株価指数先物【寄り前コメント】 中国の金融市場の混乱によりイレギュラー的な価格形成となる可能性
シカゴ先物 29505 -845
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
20日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダック主要な株価指数が下落。香港市場では過剰債務で資金繰り不安が高まる中国恒大が10%を超える下落となるなど、同社のデフォルト(債務不履行)危機が警戒されるなか、ハンセン指数が3%を超える下落となった。中国の金融市場の混乱が海外に波及するリスクが警戒され、幅広い銘柄に売りが広がった。S&P500業種別指数は全面安となり、自動車・同部品、エネルギー、銀行、半導体・同製造装置の下落が目立っている。
シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比845円安の2万9505円と大台の3万円を大きく割り込んで取引を終えた。日経225先物のナイトセッションは、次期デリバティブ売買システム(J-GATE3.0)に伴う移行作業のため、取引を停止していた。
本日はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、ギャップダウンで始まることになろう。インデックスに絡んだ売買が集中するなか、イレギュラー的な価格形成となる可能性が高そうだ。中国恒大が23日に社債の利払い期日を控えていることもあり、最終的に中国政府が大規模介入など救済に動き出すかを見極めることになりそうだ。
金融市場の混乱は避けられないものの、国内では次期政権に対する政策期待が根強い。急落に伴うヘッジ対応の先物売りが強まる一方で、8月末以降の急ピッチの上昇によって、これまで買い手当てができていない投資家にとっては、押し目買いの好機となる可能性がありそうだ。また、足元で海外投資家の日本株比率を引き上げる動きがみられており、アジアを対象としたファンドなどにおいて、リスクヘッジとしてより日本株比率を引き上げる動きが意識されそうである。
VIX指数は25.71に急伸し、一時5月半ば以来の水準まで上昇している。リスクオフの動きではあるものの、売り一巡後の押し目狙いのタイミングを探るスタンスになろう。
株探ニュース