3日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場はまちまち、雇用統計の悪化で回復減速を警戒

市況
2021年9月6日 6時17分

■NY株式:米国株式市場はまちまち、雇用統計の悪化で回復減速を警戒

ダウ平均は74.73ドル安の35,369.09ドル、ナスダックは32.34ポイント高の15,363.52で取引を終了した。

8月雇用統計の雇用者数が予想を大幅に下回る伸びに留まったため、景気回復ペースの減速を警戒した売りが広がり、寄り付き後、下落。同時に賃金が予想以上の上昇を示したため、高インフレへの懸念も再燃し特に景気循環株が売られ、ダウは終日軟調に推移した。一方、ハイテク株の買いは根強く、ナスダック総合指数は連日史上最高値を更新し終了。セクター別では、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方、運輸・各種金融が下落した。

半導体のエヌビディア(NVDA)はアナリストの目標株価引き上げを受けて上昇。同業のブロードコムは、四半期決算の内容が予想を上回ったほか、5G対応のスマホ市場の需要が好調で楽観的な見通しを示し、買われた。動画配信のフーボTV(FUBO)は、アイオワ州に続きアリゾナ州でオンラインギャンブルサービス供給を巡るライセンスを取得したことが好感され上昇。一方、在宅フィットネス事業を展開するペロトン・インタラクティブ(PTON)は、同アプリの利用が過去4カ月間で42%減落ち込んだとの報道が嫌気され、売られた。航空会社のデルタ(DAL)、ユナイテッド(UAL)やクルーズ船を運営するカーニバル(CCL)などは強い回復への期待後退で、売り上げ鈍化懸念が広がり、それぞれ下落。

食品医薬品局(FDA)は新型コロナワクチンのブースター(追加免疫)接種にはさらなる調査が必要と、政府に接種を進める計画をとどまるよう要請したと報じられた。

(Horiko Capital Management LLC)

■NY為替:ドル弱含み、8月の米非農業部門雇用者数は市場予想を大幅に下回る

3日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円97銭から109円59銭まで下落し、109円72銭で引けた。この日発表された8月米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びは市場予想を大幅に下回ったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和縮小計画を発表するとの思惑は後退し、ドル売りに拍車がかかった。しかしながら、その後発表された米8月ISM非製造業景況指数は予想を上回ったこと、8月雇用統計で平均時間給の伸びが予想を上回ったことから、長期金利が上昇に転じると、ドルは下げ止まった。

ユーロ・ドルは1.1909ドルまで上昇後、1.1866ドルまで下落して1.1877ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)がパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模削減を第3四半期から開始するとの思惑がユーロを押し上げた。ユーロ・円は130円74銭まで強含んだのち、130円19銭まで反落。ポンド・ドルは1.3824ドルから1.3892ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9116フランまで下落後、0.9159フランまで上昇した。

■NY原油:反落、需要増の思惑後退で売り強まる

3日のNY原油先物10月限は反落(NYMEX原油10月限終値:69.29 ↓0.70)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は、前営業日比-0.70ドルの69.29ドルで通常取引終了。時間外取引を含めた取引レンジは69.05ドル-70.53ドル。8月米雇用統計発表後に70.53ドルまで買われたが、連休前のポジション調整的な売りが増える展開となり、通常取引終了後の時間外取引で69.05ドルまで下落している。将来的な需要増大の思惑は後退したことも原油先物の下げにつながった。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 41.05ドル +0.03ドル(+0.07%)

モルガン・スタンレー(MS) 104.25ドル -0.58ドル(-0.55%)

ゴールドマン・サックス(GS)411.31ドル -3.19ドル(-0.77%)

インテル(INTC) 53.51ドル -0.22ドル(-0.41%)

アップル(AAPL) 154.30ドル +0.65ドル(+0.42%)

アルファベット(GOOG) 2895.50ドル +11.12ドル(+0.39%)

フェイスブック(FB) 376.26ドル +0.98ドル(+0.26%)

キャタピラー(CAT) 210.37ドル -1.41ドル(-0.67%)

アルコア(AA) 47.21ドル +0.30ドル(+0.64%)

ウォルマート(WMT) 149.25ドル +0.69ドル(+0.46%)

《ST》

提供:フィスコ

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