日に初の1万円大台に乗せ市場の注目を集めたが、その後は大台で値固めに移行することなく再び9000円台に押し戻された。ただ、9000円台後半では押し目買いの動きも旺盛で下値抵抗力を発揮している。足もと半導体不足に伴う生産調整が緩和されているほか、外国為替市場では1ドル=111円台後半までドル高・円安に振れていることで、輸出採算改善メリットも期待されている。また、日本の大手自動車メーカー6社から前日発表された4~6月の米国新車販売台数は前年同期比64%増と大幅に増加。そのなか同社は73%増と大幅な伸びを達成し、わずかながら米ゼネラル・モーターズ<GM>の販売台数を上回った。GMが四半期ベースで米販売首位を明け渡すのは23年ぶりということもあって、これも買いの手掛かり材料となっている。
■サイバーエージェント <4751> 2,386円 +31 円 (+1.3%) 本日終値
サイバーエージェント<4751>が反発。1日の取引終了後、クリエイティブオフィスの企画・運営を手掛けるリアルゲイトを子会社化し不動産領域へ参入すると発表しており、これが好材料視された。サイバーが持つ技術力やデジタル分野におけるサービス開発・運用におけるノウハウなどをもとに、不動産領域のDX推進を図る。これにより、リアルゲイトが推進するクリエイティブな不動産とITの融合によって、自由なワークプレイス・街づくりの発展に寄与するとしている。
■アイカ工業 <4206> 3,940円 +50 円 (+1.3%) 本日終値
アイカ工業<4206>が4日ぶりに反発。同社は1日、8月23日出荷分から化成品商品の価格を改定すると発表。値上げによる採算改善が期待されているようだ。対象となるのは化成品商品全般(アイカエコエコボンド、アイカアイボン、ジョリパット、ジョリエース、アイカピュール、ジョリシール、ダイナミックレジンなど)で、値上げ幅は10%以上。値上げの背景は、世界経済の急回復に伴い需要が拡大する一方、世界各地の天候不順や事故などによる化学品原材料メーカーの製造休止や相次ぐ工場設備トラブルなどの影響により、使用する化学品原材料の需給バランスが逼迫し、その価格が急騰していることが理由だとしている。
株探ニュース