前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
■ケイブ <3760> 1,064円 (+150円、+16.4%) ストップ高
ケイブ <3760> [JQ]がストップ高。同社はオンラインゲーム運営やライブ配信事業などを手掛けるが、24日取引終了後、同社の台湾子会社がデジタルコンテンツビジネスにおける海外企業などとの業務提携を支援する新規事業を開始することを発表した。また、同子会社が開発しているライブ配信アプリのリリース時期が22年1月に決定したことも併せて発表しており、これが投資資金の食指を動かした。同社株は7月中旬以降大幅な調整を強いられ、今月20日に872円で年初来安値をつけて間もない状況にあったが、目先底入れ反転の動きを鮮明としている。
■クロスキャト <2307> 1,129円 (+129円、+12.9%)
東証1部の上昇率トップ。クロスキャット <2307> が大幅高で3日続伸。1000円近辺のもみ合いを一気に上放れ、約4ヵ月ぶりの高値水準に大陽線で浮上してきた。銀行・保険など金融機関やクレジット会社向け受託開発案件で強みを持つシステムインテグレーターで、電子政府に絡む案件でも積極的に受注獲得に動いている。デジタル庁発足を前に人気化するデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の一角として物色人気化した。政府が普及に力を入れるマイナンバーシステムでも同社は活躍が期待されている。信用買い残も枯れた状態で株式需給面でも上値が軽い。
■HENNGE <4475> 3,750円 (+330円、+9.7%)
HENNGE <4475> [東証M]が急反発。25日の寄り前、サーバー管理不要のクラウド型メール配信サービス「Customers Mail Cloud」が、アドビ(東京都品川区)のエンゲージメント・マーケテイング・アプリケーション「Adobe Marketo Engage」と連携したと発表。「Adobe Marketo Engage」は全世界で5000社以上の企業に導入されているエンゲージメント・マーケテイング・アプリケーションで、相手に応じた適切な対話を通じて顧客との関係を構築するマーケティングオートメーション機能を提供。一方、「Customers Mail Cloud」は、顧客ごとに専用のメール配信基盤を構築・提供しており、今回の連携により、利便性向上による利用者層の拡大が期待されている。
■大真空 <6962> 3,440円 (+285円、+9.0%)
東証1部の上昇率3位。大真空 <6962> が3連騰。水晶デバイス専業大手でその商品競争力は世界屈指。国内でも5G基地局整備が進むなか、同社が開発したOCXO(恒温槽付水晶発振器)の受注獲得が期待される状況にある。これはこれまでのTCXO(温度補償水晶発振器)よりも小型で低消費電力を売り物としており、会社側では「出荷はまだ先になるが、5G基地局向けの需要開拓に期待している」状況にある。22年3月期は営業利益段階で前期比44%増の30億円を見込んでいるが、市場では一段の上方修正の可能性が高いとみられている。
■ユビAI <3858> 603円 (+45円、+8.1%) 一時ストップ高
ユビキタス AIコーポレーション <3858> [JQ]が大幅高で3日続伸。同社は25日、IoT向けソリューション「Edge Trust(エッジトラスト)」のセキュリティコンポーネントであるミドルウェアが、英アームなどが関わる認証制度「PSA Certified」を取得したと発表。この認証取得について会社側では、エッジトラストの導入を加速すると期待している。
■リミックス <3825> 201円 (+12円、+6.4%)
リミックスポイント <3825> [東証2]が3連騰。25日午前11時30分ごろ、子会社ビットポイントジャパン(BPJ)が、新たに暗号資産「ADA(エイダコイン)」の取り扱いを開始したと発表。ADAは現物取引のみの提供で、BPJが運営する暗号資産交換所「BITPOINT」で取り扱う。なお、BPJは現時点でADAの取引が可能な国内唯一の交換所となる。
■ニーズウェル <3992> 710円 (+42円、+6.3%)
東証1部の上昇率6位。ニーズウェル <3992> が続伸。25日午前11時ごろ、コネクシオ <9422> が同社の「Invoice PAサービス」を導入したことを発表。コネクシオでは中期経営計画の経営基盤強化取り組みの一つとして「業務改革と電子化による生産性向上」を掲げており、「Invoice PAサービス」の導入はその一環。同時に、インフォマート <2492> の請求書クラウドサービス「BtoBプラットフォーム 請求書」、コンカー(東京都中央区)の「SAP Concurソリューション」を導入し、経費精算と請求書管理の電子化を実現したという。
■山田コンサル <4792> 1,123円 (+62円、+5.8%)
東証1部の上昇率8位。山田コンサルティンググループ <4792> が3日続伸。光通信 <9435> が24日の取引終了後、財務省に大量保有報告書を提出し、光通信の山田コンサル株式保有比率が5.02%と新たに5%を超えたことが判明。これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。なお、保有目的は純投資で、報告義務発生日は8月17日となっている。
