前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年9月3日 5時30分

■レカム <3323>  104円 (+17円、+19.5%)

レカム <3323> [JQ]が大幅高で3日続伸。同社は中小企業を主要顧客に複合機や情報機器などの販売を行っている。1日取引終了後、ウイルス除菌装置「ReSPR」の中国における販売でサンワサプライ上海と業務提携したことを発表、これを材料視する買いを呼び込んだ。同社株が100円台に乗せたのはザラ場ベースで8月10日以来となる。

■フィーチャ <4052>  1,205円 (+125円、+11.6%) 一時ストップ高

フィーチャ <4052> [東証M]が4連騰。一時300円高はストップ高の1380円に買われる人気となった。2日は目先利益確定売りに押されたものの、マザーズ市場の人工知能(AI)関連株の代表格であるFRONTEO <2158> [東証M]が8月後半相場で約80%高と気を吐いており、デジタル庁発足に絡み他のAI関連株にも物色の矛先が向いた。フィーチャは先進運転支援分野で最先端の画像認識ソフトを提供している。

■コメ兵HD <2780>  1,742円 (+178円、+11.4%)

コメ兵ホールディングス <2780> [東証2]が急反騰。時価は2018年10月以来約3年ぶりの高値圏に突入。名古屋を本拠に宝石、貴金属、ブランド品などのリユースを手掛けており、業界トップの実力を誇る。ここ中古車ブームと同様に、ロレックスなど中古の高級時計に対するニーズが高まり価格が高騰している。同社の収益環境に追い風材料となっている。業績は22年3月期は増収効果を映し、営業利益が前期比3.7倍の21億9000万円と高変化を見込む。

■日金銭 <6418>  614円 (+54円、+9.6%)

東証1部の上昇率4位。日本金銭機械 <6418> が急反発。2024年度上期から流通する新1万円札の印刷が1日から始まったと複数メディアで報じており、これを受けて貨幣処理機メーカー大手の同社に入れ替え需要などを期待する買いが向かったようだ。新1万円札は渋沢栄一の肖像画が印刷され、偽造防止のために最先端の技術を用いたホログラムなどが使われているという。

■データセク <3905>  416円 (+33円、+8.6%)

データセクション <3905> [東証M]が6連騰。ここ、人工知能(AI)関連に位置づけられる銘柄に動意含みのものが増えているが、AI分野を深耕する同社は同関連株のなかでも400円近辺の値ごろ感が魅力で投資資金を誘導している。ビッグデータ分析に強みを持ち、法人向けマーケティング支援ツールを手掛けるほかシステム開発やコンサルティング事業でも実績が高い。デジタル庁発足に伴う行政のデジタルシフトに加え、海外でもデジタルトランスフォーメーション(DX)の担い手として活躍し中期成長期待が強い。人材コストやのれん償却負担などで22年3月期営業損益は5000万円の赤字~1億円の黒字予想と低調ながら、トップラインは着実に伸びており、損益面でも海外での大型案件獲得が下期に寄与する可能性がある。

■TDSE <7046>  1,780円 (+130円、+7.9%)

テクノスデータサイエンス・エンジニアリング <7046> [東証M]が大幅高で9日続伸。1日の取引終了後、コロナワクチン接種予約ボットを山﨑内科医院(東京都小金井市)へ提供開始したと発表。コロナワクチン接種予約ボットは、短期間で拡張性の高い対話型AIを設計・開発可能とするプラットフォーム「Cognigy」を活用して開発された。コロナワクチン接種時に必要な事前問診や複雑な接種条件をAIチャットボットと会話しながら、効率的に案内及び予約を行うことができるという。

■メディシノバ <4875>  475円 (+28円、+6.3%)

メディシノバ・インク <4875> [JQ]が4連騰。1日の取引終了後、米国肝臓学会議主催の「The Liver Meeting 2021」において、主要な開発品である化合物「MN-001(タイペルカスト)」のNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)とNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)における脂質代謝の研究結果に関する要約がポスタープレゼンテーションに採択されたと発表。これが手がかり材料となったようだ。

■ユニバンス <7254>  592円 (+33円、+5.9%)

ユニバンス <7254> [東証2]が続急伸、5日移動平均線をサポートラインとして強力な上昇波動を形成している。日産自動車 <7201> 向けを主力とする自動車部品会社で、世界的な自動車販売の好調を背景に業績面で追い風が強い。生産ライン集約や内製化の推進といった合理化効果も寄与し、22年3月期業績は営業損益が30億円の黒字(前期実績は6億6100万円の赤字)を予想するなど急回復を見込んでいる。世界的な電気自動車(EV)シフトの動きを背景にEVなど電動車向け軽量・小型ギヤボックスの製造も進めている。PER5倍台でPBR0.7倍台と指標面からは依然として評価不足が歴然で、上値余地に期待した買いが勢いを増している。

