話題株ピックアップ【夕刊】(1):エアトリ、外食チェーン、JAL

注目
2021年9月29日 15時13分

■エアトリ <6191>  3,900円  +350 円 (+9.9%)  本日終値  東証1部 上昇率トップ

エアトリ<6191>は全体急落相場に抗して大幅高、年初来高値を更新した。なお、同社の上場来高値は2017年2月につけた3920円であり、最高値にもあと100円あまりに迫った。航空券予約サイトを手掛けるがコロナ禍にあっても投資事業の貢献や合理化努力などが発現し、業績改善色が強い。また、緊急事態宣言の全面解除が見込まれるなか収益環境への追い風は更に強まる見通し。21年9月期営業損益は前期の89億9400万円の赤字から一転、40億円の黒字見通しで過去最高利益の大幅更新が見込まれている。

■VIX短先物 <1552>  2,402円  +203 円 (+9.2%)  本日終値

国際のETF VIX短期先物指数<1552>が大幅続伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。28日の米VIX指数は前日に比べ4.49(23.93%)ポイント高の23.25と急伸した。一時、24.82まで値を上げる場面があった。米長期金利の上昇でインフレ懸念が高まったほか、米国の債務上限問題も警戒されるなか同日のNYダウが大幅安となった。これを受け、この日の東京市場ではVIX短先物が上昇している。

■ワタミ <7522>  1,108円  +82 円 (+8.0%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

居酒屋・外食チェーンを展開するワタミ<7522>や串カツ田中<3547>、チムニー<3178>、グローバルダイニング<7625>のほか、酒類販売のカクヤスグループ<7686>などが大幅高に買われた。政府は28日、19都道府県に発令している新型コロナウイルスの緊急事態宣言について、期限の30日で全面解除することを決めた。これにより、飲食店に対する酒類の提供制限や営業時間の短縮要請が段階的に緩和されることとなり、関連銘柄に思惑買いが向かった。

■チャームケア <6062>  1,681円  +50 円 (+3.1%)  本日終値

チャーム・ケア・コーポレーション<6062>が4日ぶりに反発。28日取引終了後、介護付き有料老人ホームを運営するライク(大阪府八尾市)の全株式を取得し連結子会社化すると発表。取得価額は概算で約45億円。ライクは大阪府の八尾市、池田市、堺市及び大阪市西区で4ホーム、410室の介護付き有料老人ホームを運営している。チャームケアはライクが展開する市区に施設がなく、ライクの株式取得を通じて近畿圏の展開エリアを拡充する方針だ。なお、22年6月期の業績に与える影響については現在精査中としている。

■日本航空 <9201>  2,670円  +69 円 (+2.7%)  本日終値

日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>が全体急落相場のなかで頑強な値動き。新型コロナウイルスの感染者数が急減し、緊急事態宣言が全面的に解除される見通しとなったことで、経済活動の正常化期待から空運セクターには買いが誘導されやすくなっている。貸株調達を含めた空売り買い戻しなども作用して、株価に浮揚力が働いている。

■タカラスタンダード <7981>  1,646円  +38 円 (+2.4%)  本日終値

タカラスタンダード<7981>が反発。28日の取引終了後、22年3月期業績予想の上方修正を発表。売上高を1943億円から2023億円(前期比5.8%増)へ、営業利益を116億円から140億円(同27.7%増)へ増額した。コロナ禍における新しい生活様式の浸透に伴うリフォームニーズの拡大が追い風となっている。上期にリフォームにおける売上高が想定以上に伸びたほか、働き方改革による経費削減効果もあったことから、これを踏まえて通期見通しを見直した。

■乃村工藝社 <9716>  1,020円  +6 円 (+0.6%)  本日終値

乃村工藝社<9716>は反発し年初来高値を更新。28日の取引終了後、集計中の22年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結業績について、売上高が430億円から437億円(前年同期比18.7%減)へ、営業利益が収支均衡から9億2000万円(同61.9%減)へ、純利益を2000万円から7億2000万円(同48.8%減)へ上振れて着地したようだと発表。売上高が想定を上回ったことに加えて、着実に原価低減に取り組み、各プロジェクトの利益率が向上したことが要因。また、人件費及び経費の削減を進めたことも寄与した。

■ヒューリック <3003>  1,255円  -101 円 (-7.5%)  本日終値  東証1部 下落率10位

ヒューリック<3003>は急落。28日の取引終了後、国内外で8480万5000株の公募増資を実施すると発表した。また上限919万5000株のオーバーアロットメントによる売り出しも実施する。これを受け、1株利益の希薄化を警戒する売りが膨らんだ。調達資金は約1158億円で、開発・建て替え事業のための投資資金などに充てる。発行価格は10月6日から11日までのいずれかの日に決定する。

■東京エレクトロン <8035>  51,000円  -2,840 円 (-5.3%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連株が大幅安、半導体ウエハーを手掛けるSUMCO<3436>、信越化学工業<4063>なども下値を試す展開となっている。前日の米国株市場ではNYダウやナスダック総合指数など主要株指数が揃って急落したが、とりわけ半導体セクターへの売り圧力が顕著で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3.8%安と大幅な下げをみせた。画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が4.4%安、半導体製造装置最大手のアプライド・マテリアルズ<AMAT>は6.9%安と大きく売り込まれており、このリスクオフの流れが東京市場にも波及している。

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