話題株ピックアップ【夕刊】(2):コーナン、大有機、SUMCO

注目
2021年7月13日 15時18分

■コーナン商事 <7516>  3,975円  +190 円 (+5.0%)  本日終値

コーナン商事<7516>が大幅高で年初来高値を更新した。12日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算は、売上高1146億3500万円(前年同期比0.7%増)、営業利益92億2500万円(同14.8%減)、純利益58億1700万円(同17.5%減)と2ケタ営業減益となったものの、従来計画の営業利益85億円を大きく上回って着地したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響により、前年同期にマスク・アルコール消毒液などの感染対策品や新しい生活様式の拡大でのDIY用品などの売り上げが大幅に伸長し、今期はその反動減があったが、ペット用品や園芸用品、木材、工具などの販売が伸長した。なお、22年2月期通期業績予想は、売上高4426億円(前期比0.1%増)、営業利益274億円(同11.4%減)、純利益163億円(同12.6%減)の従来見通しを据え置いている。

■大阪有機化学工業 <4187>  3,915円  +185 円 (+5.0%)  本日終値

大阪有機化学工業<4187>は大幅続伸。水戸証券が12日付で新規に投資判断「A」、目標株価4700円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、21年11月期営業利益予想を58億円(会社予想同じ)、22年11月期は同67億円を予想。2019年、20年に運用を開始した新規・増設設備での半導体用材料の認定作業の進捗により増収増益が見込まれるという。また、半導体用材料は21年増強、23年新設による生産能力増を予定しており、中期的な需要の取り込みが期待できるとしている。

■あすか薬HD <4886>  1,000円  +35 円 (+3.6%)  本日終値

あすか製薬ホールディングス<4886>が続伸。12日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。上限を30万株(発行済み株数の1.05%)、または3億5000万円としており、取得期間は21年8月3日から22年3月31日まで。環境変化に対応した機動的な資本政策の遂行により、株主利益の向上を図るためとしている。

■SUMCO <3436>  2,799円  +86 円 (+3.2%)  本日終値

半導体シリコンウエハー大手のSUMCO<3436>や車載マイコンを手掛けるルネサスエレクトロニクス<6723>など半導体関連株の一角が買い優勢の展開。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株3指数が揃って最高値を更新したが、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続伸した。SOX指数は最高値にはまだ届かないものの3連続陽線で戻り足が鮮明、更新を射程に捉えている。画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>や半導体世界トップメーカーのインテル<INTC>、半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ<AMAT>など主力株が上昇し全体相場を牽引した。これを受けて東京市場でも相対的に出遅れる半導体関連株に買いが向かった。

■三洋化成工業 <4471>  5,520円  +150 円 (+2.8%)  本日終値

三洋化成工業<4471>が続伸。同社はきょう、人工知能(AI)技術を応用した人工嗅覚で匂いを識別する「匂いセンサー」について、長瀬産業<8012>と事業化を検討することで合意したと発表。検討中の「匂いセンサー」は、プローブ(人間の嗅覚細胞に相当する物質)に香り分子が吸着することによる電気抵抗の変化で匂いを検知する方式のもので、機械学習を通じてAIがさまざまな匂いの香り分子の組み合わせパターンを検知する。事業化にあたり、同社は界面活性剤及び機能性高分子に関する技術と知見を生かし、独自の組成設計に基づいた樹脂材料により、多様な匂いの識別を可能にする高精度なプローブの組み合わせの提案を行うという。あわせて、同社は都鶴酒造(京都市伏見区)と「匂いセンサー」を活用した新しい日本酒造りを目指して共同研究を開始したことも明らかにしている。

■ホギメディカル <3593>  3,550円  +95 円 (+2.8%)  本日終値

ホギメディカル<3593>が続伸し、年初来高値を更新した。同社は12日取引終了後に、22年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益が前年同期比30.5%増の14億9200万円となったことが好感されたようだ。売上高は同6.2%増の88億9500万円で着地。手術用キットの売り上げが伸びたことが寄与したほか、利益面では費用の抑制に努めたことが奏功した。なお、通期業績予想は売上高384億円(前期比5.2%増)、営業利益63億5000万円(同12.7%増)とする従来計画を据え置いている。

■日本郵船 <9101>  5,380円  +110 円 (+2.1%)  本日終値

日本郵船<9101>やNSユナイテッド海運<9110>など海運株に買いが集まった。前日の米国株市場では長期金利の低下基調が一服し景気敏感株が買い戻される展開となった。日本国内では新型コロナウイルスの感染拡大を背景に東京都に4度目の緊急事態宣言が適用されるなど、内需産業への影響が懸念されているが、世界的にはワクチン普及を背景とした経済活動の正常化に対する期待感が根強い。ここコンテナ船市況の上昇に続き、ばら積み船市況の運賃動向を表すバルチック海運指数も切り返しに転じ、9日時点で6営業日ぶりに3300台を回復した。東京株式市場ではここ海運株の調整が顕著だったこともあり、値ごろ感からの押し目買いを誘導している。

■第一生命HD <8750>  2,001.5円  +39.5 円 (+2.0%)  本日終値

第一生命ホールディングス<8750>、T&Dホールディングス<8795>など大手生保株が高い。ここ低下基調を強めていた米10年債利回りだが、前日は下落一服となり金融セクターには安心感が広がった。ゴールドマン・サックス・グループ<GS>が2.3%強の上昇をみせたほか、JPモルガン・チェース<JPM>、バンク・オブ・アメリカ<BAC>、シティグループ<C>など大手が軒並み株価水準を切り上げており、東京市場でも米国事業を展開する生保株に買いが波及している。また、超長期債である米30年債利回りも足もと上昇傾向にある。前日は終値ベースで2日以来5営業日ぶりに2%台を回復、これも長期資産運用に注力する生保株にはポジティブ材料となっている。

■MonotaRO <3064>  2,685円  +46 円 (+1.7%)  本日終値

MonotaRO<3064>は続伸。12日の取引終了後に発表した6月度の月次業績で、売上高が前年同月比17.8%増と2ケタ増収基調が続いていることが好感された。新規顧客獲得数が同8.3%増となったことが寄与した。

■ファーストリテイリング <9983>  80,840円  +230 円 (+0.3%)  本日終値

ファーストリテイリング<9983>が続伸。日経平均寄与度の際立って高い銘柄で、7月相場では全体波乱含みの下げに連動する形で株価水準を切り下げたが、今週に入りリバウンドに転じている。日経平均は前日に続き先物主導の上昇で、同社株には足もと裁定買いによる浮揚力が働いている。市場では「今週15日に同社の21年8月期第3四半期の決算が予定されており、この結果次第で株価はぶれる可能性がある。売りか買いのどちらかの仕掛けが入りやすく日経平均株価への影響も考慮される」(国内証券アナリスト)とし、マーケットの注目度が高まっている。

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