■フジ <8278>  2,133円 (+113円、+5.6%)

東証1部の上昇率9位。フジ <8278> が3日続伸。1日の取引終了後、マックスバリュ西日本 <8287> [東証2]と経営統合すると発表。2024年3月までに合併し、統合新会社を設立する見通し。これに先駆け22年3月1日を効力発生日として、両社は共同持株会社を設立する。この持ち株会社はイオン <8267> の連結子会社となる。

■菱ガス化 <4182>  2,221円 (+115円、+5.5%)

東証1部の上昇率10位。三菱ガス化学 <4182> が大幅に4日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は1日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエイト」へ引き上げた。目標株価は2400円から2900円に見直した。スマートフォンのカメラレンズ材料「Iupizeta」は第1四半期(4-6月)で在庫調整が完了したことを評価。月次ベースのボトムは5月と推定し、すでに回復トレンドに入ったとみている。第1四半期決算発表後の株価下落で割安感が生じたと判断し、レーティングを見直している。

■KeePer <6036>  3,810円 (+170円、+4.7%)

KeePer技研 <6036> が5日続伸。1日の取引終了後、キーパーラボ運営事業の月次動向を発表。8月の既存店売上高は前年同月比1.8%増だった。2ケタ増収を続けていた前月から伸び率は鈍化したものの、今年の8月は全く雨が降らなかった昨年の8月とは正反対に、西日本を中心に記録的な大雨が続いており、このなかで前年同月比プラスを確保したことが好感されたようだ。

■グラファイト <7847>  653円 (+26円、+4.2%)

グラファイトデザイン <7847> [JQ]が大幅反発。1日の取引終了後、22年2月期の単独業績予想について、売上高を25億5300万円から28億円(前期比7.5%増)へ、営業利益を1億5700万円から3億8000万円(同91.9%増)へ、純利益を1億500万円から2億5100万円(同99.2%増)へ上方修正し、営業減益予想から一転して営業増益予想としたことが好感された。ゴルフはコロナ禍で3密を避けるスポーツとして事業環境が改善。これを受けて、自社ブランドシャフト「TourAD」に対する直販受注や、カスタム受注が想定を上回って推移していることが要因。また、米国市場においても「DIシリーズ」を中心とした自社ブランドシャフトの販売が計画を上回ったことが寄与する。

■シノケンG <8909>  1,162円 (+46円、+4.1%)

シノケングループ <8909> [JQ]が大幅続伸。1日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表。上限を50万株(発行済み株数の1.44%)、または5億円としており、取得期間は9月2日から10月15日まで。資本効率の向上及び経営環境に応じた機動的な資本政策を可能とすることが目的という。

■泉州電 <9824>  4,430円 (+170円、+4.0%)

電線専門商社の泉州電業 <9824> が大幅反発し、年初来高値を更新した。同社は2日午後2時頃に、21年10月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しは前期比34.4%増の42億円(従来予想は38億5000万円)に引き上げた。売上高の見通しも同19.8%増の890億円(従来予想は869億円)に上方修正。半導体製造装置向け需要の増大や自動車・工作機械向け需要の回復、銅価格の上昇に伴う建設・電販向け需要の売り上げ増加などを主な要因として挙げている。

■ルネサス <6723>  1,272円 (+47円、+3.8%)

ルネサスエレクトロニクス <6723> が5連騰。2日付の日本経済新聞朝刊で、「ルネサスエレクトロニクスの柴田英利社長は1日、日本経済新聞の取材に応じ、半導体の安定供給へ向けて積極投資する方針を明らかにした」と報じられており、これが材料視された。記事によると、短期では災害時などに備えた設備強化に100億円超を、今後3年間では生産能力の増強に大規模な資金を投じるという。また、8月の英企業買収では工場の自動化などIoTを強化し、相乗効果は製品群の組み合わせなどで約360億円の利益貢献を見込むとしている。

■ポート <7047>  868円 (+26円、+3.1%)

ポート <7047> [東証M]が大幅続伸。1日の取引終了後、コロナ禍で市場が急拡大しているフードデリバリー業界の自転車配達員向け労災保険サービスを開始したと発表。業務提携先の一人親方労災保険組合と連携して、フードデリバリーの自転車・原付配達員が労災保険に特別加入できる「自転車・原付配達員特別加入部会」を設立し、受付を開始した。既に100人以上の申し込みがあり、今後の認知拡大に応じて組合員数も伸びる見込みとしている。

