GPIF、20年度運用実績は収益額、収益率が過去最高を達成、新規に「94銘柄」取得
世界最大の年金基金とされる、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7月2日に2020年度の資産運用状況を発表した。収益額(黒字幅)は37兆7986億円、収益率が+25.15%とともに過去最高を達成した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた主要国の大規模な経済対策を背景とする世界的な株価の大幅な上昇が運用実績に反映された格好だ。GPIFの運用資産は3月末時点で186兆1624億円にのぼり、世界最大規模の機関投資家として運用動向は世界的に注目されている。その資産構成(オルタナティブ資産を含むベース)は国内株式が47兆2273億円、国内債券が49兆8078億円、外国株式が47兆8180億円、外国債券が47兆2943億円となっている。
国内株式では、上場企業の株式を直接保有する運用資産が46兆8551億円(2021年3月末時点)に達し、日本全体の株式時価総額748兆円(同)に対して約6.3%を占める、日本市場における最大の株主でもある。また、保有銘柄も2417社と広範囲に及ぶ。保有時価総額ベースではトップがトヨタ自動車 <7203> 、2位がソニーグループ <6758> 、3位はソフトバンクグループ <9984> と並ぶ一方、持株比率ベースではトップがネットワンシステムズ <7518> 、2位がニフコ <7988> 、3位は東京精密 <7729> となっている。
前年度からの変化を見ると、保有銘柄数は2388から2417と29銘柄増加している。ギフティ <4449> やファーマフーズ <2929> 、GMOペパボ <3633> など94銘柄を新規に取得した半面、65銘柄を売却しポートフォリオから外している。また、持株比率が3%以上増えた銘柄は夢真ビーネックスグループ <2154> 、キュービーネットホールディングス <6571> 、アトラエ <6194> など11銘柄だった一方、3%以上減った銘柄はレオパレス21 <8848> 、ユナイテッドアローズ <7606> など5銘柄となっている。
なお、GPIFは保有株を信託銀行などに信託しているため、有価証券報告書の「大株主の状況」には登場しない。
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