前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年7月27日 5時30分

■MTI <9438>  715円 (+19円、+2.7%)

エムティーアイ <9438> が反発。26日午前11時ごろ、日本オラクル <4716> が提供するクラウド型ERPである「Oracle Fusion Cloud ERP」と連携した領収書読み取りアプリ「FEEDER+(フィーダープラス)」の販売を開始すると発表。「FEEDER+」は、90%以上の精度の識字率を誇るAI-OCRを用いた高精度な画像認識を活用し、領収書の画像をアップロードすると自動的に経費精算レポートを作成するサービス。作成されたレポートはOracle Fusion Cloud ERPと自動連携されるため、アプリ一つで申請から承認まで一貫した効率的な経費処理を実現し、経費精算における業務効率化をサポートするという。また、電車やバスの乗換案内や交通系ICカードとも連携することで経費精算時の入力の手間を省くとしている。

■チェンジ <3962>  2,697円 (+63円、+2.4%)

チェンジ <3962> が反発。21日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表。上限を62万2800株(発行済み株数の0.85%)、または20億円としており、取得期間は8月16日から9月30日まで。株主還元の拡充並びに今後の自己株式を利用したM&A・アライアンスなど機動的な投資戦略及び資本政策を遂行するためとしている。

■パーク24 <4666>  2,025円 (+47円、+2.4%)

パーク24 <4666> が続伸。開催中の東京オリンピックで、同社所属の選手が相次いでメダルを獲得したことからご祝儀的な買いが入ったようだ。24日に柔道男子60キログラム級の高藤直寿選手、25日に同66キログラム級の阿部一二三選手が金メダルを獲得したほか、24日には柔道女子48キログラム級の渡名喜風南選手が銀メダルを獲得した。また、阿部一二三選手と25日に柔道女子52キログラム級で金メダルを獲得した阿部詩選手の兄妹は味の素 <2802> がサポート契約を結んでいるが、同社株も3日続伸となった。

■野村不HD <3231>  2,748円 (+63円、+2.4%)

野村不動産ホールディングス <3231> が続伸。同社が21日取引終了後に発表した21年4-6月期決算は営業利益が前年同期比70%増の304億9300万円と大幅な伸びを達成、これがポジティブサプライズとなり投資資金を呼び込んだ。都市開発部門で物件の売却が進捗したことが収益を押し上げた。株価指標面ではPER10倍弱、PBR0.8倍前後と割安感が強く、目先調整一巡で値ごろ感からの買いを誘った。

■富士フイルム <4901>  8,059円 (+175円、+2.2%)

富士フイルムホールディングス <4901> が3日続伸。8000円台を回復した後、25日移動平均線近辺で目先筋の売り物を吸収した。写真主体から多角化を推進し、特に再生医療など医薬・医療機器分野での活躍が目立つ。新型コロナウイルスの感染が再拡大していることが懸念されているなか、同社は専用の検査装置が不要なハンディタイプの新型コロナ抗原検査キットを今週27日から発売する予定にあり、株価の刺激材料となった。また、22年3月期は営業利益段階で前期比9%増の1800億円を計画するが、保守的との見方が強く、上振れの公算がマーケットで意識されている。

■INPEX <1605>  766円 (+16円、+2.1%)

INPEX <1605> 、石油資源開発 <1662> などの資源開発関連株やENEOSホールディングス <5020> 、コスモエネルギーホールディングス <5021> など石油関連株が一斉高の様相となった。原油市況はここ再び上げ足を強めている。WTI原油先物価格は前週末まで4日続伸し1バレル72ドル台を回復。今月19日に5ドル39セント安と急落したものの、その後はアフターコロナを見込んだ原油需要回復の思惑を背景に戻り歩調を強めている。これを背景に原油価格と株価連動性の高いセクターに買いを誘導した。

■ソラスト <6197>  1,339円 (+27円、+2.1%)

ソラスト <6197> が反発。21日の取引終了後に発表した6月度の介護サービス利用状況で、訪問介護利用者数が前年同月比88.3%増、デイサービスが同6.5%増と増加基調を維持していることが好感された。また、施設系サービスは入居者数が3862人(同11.4%増)となったほか、入居率も92.9%と引き続き高水準で推移している。

■レノバ <9519>  5,020円 (+100円、+2.0%)

レノバ <9519> が続伸。経済産業省は21日、新しいエネルギー基本計画の原案を発表し、30年度に再生可能エネルギーの比率を36~38%(現行の30年度計画は22~24%)に引き上げ、主力電源化することを明らかにした。再生可能エネの太陽光や風力発電を手掛ける同社には強力な追い風になることが期待されている。また、同社は21日に苅田バイオマスエナジー(福岡県京都郡)の株式の追加取得を行い子会社化することも発表している。

■インフォMT <2492>  928円 (+18円、+2.0%)

インフォマート <2492> が反発。21日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(1-6月)連結業績について、売上高が45億2300万円から46億9300万円(前年同期比11.6%増)へ、営業利益が3億2500万円から7億600万円(同5.7%減)へ、純利益が1億9400万円から4億6100万円(同10.3%減)へ上振れて着地したようだと発表。「BtoBプラットフォーム 請求書」の新規有料契約数の増加や稼働(請求書の電子データ化)が順調に推移したことなどが売上高を押し上げたことに加えて、売上原価や販管費の一部の発生時期が下期にずれ込むことが寄与する。

■ニチレキ <5011>  1,380円 (+24円、+1.8%)

ニチレキ <5011> が続伸。21日の取引終了後、スマートフォンによる道路点検システム「GLOCAL-EYEZ」のサービスを開始すると発表。同システムは、東京大学大学院工学系研究科・長山智則准教授の開発した人工知能(AI)による路面評価の基本ロジックと、スマートシティ技術研究所(東京都足立区)が有する迅速なAI・システム開発技術及びニチレキが長年培ってきた舗装管理、舗装補修技術を融合。点検の専用車や専用のビデオカメラなどを使わずに、スマートフォンで舗装道路を撮影するだけで、舗装路面のひび割れの損傷状態などを安価に点検することができるのが特徴。解析項目はひび割れのほか、安全運転に支障をきたす穴ぼこ、道路利用者や住民からの苦情のもととなる段差、センターラインなどの路面標示のかすれなどとしている。なお、同件がニチレキの業績に与える影響は当面軽微であるという。

■西松屋チェ <7545>  1,389円 (+21円、+1.5%)

西松屋チェーン <7545> が続伸。21日の取引終了後に発表した7月度(6月21日~7月20日)の月次売上高速報で、既存店売上高は前年同月比2.4%減と3ヵ月連続で前年実績を下回ったが織り込み済みとの見方が強い。気温が昨年と比較して高めに推移したことで、夏物衣料の売り上げが伸びたものの、前年7月に2ケタ増となった反動もあり、客数が同0.4%減、客単価が同2.0%減と前年に届かなかった。なお、全店売上高は同0.5%減だった。

■東エレク <8035>  45,370円 (+570円、+1.3%)

東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> 、レーザーテック <6920> など半導体製造装置関連株が軒並み上昇。世界的に半導体需給が逼迫するなか、半導体メーカーの生産設備増強の動きが加速している。特に高集積化を背景にEUV(極端紫外線)関連の投資需要が旺盛で、製造装置メーカーには追い風が強い。そうしたなか、前週末の米国株市場では主要株指数が揃って過去最高値を更新する一方、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も上昇し、最高値にはまだ届かないものの高値圏で強調展開にある。東京市場でもこの流れを受け、関連株に投資資金が誘導される形となった。

※26日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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