■リンナイ <5947>  12,300円 (+360円、+3.0%)

リンナイ <5947> が大幅高で5日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が1日付で同社の投資判断「オーバーウエイト(強気)」を据え置き、目標株価を前回の1万3000円から1万4000円へ増額しており、これが好材料視された。レポートでは「中国、米国でのタンクレス給湯器の需要拡大、国内での製品モジュール化による収益性改善等での利益成長」の見方に変更ないと報告。株価は中長期の利益成長を十分織り込んでいないとみている。また、原価低減効果や販売好調を踏まえ、22年3月期の営業利益予想を従来の425億円から460億円(会社計画は410億円)に上方修正した。

■荏原 <6361>  5,720円 (+150円、+2.7%)

荏原製作所 <6361> が4日続伸。SMBC日興証券が1日付で同社の投資判断「1(強気)」を継続し、目標株価を7000円から8300円へ引き上げた。レポートでは、精密・電子事業はコンポーネントやCMP装置の受注が堅調なうえ、顧客工場稼働率の上昇で収益性が高いアフターサービスも増加していると報告。また、風水力事業はロスコストの減少や選別受注の徹底により新規製品の採算改善が徐々に進んでいると評価している。これを踏まえ、21年12月期の営業利益予想を485億円から580億円へ、22年12月期を600億円から708億円へそれぞれ上方修正した。

■サンコテクノ <3435>  924円 (+24円、+2.7%)

サンコーテクノ <3435> [東証2]が5日続伸。2日、警察庁が「白ナンバー」車を業務で使う事業者に対し、22年4月からアルコール検知器による運転手の飲酒検査を義務化する方針にあることが複数のメディアによって報じられており、これを受けて同社株に思惑的な買いが入ったようだ。同じく、アルコール検知器を手掛ける中央自動車工業 <8117> [東証2]も高い。

■JTOWER <4485>  8,980円 (+220円、+2.5%)

JTOWER <4485> [東証M]が反発。1日の取引終了後、東京都と西新宿エリアにおけるスマートポールの面的設置に関する協定を締結したと発表。東京都が実施する「令和3年度西新宿エリアにおけるスマートポールの面的設置、運用及び検証事業」に関し、同社と東京電力パワーグリッド(東京都千代田区)、東日本電信電話(NTT東日本、東京都新宿区)とともに共同提案し採択されており、今回JTOWERが代表事業者となって都と協定を結んだ。同事業では、5Gアンテナ基地局やWi-Fiなどの機能を搭載したスマートポールを20基設置し、各種実証事業などの取り組みを行うとともに、スマートポールの他地域への展開を見据えたビジネスモデルの構築を目指す。

■イチネンHD <9619>  1,270円 (+17円、+1.4%)

イチネンホールディングス <9619> が3日続伸。1日の取引終了後、上限を40万株(発行済み株数の1.65%)、または5億120万円とする自社株を2日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、消却を前提とした自己株式を取得するとしている。

■SB <9434>  1,508.5円 (+19.5円、+1.3%)

ソフトバンク <9434> が3日続伸し、3月29日につけた年初来高値(1502円)を5ヵ月ぶりに更新した。業績は最高益基調と堅調で、足もとの配当利回りは5.7%と高く見直し買いが流入している。また、1-3月期決算銘柄の東証株価指数(TOPIX)の浮動株比率(FFW)が10月末に見直されることも株価のプラス材料となるとの期待もある。東証は10月7日にFFWの見直し結果を発表するが、SMBC日興証券では、これに伴い同社株には約22日分の買いインパクトが発生すると予想している。10月28日の引けにリバランスが実施される見通しであり、同社株の押し上げ要因としても注目されている。

■東エレク <8035>  48,030円 (+550円、+1.2%)

東京エレクトロン <8035> 、レーザーテック <6920> など半導体製造装置大手や、SUMCO <3436> などシリコンウエハーメーカー、車載マイコンを手掛けるルネサスエレクトロニクス <6723> など半導体関連が高い。前日1日の米国株市場では半導体関連株が高安まちまちの展開でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は続落となったが、画像処理半導体大手のエヌビディア <NVDA> がプラス圏で引けるなど強い銘柄もあった。半導体の需給逼迫状態に変わりはなく、4-6月期のシリコンウエハーの出荷が2四半期連続で過去最高を記録(面積ベース)したことが伝えられている。東京市場では外資系証券などによる半導体セクターの評価引き下げに伴いショートポジションがかさんでいたこともあり、その買い戻しが引き続き中心とする主力銘柄の株価に浮揚力を与えたもようだ。

※2日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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