話題株ピックアップ【夕刊】(2):デンソー、オムロン、大日本住友
■田岡化学工業 <4113> 12,440円 +440 円 (+3.7%) 本日終値
田岡化学工業<4113>が続伸。同社は29日取引終了後に、22年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比6.0%増の8億1900万円となり、上半期計画14億円に対する進捗率が58.5%となったことが買い安心感につながったようだ。売上高は同13.8%増の89億1700万円で着地。樹脂原料や農薬中間体、電子材料の出荷が増加したほか、接着剤、ゴム薬品、ワニスなどの売り上げも伸長した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■デンソー <6902> 7,482円 +215 円 (+3.0%) 本日終値
デンソー<6902>が続伸。午前11時20分ごろ、22年3月期の連結業績予想について、売上高を5兆4600億円から5兆5400億円(前期比12.2%増)へ、営業利益を4130億円から4400億円(同2.8倍)へ、最終利益を3170億円から3360億円(同2.7倍)へ上方修正したことが好感された。第1四半期に車両の生産・販売回復により全ての地域で増収増益となったことに加えて、それに伴う操業度差益や体質変革の効果による固定費の低減などが寄与する。想定為替レートは1ドル=106円、1ユーロ=127円としている。なお、第1四半期(4~6月)決算は、売上高1兆3568億円(前年同期比77.3%増)、営業利益1071億8100万円(前年同期1066億1600万円の赤字)、最終利益1949億7900万円(同113億100万円の赤字)だった。同時に、上限を1200万株(発行済み株数の1.55%)、または1000億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は21年8月2日から22年1月31日までで、資本コストを意識した株主還元及び効率性と安全性のバランスがとれた資本構成の実現を図るためとしている。
■オムロン <6645> 9,320円 +210 円 (+2.3%) 本日終値
オムロン<6645>が続伸。29日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高1881億9300万円(前年同期比28.5%増)、営業利益258億3700万円(同2.1倍)、純利益201億7800万円(同2.1倍)と大幅増益となったことが好感された。半導体や二次電池業界などの設備投資需要拡大を背景に、制御機器事業が中国・アジアで伸長した。また、グローバルで血圧計の需要拡大が継続しヘルスケア事業も好調に推移した。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高7000億円(前期比6.8%増)、営業利益700億円(同12.0%増)、純利益480億円(同10.8%増)の従来見通しを据え置いている。
■不二家 <2211> 2,261円 +32 円 (+1.4%) 本日終値
不二家<2211>が続伸。29日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を1010億円から1035億円(前期比4.5%増)へ、営業利益を28億円から42億円(同68.2%増)へ、純利益を13億円から24億円(同2.3倍)へ上方修正したことが好感された。上期において洋菓子、製菓両事業の売り上げが好調に推移したほか、中国子会社で人気のポップキャンディの販売が好調に推移したことが要因。また、売り上げ好調で生産性が向上したことや、販売管理費の抑制を図ったことも寄与する。また、業績予想の修正に伴い、15円を予定していた期末一括配当を30円に引き上げるとあわせて発表した。普通配当を25円に引き上げるとともに、創立111周年記念の記念配当5円を実施するとしている。
■メルコホールディングス <6676> 5,870円 +30 円 (+0.5%) 本日終値
メルコホールディングス<6676>が反発。岩井コスモ証券は29日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を5800円から6900円に引き上げた。同社の第1四半期(4~6月)の連結営業利益は前年同期比3.2倍の33億1600万円と好調。空気清浄機「Airdog(エアドッグ)」や米アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>のCPU(中央演算処理装置)である「RYZEN」やグラフィックボードなど販売代理店ビジネスなどが伸びている。同証券では22年3月通期の連結営業利益は会社予想97億円に対して110億円への増額修正を見込んでいる。
■日本ゼオン <4205> 1,489円 +1 円 (+0.1%) 本日終値
日本ゼオン<4205>が後場プラス圏に転換。午後0時30分ごろ、22年3月期の連結業績予想について、売上高を3100億円から3330億円(前期比10.3%増)へ、営業利益を330億円から420億円(同25.7%増)へ、純利益を250億円から315億円(同13.7%増)へ上方修正したことが好材料視された。エラストマー素材事業が全体として堅調であることや、高機能材料事業で電池材料、光学フィルムなどが堅調に推移していることが要因という。第1四半期(4~6月)決算は、売上高871億7100万円(前年同期比25.4%増)、営業利益138億6500万円(同3.2倍)、純利益100億5100万円(同2.8倍)だった。
■セプテニHD <4293> 413円 -74 円 (-15.2%) 一時ストップ安 本日終値
セプテーニ・ホールディングス<4293>が急落し一時、ストップ安の407円に売られた。29日の取引終了後に発表した第3四半期累計(20年10月~21年6月)連結決算は、売上高159億1100万円(前年同期比23.1%増)、営業利益32億500万円(同2.5倍)、純利益22億5400万円(同2.9倍)と大幅増益となったが、期待されていた通期予想の上方修正がなかったことが嫌気されたようだ。デジタルマーケティング需要の高まりを背景に、主力のデジタルマーケティング事業で既存案件の拡大や新規顧客の獲得、電通グループ<4324>との協業が進捗した。また、海外デジタルマーケティング事業の損益が改善したことも寄与した。なお、21年9月期通期業績予想は、売上高215億円(前期比19.9%増)、純利益28億5000万円(同94.6%増)の従来見通しを据え置いている。
■千代田化工建設 <6366> 389円 -62 円 (-13.8%) 本日終値
千代田化工建設<6366>が急落。株価は一時、前日に比べ14%超安に売られた。同社は、きょうの寄り付き前に、22年3月期連結最終損益は140億円の赤字(前期は79億9300万円の黒字)になる見通しを発表した。従来予想は60億円の黒字だった。オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトに関わる協議・仲裁に関連して特別損失を計上することになったという。この最終赤字転落の発表を受け、嫌気売りが膨らみ株価はザラ場ベースでは6月中旬以来となる400円割れに売り込まれている。
■大日本住友製薬 <4506> 1,889円 -228 円 (-10.8%) 本日終値 東証1部 下落率4位
29日に決算を発表。「4-6月期(1Q)税引き前は64%減益で着地」が嫌気された。
大日本住友製薬 <4506> が7月29日大引け後(15:30)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。22年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益は前年同期比63.8%減の79.5億円に大きく落ち込んだ。
■アンリツ <6754> 1,910円 -186 円 (-8.9%) 本日終値 東証1部 下落率8位
アンリツ<6754>が急落。同社は29日取引終了後に、22年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比39.8%減の30億8300万円となり、通期計画205億円に対する進捗率は15.0%にとどまった。売上収益は同7.4%減の237億8800万円で着地。世界的な半導体不足が影響し、主力の通信計測事業が減収減益となったことが響いた。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
株探ニュース