話題株ピックアップ【夕刊】(1):商船三井、ZOZO、キーエンス

注目
2021年7月30日 15時16分

■TOWA <6315>  2,388円  +346 円 (+16.9%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

TOWA<6315>が急騰。29日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を380億円から460億円(前期比54.9%増)へ、営業利益を50億円から91億円(同2.5倍)へ、純利益を35億円から63億5000万円(同2.4倍)へ上方修正したことが好感された。5Gの普及やコロナ禍における巣ごもり需要、自動車需要の急回復を背景とした半導体需要の増加などで半導体製造装置市場は活況な市場環境が続いており、同社のモールディング装置に関する引き合いも強いことが要因。また、今後も高い受注水準が継続する見通しであることに加えて、売上高の増加により工場稼働率が改善されることも寄与する。

■トーメンデバイス <2737>  5,060円  +700 円 (+16.1%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率3位

トーメンデバイス<2737>は買い人気集中、ストップ高に買われた。半導体商社で韓国サムスン電子の製品に特化している。世界的に旺盛な半導体需要を背景に収益環境に吹く追い風が強まっている。29日取引終了後に発表した21年4~6月期決算は売上高が前年同期比46%増の982億7100万円と大幅な伸びを示し、営業利益は同2.9倍の31億4500万円と急拡大した。営業利益については第1四半期時点での対通期進捗率が73%に達しており、増額修正期待が膨らんでいる。株価指標面もPERが前日終値ベースで10倍を下回るなど割安感が強く、株価の水準訂正必至とみた投資資金の流入を誘った。

■愛知銀行 <8527>  3,210円  +402 円 (+14.3%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

愛知銀行<8527>が出来高を伴い急騰。29日の取引終了後、22年3月期業績予想の上方修正を発表、純利益を43億円から66億円(前期比54.7%増)へ増額した。あわせて、通期の年間配当予想を100円から180円(前期120円)へ引き上げており、これを好感した買いが入ったようだ。銀行単体において貸出金利息や役務収益が当初予想を上回る見込みとなったことに加え、与信費用が想定を下回る見通しとなったことが業績押し上げ要因となる。

■商船三井 <9104>  5,650円  +620 円 (+12.3%)  本日終値  東証1部 上昇率5位

商船三井<9104>が後場一段高。この日正午ごろ、22年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆800億円から1兆1000億円(前期比11.0%増)へ、営業利益を280億円から350億円(同53億300万円の赤字)へ、純利益を2100億円から3350億円(前期比3.7倍)へ上方修正し、あわせて中間70円・期末80円の年150円としていた配当予想を中間300円・期末250円の年550円としたことが好感された。コンテナ船事業を運営している持ち分法適用会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス社において、荷動きとスポット賃率がいずれも想定を上回るレベルで推移していることに加えて、好調に推移しているドライバルク船市況の影響などを織り込んだとしている。なお、第1四半期(4~6月)決算は、売上高2888億7400万円(前年同期比14.9%増)、営業利益80億4200万円(前年同期51億2600万円の赤字)、純利益1041億4700万円(前年同期比19.0倍)だった。

■デクセリアルズ <4980>  2,515円  +196 円 (+8.5%)  本日終値  東証1部 上昇率6位

デクセリアルズ<4980>はカイ気配スタートで4日ぶり急反発、25日移動平均線を足場に大きくリバウンドに転じた。同社はスマートフォンなど精密機器向けに異方性導電膜(ACF)や接着剤、反射防止フィルムなどの電子部材を手掛けており、足もとの業績は絶好調に推移している。29日取引終了後に発表した21年4~6月期決算は売上高が前年同期比47%増の203億4700万円、営業利益が同3.9倍の49億700万円と急変貌した。これを評価材料に投資資金が攻勢をかけた。同社株は今月16日に2438円の上場来高値を形成した後調整を入れていたが、きょうは再び最高値圏突入が意識される状況にある。

