伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 8月15日版
日経平均は現在、強弱を判定する最終段階へ入っている
1.上げ難い、下げ難い値動きの後の展開
図1は、上昇局面でよく見られる動きです。短期的な上昇が一服する場面、長期の上昇局面の途中のどちらにも見られる動きです。
多くの市場参加者の想定している目標値へ到達した後、上げ難い、下げ難い動きを繰り返し、その後の強弱の判定を待っているパターンになります。
図1 上昇後の下難い下げ難い動き
短期的な値動きで表れる場合、数日間の急騰を経過し、一気にその時点で行けるところまで上昇した後に表れます。急騰後、買い人気が残っているので、反転下降しても価格が積極的な下げの流れにならずに下値を支えられて、上値を試すという動きを繰り返します。
急騰後の反転が上昇途中の中段保ち合いなら、3つ、5つの山谷を経過してすぐに上昇を開始します。
3つ、5つのジグザグを経過し、一段高を目指す場面で、上げ切れずに上値を抑えられると、価格はいったん大きく下げることになります。
この下げ場面での下値の目安は、ジグザグを形成する最初の押し目(図1のAの地点)になります。上値を抑えられた後、価格が一気に下降して、ジグザグを形成する最初の押し目前後まで下げた後、いったん下値を支えられる動きを経過します。
その後の価格が下値を掘り下げると、上昇が終了し、急騰分のすべてを押し戻される展開へ入ります。
価格が最初の押し目付近で下値堅く推移すると、次の上昇は長く上げ幅の大きな動き(急騰分と同程度の上げ幅)になる可能性が出てきます。
短期的な急騰後に上値を抑えられるのに下げない展開は、一気に上値の目安へ到達し、買い人気を残している状態が続くことで表れます。
長期の上昇局面が上値を抑えられるのに下げないという動きは、上げやすい時期に価格が積極的に上昇できないという動きとして表れます。