注目銘柄ダイジェスト(前場):大紀アルミ、高度紙、カドカワなど
大紀アルミ<5702>:1454円(+247円)
急騰。先週末に第1四半期決算を発表、営業利益は55.2億円で前年同期比4.3倍と急拡大、上半期予想は従来の62.3億円から96.4億円、同3.8倍に、通期では111.5億円から146.6億円、前期比58.6%増に上方修正。市況上昇によるスプレッドの拡大で利益率が上昇しているもよう。上振れ期待はあったとみられるが、修正幅は想定以上との評価が優勢になっている。
カドカワ<9468>:4910円(+645円)
急騰。先週末に第1四半期決算を発表、営業利益は58.7億円で前年同期比63.9%増益となっている。据え置きの通期計画は100-140億円のレンジ予想となっており、想定以上の好進捗と受けとめられている。ゲーム事業は不振であったものの、電子書籍・電子雑誌の伸長などで主力の出版事業が大幅増益となっているほか、映像事業も低水準だった前年同期から大きく回復している。
コーセー<4922>:15450円(-1800円)
大幅続落。先週末に第1四半期決算を発表、営業利益は35億円で前年同期比3.1倍となったが、50億円程度の市場予想を下回っている。国内回復の遅延や中国EC競争激化などで、会社想定も下回ったもよう。決算期変更となる21年12月期計画の200億円は据え置いているものの、進捗率は低く、未達懸念が強まる格好になっている。株価は昨年来の高値圏にあったため、失望売りが先行する形のようだ。
JR東<9020>:7190円(-90円)
続落。先週末に第1四半期決算を発表、営業損益は552億円の赤字で前年同期比では1230億円の改善となったが、市場想定は下回ったとみられる。定期外収入が急回復しているものの、一昨年比では依然として水準の低い状態となっている。4度目の緊急事態宣言もあって、通期の会社側営業利益計画740億円の達成は厳しいとの見方が優勢に。なお、JR西日本<9021>やJR東海<9022>は業績予想を下方修正している。
商船三井<9104>:6230円(+580円)
大幅続伸。場中に発表した業績・配当予想の上方修正を受けて先週末に急伸、本日も上値追いの動きが続いている。通期営業利益は従来予想の280億円から350億円に上方修正、年間配当金は150円から550円に引き上げている。とりわけ、大幅な増配によって利回り妙味が強まっている。前週末終値をベースにすると配当利回りは9.7%の水準に達しており、極めてインパクトが強まる状況のようだ。
IXナレッジ<9753>:825円(+78円)
大幅に続伸。15万株(1.00億円)を上限として自社株買いを実施すると発表している。発行済株式総数(自社株を除く)に対する割合は1.51%。取得期間は2日から12月22日まで。機動的な資本政策の実施を可能とするとともに資本効率の向上を図る。22年3月期第1四半期(21年4-6月)の営業利益はシステム開発案件などの受注が拡大し、前年同期比121.4%増の3.63億円で着地した。通期予想は前期比3.6%増の9.00億円で維持した。
ホロン<7748>:3070円(+195円)
大幅に反発。一部メディアが実施した売上高100億円以下の上場企業を対象にした調査で、3年前と比べて配当総額の伸び率が大きかった企業のランキングでトップとなった。集計企業の配当総額合計が3年前に比べて44%増となる中、ホロンは4.75倍に膨らんでいる。調査では「半導体市場の好況も支えに利益を稼ぎ、これに連動して株主への利益還元も増やした」と分析している。
高度紙<3891>:3975円(+550円)
大幅に反発。22年3月期の営業利益を従来予想の30.00億円から37.00億円(前期実績27.61億円)に上方修正している。主力製品のアルミ電解コンデンサ用セパレータで車載向けや産業機器向けを中心に需要が増加したため。稼働率向上による原価率低減も利益を押し上げる見込み。第1四半期(21年4-6月)の営業利益は前年同期比108.1%増の13.15億円で着地した。
《ST》