話題株ピックアップ【夕刊】(3):ゼット、Tワークス、正興電

注目
2021年7月8日 15時18分

■三菱UFJ <8306>  586.7円  -5.1 円 (-0.9%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク3社がいずれも軟調。ここ米長期金利の低下基調が一段と鮮明となっており、米国事業における運用環境の悪化がメガバンクの株価にマイナスに働いている。前日は、米国債の売りポジションを積み上げていた機関投資家がショートカバーを強いられる形で債券価格が上昇。米10年債利回りは終値ベースで1.31%台まで低下し、約4カ月半ぶりの低い水準となった。これを受けて、前日の米国株市場ではNYダウなど主要株指数が上昇したものの、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、シティグループ<C>、バンク・オブ・アメリカ<BAC>など大手金融株は軟調な銘柄が多くなった。東京市場にもこの流れが波及している。

■SUMCO <3436>  2,670円  -22 円 (-0.8%)  本日終値

SUMCO<3436>、信越化学工業<4063>など半導体シリコンウエハー大手2社が売りに押されたほか、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置大手メーカーも軟調な動き。前日の米国株市場では米10年債利回りの低下を背景にハイテクセクターに買いが入り全体相場に貢献したが、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は1.4%安と続落した。東京市場では先駆した主力の半導体関連株の上値が重くなっており、前日のSOX指数下落を受けてリスクを回避する売りが優勢となった。

■ゼット <8135>  341円  +80 円 (+30.7%) ストップ高   本日終値

ゼット<8135>が全体軟調相場のなか、突発人気化。80円高はストップ高となる341円まで駆け上がった。東京五輪は新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大を背景に緊急事態宣言下での開催という異例の事態となりそうだが、個別株は貸株調達を含む空売りの買い戻しなどが作用して逆に急騰するケースも増えている。直接的には米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が、日本時間8日に行われたレッドソックス戦で32号本塁打を打ち、松井秀喜(当時ヤンキース)が2004年に記録した日本人の最多本塁打記録を抜いたことが、同社の株価刺激材料となったもよう。また、東京五輪は無観客試合となる公算が大きくなっているが、開幕接近でスポーツ関連株の一角に物色の矛先が向かいやすいという面もあるようだ。そのなか、同社は業績も回復歩調で22年3月期の営業損益が5億円の黒字に転じる見通し。コロナ禍にあっても、SNSなどでゼットブランドの発信を強化しており業績への貢献が期待されている。

■トレードワークス <3997>  1,017円  +150 円 (+17.3%) ストップ高   本日終値

トレードワークス<3997>がストップ高。7日の取引終了後、SaaS型クラウドECプラットフォーム「Emerald Blue」を開発したと発表しており、これを好感する買いが入った。「Emerald Blue」は、ECサイトを構築する際の方法となるASPとECパッケージの両方のニーズに対応し、クラウド環境でECサイト構築から運営が可能、ECプラットフォームを事業者が持たずに低コストでサービス提供できるなどの特徴を持つ。また、受注、決済管理、配送、商品管理、動向分析などネットショップに必要な機能を集約しており、クラウド型フルフィルメントシステムの提供が可能となるとしている。

■正興電機製作所 <6653>  1,737円  +52 円 (+3.1%)  本日終値

正興電機製作所<6653>が全体地合い悪のなか続伸、1600円台での底値もみ合いを経て浮上の気配を強めている。電力向け受変電設備などの製造販売を手掛け、IoT技術を活用した情報制御システムなどで実力を発揮する。主要顧客は九州電力<9508>と日立製作所<6501>で、強固な収益基盤を武器に急成長、21年12月期営業利益は前期比51%増の20億円を見込んでいる。ここ太陽光発電の目標上積みなど国策の追い風が再び強まってきた再生可能エネルギー分野では、ハイブリッド蓄電システムなどで強みを持ち、需要獲得が期待される。

■うるる <3979>  3,160円  +85 円 (+2.8%)  本日終値

うるる<3979>が5日ぶりに反発。7日の取引終了後、電話取り次ぎサービス「fondesk(フォンデスク)」の有料契約ID数が6月末時点で2500件を突破したと発表しており、これが好感された。併せて、全国での導入をさらに加速させるため、パートナーサクセス(東京都目黒区)とアドバイザリー契約を締結したことも明らかにした。また同日、国内独立系ヘッジファンドのシンプレクス・アセット・マネジメントが大量保有報告書を提出しており、需給面での思惑も働いたようだ。報告書によれば、シンプレクスのうるる株式保有比率は5.42%となり、新たに5%を超えたことが判明した。なお、保有目的は投資一任契約または投資信託委託契約に基づく純投資としている。

■IGポート <3791>  1,763円  +40 円 (+2.3%)  本日終値

IGポート<3791>が反発。7日の取引終了後、グループ会社のプロダクション・アイジーがルーカスフィルムのアニメプロジェクト「スター・ウォーズ:ビジョンズ」にて、オリジナル短編アニメーション「The Ninth Jedi」の制作を決定したと発表。同プロジェクトは、日本のアニメと「スター・ウォーズ」がタッグを組む共同プロジェクトで、日本の7つのアニメスタジオが参加して全9作品の「スター・ウォーズ」の新たな物語が描かれる。「The Ninth Jedi」は9月22日からディズニープラスで独占配信となる予定だ。

■NATTY <7674>  3,385円  +20 円 (+0.6%)  本日終値

NATTY SWANKY<7674>が続伸。7日の取引終了後に発表した月次報告で、6月度の既存店売上高が前年同月比2.2倍となり、3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。同社は餃子居酒屋「ダンダダン酒場」の直営やフランチャイズ運営を展開している。6月は感染症対策を講じ、直営店(一部店舗を除く)で通常営業を行い、既存店来客数が2.4倍と急回復した。客単価は10.2%減少したものの、客数急増により大幅増収を達成した。

■MSコンサル <6555>  603円  -62 円 (-9.3%)  本日終値  東証1部 下落率トップ

MS&Consulting<6555>は3日ぶりに急反落。7日の取引終了後に発表した22年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算(国際会計基準)で、税引き前損益が5200万円の赤字(前年同期は2億300万円の赤字)となったことが嫌気された。基幹サービスの顧客満足度覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ(MSR)」を中心に売上高は回復をみせたものの、新型コロナウィルス感染症が沈静化せず、外食の顧客を中心にMSRやコンサルの延期または中止が後を絶たなかったことが響いた。

●ストップ高銘柄

BCC <7376>  4,195円  +700 円 (+20.0%) ストップ高   本日終値

太洋物産 <9941>  730円  +100 円 (+15.9%) ストップ高   本日終値

ステムセル研究所 <7096>  5,680円  +700 円 (+14.1%) ストップ高   本日終値

など、5銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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