注目銘柄ダイジェスト(前場):菊水電子、富士通、Shinwaなど
富士通<6702>:18540円(-1830円)
急落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は337億円で前年同期比51.5%増益となり、コンセンサスを50億円強上回る好決算に。子会社の新光電工<6967>の好業績が上振れの主因となっている。ただ、第1四半期のウェイトは高くなく、インパクトは強まっていない。一方、主力のソリューション・サービスの受注は低水準だった前年同期比と比較して一段と減少しており、ネガティブな反応が強まる格好に。
ルネサス<6723>:1189円(+15円)
大幅続伸。前日に第2四半期決算を発表、4-6月期Non-GAAPベースの営業利益は614億円となり、前年同期の302億円、前四半期の526億円、従来計画479億円をそれぞれ大きく上回っている。7-9月期見通しは、売上収益が2360-2440億円、営業利益率29.0%を予想、粗利益率は前四半期比で一段の上昇を見込んでいる。受注残高も積み上がっていると想定され、当面の業績安心感も強まる形のようだ。
村田製<6981>:9132円(+32円)
続伸。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は1051億円で前年同期比2.0倍、市場予想を200億円強上回っている。通期予想は従来の3200億円から3650億円、前期比16.5%増に上方修正、コンセンサスを150億円程度上振れる水準だが、製品値下げなども織り込んでおり、依然保守的な見通しともみられている。全体地合い悪化の中も、想定以上に底堅い業績推移をポジティブに捉える動きが優勢となっている。
キーエンス<6861>:61270円(+3280円)
大幅続伸。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は934億円で前年同期比80.7%の大幅増益、市場予想も100億円超上回る好決算となっている。引き続き業績予想の開示はされていないが、先行発注も限定的との見方が示されており、コンセンサスの切り上がりにつながる形のようだ。地域・業種とも幅広く需要が回復しているもよう。営業利益率も前四半期並みの高水準を継続している。
ファナック<6954>:24490円(-1505円)
大幅反落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は521億円で前年同期比4.7倍となり、通期計画は従来の1484億円から1944億円にまで上方修正している。第1四半期受注実績は2245億円、前四半期比で一段と拡大しているが、FA受注には先行発注、ロボマシンには一時的な需要も含まれているもようで、今後の反動減リスクが意識されているようだ。通期上方修正値はコンセンサス水準にとどまり、一旦は出尽くし感先行の形に。
Shinwa<2437>:444円(+28円)
大幅に3日続伸。美術品などのオークションを運営するアイアート(東京都港区)を株式交換で完全子会社化すると発表している。アイアート株1株に対し、Shinwa Wise Holdings株2544.5株を割当交付する。同業他社との統合で規模拡大を目指す。アイアート代表の伊勢彦信氏は世界有数の美術品コレクターとして知られ、同社は欧州やアジアでアートビジネスのネットワークを持つとされる。
菊水電子<6912>:1064円(+113円)
一時ストップ高。22年3月期の営業損益を従来予想の5.00億円の黒字から7.40億円の黒字(前期実績4.18億円の黒字)に上方修正している。重点市場である航空宇宙や電池、自動車のコネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化のほか、サーバー・ICT関連市場、半導体関連市場、5G関連市場などで世界的に需要回復が進んでいるため。第1四半期(21年4-6月)の営業損益は2.63億円の黒字(前年同期実績1.01億円の赤字)で着地した。
ロコンド<3558>:1424円(+25円)
大幅に続伸。10万株(1.50億円)を上限とする自社株買いを実施すると発表している。発行済株式総数(自社株を除く)に対する割合は0.87%。取得期間は30日から12月31日まで。資本効率の向上に加え、経営環境の変化に対応した機動的かつ柔軟な資本政策を遂行することが目的。ロコンド株は6月30日に直近高値(1949円)を付けた後は軟調に推移しており、値頃感も買いやすさにつながっているようだ。
《ST》