話題株ピックアップ【昼刊】:VIX短先物、エアトリ、JAL
■VIX短先物 <1552> 2,413円 +214 円 (+9.7%) 11:30現在
国際のETF VIX短期先物指数<1552>が一時、前日に比べ10%超高と大幅続伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。28日の米VIX指数は前日に比べ4.49(23.93%)ポイント高の23.25と急伸した。一時、24.82まで値を上げる場面があった。米長期金利の上昇でインフレ懸念が高まったほか、米国の債務上限問題も警戒されるなか同日のNYダウが大幅安となった。これを受け、この日の東京市場ではVIX短先物が上昇している。
■エアトリ <6191> 3,760円 +210 円 (+5.9%) 11:30現在 東証1部 上昇率5位
エアトリ<6191>は全体急落相場に抗して大幅高に買われ、年初来高値を更新した。なお、同社の上場来高値は2017年2月につけた3920円であり、最高値にもあと100円あまりに迫った。航空券予約サイトを手掛けるがコロナ禍にあっても投資事業の貢献や合理化努力などが発現し、業績改善色が強い。また、緊急事態宣言の全面解除が見込まれるなか収益環境への追い風は更に強まる見通し。21年9月期営業損益は前期の89億9400万円の赤字から一転、40億円の黒字見通しで過去最高利益の大幅更新が見込まれている。
■タカラスタンダード <7981> 1,640円 +32 円 (+2.0%) 11:30現在
タカラスタンダード<7981>が大幅反発。28日の取引終了後、22年3月期業績予想の上方修正を発表。売上高を1943億円から2023億円(前期比5.8%増)へ、営業利益を116億円から140億円(同27.7%増)へ増額しており、これを好感した買いが入っているようだ。コロナ禍における新しい生活様式の浸透に伴うリフォームニーズの拡大が追い風となっている。上期にリフォームにおける売上高が想定以上に伸びたほか、働き方改革による経費削減効果もあったことから、これを踏まえて通期見通しを見直した。
■乃村工藝社 <9716> 1,033円 +19 円 (+1.9%) 11:30現在
乃村工藝社<9716>は反発し年初来高値を更新。28日の取引終了後、集計中の22年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結業績について、売上高が430億円から437億円(前年同期比18.7%減)へ、営業利益が収支均衡から9億2000万円(同61.9%減)へ、純利益を2000万円から7億2000万円(同48.8%減)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感されている。売上高が想定を上回ったことに加えて、着実に原価低減に取り組み、各プロジェクトの利益率が向上したことが要因。また、人件費及び経費の削減を進めたことも寄与した。
■チャームケア <6062> 1,656円 +25 円 (+1.5%) 11:30現在
チャーム・ケア・コーポレーション<6062>が4日ぶりに反発。28日取引終了後、介護付き有料老人ホームを運営するライク(大阪府八尾市)の全株式を取得し連結子会社化すると発表しており、これが好感されている。取得価額は概算で約45億円。ライクは大阪府の八尾市、池田市、堺市及び大阪市西区で4ホーム、410室の介護付き有料老人ホームを運営している。チャームケアはライクが展開する市区に施設がなく、ライクの株式取得を通じて近畿圏の展開エリアを拡充する方針だ。なお、22年6月期の業績に与える影響については現在精査中としている。
■日本航空 <9201> 2,625円 +24 円 (+0.9%) 11:30現在
日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>が全体急落相場のなかで頑強な値動きを示している。新型コロナウイルスの感染者数が急減し、緊急事態宣言が全面的に解除される見通しとなったことで、経済活動の正常化期待から空運セクターには買いが誘導されやすくなっている。貸株調達を含めた空売り買い戻しなども作用して、株価に浮揚力が働いている。JALは年初来高値まであと120円あまり、ANAHDはあと80円あまりに迫っている。
■日本郵船 <9101> 9,470円 +40 円 (+0.4%) 11:30現在
日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>は朝安後に切り返す展開。海運株はここ中国景気の減速懸念を背景に海運市況がピークアウトすることへの警戒感が意識されていた。8月に入ってから、業績高変化を背景に株価の居どころを大きく変える銘柄が相次いでいたこともあって、利益確定売り圧力が顕在化していた。きょうは9月中間期の配当権利落ち日ということもあり、下値模索の動きを助長しやすい面もある。ただ、今週に入ってからの急落で値ごろ感が生じている。PERなど株価指標面でも割安感が際立つ。押し目買いで売り一巡後は戻り歩調となり、いずれもプラス圏に浮上している。