■ZOZO <3092>  3,725円  +280 円 (+8.1%)  本日終値  東証1部 上昇率7位

ZOZO<3092>が続急伸。29日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高388億6600万円(前年同期比15.4%増)、営業利益125億9100万円(同20.8%増)、純利益87億3100万円(同19.3%増)と大幅営業増益となったことが好感された。テレビCMなどの集客施策が奏功しPayPayモールが好調に推移したことが牽引役となった。また、商品取扱高の増加や広告事業の成長に伴う粗利の増加や、物流関連費や代金回収手数料などのコスト低減も寄与した。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高1626億円(前期比10.3%増)、営業利益478億円(同8.3%増)、純利益333億円(同7.7%増)の従来見通しを据え置いている。

■日本精化 <4362>  1,763円  +93 円 (+5.6%)  本日終値

日本精化<4362>が新値追い。同社は29日取引終了後に、22年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しは前期比6.6%増の42億円(従来予想は39億円)に引き上げた。売上高の見通しは同3.2%増の315億円(従来予想は310億円)に上方修正。工業用製品事業で、ラノリン・コレステロール及び医薬用リン脂質等の販売が好調に推移していることが主な要因だとしている。また、あわせて中間配当を19円(従来計画は17円50銭)、期末配当を19円(従来計画は17円50銭)とする方針を表明。この結果、年間配当は38円(前期は35円)となる。

■東邦チタニウム <5727>  1,188円  +60 円 (+5.3%)  本日終値

東邦チタニウム<5727>は続伸し年初来高値を更新。29日の取引終了後、22年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績予想について、売上高を252億円から256億円(前年同期比54.3%増)へ、営業利益を14億円から18億円(同67.4%増)へ、純利益を7億円から10億円(前年同期2億9000万円の赤字)へ上方修正しており、これが好感された。化学品事業の主要製品であるニッケル粉の販売が伸長しているほか、為替が円安傾向で推移していることなどが要因としている。なお、第1四半期(4~6月)決算は、売上高118億1000万円(前年同期比48.1%増)、営業利益12億4700万円(同3.7倍)、最終損益7億8400万円の黒字(前年同期4億200万円の赤字)だった。

■キーエンス <6861>  60,740円  +2,750 円 (+4.7%)  本日終値

キーエンス<6861>が大幅高で上場来高値を更新。同社は29日の取引終了後に22年3月期第1四半期(3月21日~6月20日)の決算を発表。売上高は1699億6300万円(前年同期比54.5%増)、純利益は675億6800万円(同85.1%増)と大幅増収増益で着地しており、これが好感され買われた。製造業を中心とした世界的な設備投資の回復基調が追い風となった。今四半期の純利益は四半期ベースで過去最高益を達成しており、直前四半期に続いて好調。通期見通しは引き続き非開示とした。

■山陽特殊製鋼 <5481>  1,826円  +80 円 (+4.6%)  本日終値

山陽特殊製鋼<5481>が後場急上昇。午後1時ごろ、22年3月期の連結業績予想について、売上高を3150億円から3450億円(前期比63.7%増)へ、営業利益を73億円から109億円(前期54億9300万円の赤字)へ、最終利益を35億円から71億円(同68億7000万円の赤字)へ上方修正し、あわせて中間20円・期末16円の年36円を予定していた配当予想を中間45円・期末10円の年55円に引き上げたことが好感された。自動車や産業機械など主要需要業界全体の特殊鋼需要が回復し、売り上げ数量が想定を上回るとみられることが要因という。また、鉄スクラップや合金鉄価格が想定よりも大幅に上昇している影響や、スウェーデン子会社オバコの損益改善なども織り込んだとしている。なお、第1四半期(4~6月)決算は、売上高1106億500万円(前年同期比2.1倍)、営業利益84億7100万円(前年同期11億5600万円の赤字)、最終利益60億8100万円(同14億6500万円の赤字)だった。

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