■フロンテオ <2158> 1,490円 (+77円、+5.5%)
FRONTEO <2158> [東証M]が大幅高で7日続伸し、連日の年初来高値更新となった。24日の取引終了後、戦略アドバイザーである慶応義塾大学環境情報学部・手塚悟教授と共同で、機密情報の取り扱い/共有に関するセキュリティーガイドライン策定に向けた研究を開始したと発表。同研究では、データ分類学や米国におけるデータ区分の状況を踏まえて、日本におけるデータ区分のガイドライン策定の足掛かりを得ることが目的。また、それによってデジタル安全保障の推進に寄与することを目指すとしている。
■ミナトHD <6862> 451円 (+22円、+5.1%)
ミナトホールディングス <6862> [JQ]が大幅高で3日続伸。24日の取引終了後、自社株買いの実施を発表。上限を15万株(発行済み株数の1.93%)、または1億円としており、取得期間は8月24日から12月30日まで。株主への利益還元や、M&Aにおける活用、取締役に対して交付する譲渡制限付株式への充当、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることなどを目的としている。
■GMO-GS <3788> 4,305円 (+200円、+4.9%)
GMOグローバルサイン・ホールディングス <3788> が大幅続伸。25日、大和証券グループ本社 <8601> と共同で、電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」を活用して、大和証券の顧客向けにデジタルトランスフォーメーション(DX)推進のサポートを開始したと発表。大和証券とパートナーシップ契約を締結し、同証券の顧客に「電子印鑑GMOサイン」を紹介するという。今後、両社は「電子印鑑GMOサイン」の提供を通じて、日本社会全体のDXを推進するとしている。
■塩野義 <4507> 7,106円 (+316円、+4.7%)
塩野義製薬 <4507> が大幅反発。24日の取引終了後、開発中の新型コロナウイルス感染症予防ワクチン「S-268019」の新製剤を用いた国内第1/2相臨床試験の進捗状況を発表。全被験者60例への初回投与が完了し、初回投与3日後までに生じた副反応がいずれも軽度または中等度で、安全性上の懸念は確認されなかったとしていることが好感された。
■フォーカスシステムズ <4662> 1,008円 (+42円、+4.4%)
フォーカスシステムズ <4662> が急動意、今月3日以来となる4ケタ大台に復帰した。9月1日からデジタル庁が発足するが、デジタル行政の推進と官主導でのデジタル社会インフラ構築に向けた動きが加速することになる。そのなか、官公庁の受託開発案件で強みを発揮するシステム開発会社である同社株への注目度が高まっている。また、“IoT機器無充電”の実現を目指す「三次電池」の研究開発に注力していることで、次世代電池関連株としての人気素地も持っている。
■リファバスG <7375> 1,289円 (+53円、+4.3%)
リファインバースグループ <7375> [東証M]が3日続伸。25日、三菱ケミカルホールディングス <4188> 傘下の三菱ケミカル及び大日本印刷 <7912> と連携し、ブロックチェーンでトレーサビリティーの信頼性を高めたサプライチェーン構築に向けた実証試験を実施することになったと発表。同実証試験は、オランダのサーキュライズ社の情報管理システムを活用し、バイオマスやリサイクル原料の管理・追跡(トレーサビリティー)、ライフサイクルアセスメント(LCA)などの環境負荷の評価指標への対応を含めた、透明性・信頼性の高いサプライチェーン構築を目指し、9月末までにかけて行われるもの。3社は同実証試験を通じ、バイオマスやリサイクル原料を使用した製品の更なる高付加価値化やマスバランス方式による原料管理の高度化に寄与することを目指すとしている。
■ライトアップ <6580> 2,917円 (+98円、+3.5%)
ライトアップ <6580> [東証M]が4日続伸。同社は25日、Chatwork <4448> [東証M]と助成金の申請支援で業務提携したと発表。これに伴い、ライトアップは「Chatwork 助成金診断 powered by Writeup」の提供を開始する。このサービスは、企業の課題やニーズにマッチした助成金の診断や書類作成、役所訪問などの手続きを、弁護士や社労士と連携して完全サポートするもの。
■日本製鉄 <5401> 2,027.5円 (+55円、+2.8%)
日本製鉄 <5401> が3日続伸で2000円台を回復したほか、ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> 、神戸製鋼所 <5406> なども上値指向で鉄鋼株への物色人気が目立つ状況。前日24日に続き景気敏感株物色の流れに乗り、鉄鋼セクターは業種別騰落率でも値上がり上位3傑に食い込んでいる。トヨタ自動車 <7203> が自動車部品会社に卸す鋼材の値上げに動くことが報じられるなか、鉄鋼各社の収益メリットが意識されているもようだ。PER、PBRともに割安圏にある銘柄が多いことも買い安心感につながった。
