来週の株式相場に向けて=「東京五輪」開幕も様子見姿勢は継続か
来週は、週末23日にいよいよ東京オリンピックが開幕する。日程は変則的で22日が海の日、23日がスポーツの日の祝日で、株式市場は休場となるため立会日は3日間のみだ。
きょう関東・甲信地方は梅雨明けが宣言され、東京五輪も始まる。このなか、株式市場も上値を試す展開を期待したいところだが、足もとの市場は目立った買い手が不在の状態だ。とりわけ、東京など首都圏を中心に新型コロナウイルス感染拡大が続くなか、感染者数への関心が高い。市場関係者からは「東京五輪中のコロナ感染者数の推移が気になる」との声も聞かれ、様子見姿勢は継続しそうな気配だ。
更に、8月以降を眺めても米ジャクソンホール会議に加え、10月の衆院議員の任期満了を視野に入れた政局動向が大きな注目点となる。菅政権の支持率への関心は高まりそうだが、この先をみても株式市場には模様眺めを決め込む要因には事欠かない。
そんななか、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」、「環境」といった菅政権の看板政策の関連銘柄は強含み基調を続けている。DX関連のベイカレント・コンサルティング<6532>やきょう上場のラキール<4074>、あるいは環境関連のイーレックス<9517>などを中心とする個別株物色が継続しそうだ。
来週からは、日本企業の決算シーズンが始まる。20日にディスコ<6146>、21日に日本電産<6594>が第1四半期決算を行う。とりわけ日電産の決算内容が好調なら、日本株全体のポジティブ要因に働くことが期待される。20日に東証マザーズにアシロ<7378>、21日にジャスダックにランドネット<2991>が新規上場する。
海外では20日にネットフリックス<NFLX>、21日に半導体製造装置のASMLホールディングADR<ASML>、22日にインテル<INTC>など米国の有力グロース企業や半導体企業の決算発表が予定されている。最高値圏にあるNYダウやナスダック指数の動向が引き続き関心を集めそうだ。来週の日経平均株価の予想レンジは、2万7600~2万8400円。(岡里英幸)