■ヒューリック <3003> 1,242円 -114 円 (-8.4%) 11:30現在 東証1部 下落率3位
ヒューリック<3003>は急落。株価は前日に比べ9%超安に売られた。23日の取引終了後、国内外で8480万5000株の公募増資を実施すると発表した。また上限919万5000株のオーバーアロットメントによる売り出しも実施する。これを受け、1株利益の希薄化を警戒する売りが膨らんだ。調達資金は約1158億円で、開発・建て替え事業のための投資資金などに充てる。発行価格は10月6日から11日までのいずれかの日に決定する。
■東京エレクトロン <8035> 51,240円 -2,600 円 (-4.8%) 11:30現在
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連株が大幅安、半導体ウエハーを手掛けるSUMCO<3436>、信越化学工業<4063>なども下値を試す展開となっている。前日の米国株市場ではNYダウやナスダック総合指数など主要株指数が揃って急落したが、とりわけ半導体セクターへの売り圧力が顕著で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3.8%安と大幅な下げをみせた。画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が4.4%安、半導体製造装置最大手のアプライド・マテリアルズ<AMAT>は6.9%安と大きく売り込まれており、このリスクオフの流れが東京市場にも波及している。
■日経レバ <1570> 16,570円 -610 円 (-3.6%) 11:30現在
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が急落。日経平均株価にリンクされたETFで価格変動率が2倍に基本設定されていることで、全体相場が上下にボラティリティが高まる場面では個人投資家を中心とした短期資金の売買が活発化する。きょうは、前日の米株市場でNYダウやナスダック総合指数など主要株指数が揃って急落したことを受け、日経平均は寄り付きから波乱含みの下げを余儀なくされており、日経レバもこれに連動する動きとなっている。
■三菱UFJ <8306> 670.8円 -17.9 円 (-2.6%) 11:30現在
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750>など大手生保株が反落となった。ここ国内外で金利上昇傾向にあることを背景に買いを集めていたが、きょうは前日の米株市場波乱を受けた全体地合い悪に流される形となっている。米国ではインフレ懸念が高まっており、長期金利の上昇に神経質となっている。米国事業を手掛ける大手金融株にとって米10年債利回りの上昇は運用環境の改善につながるものの、直近の株価上昇でそのメリットはかなり織り込んできた部分がある。きょうは、配当権利落ち日ということもありメガバンクの下げが助長されている部分もある。
■プレイド <4165> 3,065円 -65 円 (-2.1%) 11:30現在
プレイド<4165>が続落。28日の取引終了後、21年9月期の最終損益見通しを7800万円の赤字から1億1800万円の赤字へ下方修正しており、これが嫌気されているようだ。三井住友銀行をアレンジャーとする総額20億円のシンジケートローン契約を締結することになり、これに伴い発生するアレンジメントフィーなどの諸費用を営業外費用として計上する見込みとなったことが要因。通期の売上高54億3700万円、営業利益1億5100万円とする見通しは据え置かれている。なお、今第4四半期から連結決算に移行するため前期との比較はない。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,647円 -135 円 (-2.0%) 11:30現在
ソフトバンクグループ<9984>は売り優勢の展開で、6500円台で収れんする5日・25日移動平均線を下値抵抗ラインとして意識する状況にある。前日の欧州株市場が全面安商状となり、米国株市場でも長期金利上昇を嫌気してハイテク株比率の高いナスダック総合指数が2.8%安と急落、米ハイテク企業に積極投資する同社株にとって逆風が強まった。中国では不動産大手の恒大集団の破綻リスクが警戒されるほか、中国当局によるネット企業などへの規制強化の動きも、アリババ<BABA>など大手ネット系企業に出資するソフトバンクGにとって懸念材料となっている。日経平均寄与度の高い銘柄であり、株式需給面でもきょうは225先物を絡め不安定な値動きが想定される。
●ストップ高銘柄
グローバルウェイ <3936> 2,680円 +500 円 (+22.9%) ストップ高買い気配 11:30現在
ニッチツ <7021> 3,255円 +485 円 (+17.5%) ストップ高 11:30現在
以上、2銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース