先物主導で振らされる以外は、トレンドを取りに行く市場参加者は限られる/オープニングコメント

市況
2021年7月21日 8時25分

21日の日本株市場は、買い先行で始まった後は、次第にこう着感が強まりそうである。20日の米国市場ではNYダウが549ドル高と大幅に反発。新型コロナ再流行への懸念を受けた売りが行き過ぎとの見方も浮上し、押し目買いが強まり終日堅調に推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比320円高の27730円。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から買い先行で始まることになり、米国同様、前日の下落分を埋めてくる展開が意識されよう。米国ではこれまでの急落後は短期的に戻す動きが見られていたこともあり、押し目狙いの好機ととった格好のようである。また、IBMの決算が予想を上回るなど企業の好決算を材料視する動きも見られていた。

日経平均は昨日の下落で直近安値を割り込み、5月安値水準までの調整を見せている。ダブルボトム形成が意識されることから、リバウンドのタイミングとしても米国市場の大幅反発は追い風であろう。ただし、直近のチャート形状を見ても十字足を形成するなど、ギャップスタート後はこう着感の強い相場展開である。短期的な売買による振れはあるものの、手掛けづらさが意識されているため、先物主導で振らされる以外は、トレンドを取りに行く市場参加者は限られるだろう。

日経平均はトレンドが悪化しており、目先的には5日線が位置する28000円辺りまでのリバウンドを見せたとしても基調は変わらず。自律反発の域は脱せないと考えられ、決算を手掛かりとした個別対応になろう。米国では景気敏感株を中心に買い直された格好であり、ややTOPIX型優位の展開になりそうだが、決算シーズンのなか、連休明け後には決算ピークとなることもあり、業績に安心感のあるハイテクセクターなどへの押し目狙いのスタンスといったところか。

《AK》

提供:フィスコ

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