■TDCソフト <4687> 1,385円 (+37円、+2.7%)
TDCソフト <4687> が3日続伸。DX関連株人気に乗り一時62円高の1410円まで買われ、今月11日につけた1370円を払拭し2週間ぶりに上場来高値を更新。同社は金融系ソフトに強みを持つ独立系システムインテグレーターだが、クラウド対応で強みを持ち、次世代のアジャイル系案件の獲得が急増するなか収益成長トレンドに乗っ今年6月には最先端ビジネスアプリケーションを提供するリックソフト(東京都千代田区)とエンタープライズアジャイル分野で業務提携し、同分野での展開力を強めている。
■大紀ア <5702> 1,388円 (+31円、+2.3%)
大紀アルミニウム工業所 <5702> や日本軽金属ホールディングス <5703> 、UACJ <5741> などアルミ関連が高い。25日付の日本経済新聞朝刊で「ダイキン工業は2024年度までに、主力のエアコンに使う銅を世界で現在の年9万トンから半減させる」と報じられており、なかで「アルミニウムで代替しコスト増を抑える」とあることから、アルミ需要増加の思惑が働いたようだ。記事によると、銅の国際価格が上昇していることを受けて、他社に先行してアルミニウムで代替しコスト増を抑えるという。23年度までに国内で使用量を半減させることを目指し、熱交換器には価格が3分の1~5分の1のアルミの採用を増やすとしている。
■アセチレン <4093> 1,972円 (+40円、+2.1%)
東邦アセチレン <4093> の上げ足鮮烈、前日24日まで2日連続のストップ高となっていたが、25日もその余勢を駆って大幅高で新値街道を走った。一時400円近い上昇で2300円台まで上値を伸ばす人気となった。同社株の2000円台乗せは株式分割考慮で1996年11月以来、約25年ぶりとなる。国内で新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大に対する懸念が一段と高まるなか、医療用酸素需要が急増するとの思惑が同社株を含む酸素関連銘柄の株価を刺激している。同社株は時価総額が200億円未満と小型なうえ、信用買い残も枯れ切った状態にあることで上値が軽く、投資資金攻勢のターゲットとなった。
■勤次郎 <4013> 1,955円 (+39円、+2.0%)
勤次郎 <4013> [東証M]が6日続伸。24日の取引終了後、「HRM&ヘルス×ライフプラットフォーム」の活用により、スマートフォンでの「ワクチン接種証明書の30ヵ国語対応」「ワクチン接種WEB予診票」及び「オンライン診療」などのサービスを提供すると発表。新型コロナウイルスワクチンの接種が普及し、海外に続き国内でも「ワクチンパスポート」の活用が検討されていることを受けて提供するもので、「ヘルス×ライフプラットフォーム」上でのPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)データの活用により、接種記録や証明書をアプリ保存し、国内外の店舗やイベント会場で提示することが可能になるという。また、9月下旬には厚生労働省の接種証明書を30ヵ国語に自動変換するとしている。
■京三 <6742> 468円 (+9円、+2.0%)
京三製作所 <6742> が3日続伸。25日午前10時ごろ、第2四半期の累計(4-9月)連結業績に特別利益を計上すると発表しており、業績への寄与を期待した買いが入った。1月14日に本社工場で発生した火災にかかわる保険金のうち一部が確定し、運送保険42億7300万円、火災保険1億2200万円の支払いを受けたことが要因としている。なお、通期業績予想への影響は、保険金の受取総額状況に応じて開示するとしている。
■京葉銀 <8544> 443円 (+8円、+1.8%)
京葉銀行 <8544> が4日続伸。24日の取引終了後、りそなホールディングス <8308> と戦略的業務提携を結んだと発表。バンキングアプリを活用した非対面ビジネスの強化やデータビジネスといったデジタル分野をはじめ、相続・事業承継やM&A、各種セミナー開催などで提携していく。
■INPEX <1605> 746円 (+10円、+1.4%)
INPEX <1605> 、石油資源開発 <1662> など資源開発関連株が買い優勢の展開。8月に入ってから急速に水準を切り下げていた原油価格が目先上昇に転じてきた。24日のWTI原油先物価格は連日の急伸となり、終値ベースでは1ドル90セント高の1バレル=67ドル54セントと大幅高。直近2営業日合計で5ドル40セントも上昇しており、これを背景に米国株市場ではシェブロン <CVX> やエクソンモービル <XOM> などのエネルギーセクターに買いが集まった。東京市場でもこの流れに乗って関連株は上値指向となった。
■サイボウズ <4776> 2,380円 (+25円、+1.1%)
サイボウズ <4776> が4日続伸。24日の取引終了後に発表した7月度の月次連結業績で、営業利益が前年同月比19.0%増と4ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。なお、1月からの累計では17億3900万円(前年同期比8.5%減)だった。
※25日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース