ネクスグループ---3Q減収も、IoT関連事業は下期後半に想定通りの受注を見込む
ネクスグループ<6634>は14日、2021年11月期第3四半期(20年12月-21年8月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比34.6%減の33.36億円、営業損失が5.06億円(前年同期は3.36億円の損失)、経常損失が4.39億円(同3.94億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が1.85億円(同11.13億円の損失)となった。
IoT関連事業の売上高は前年同期比70.5%減の3.26億円、営業損失は1.41億円(前年同期は2.35億円の利益)となった。主力製品の「UX302NC-R」が、前期にテレワーク需要に備え多くの受注を得たうちの一部が流通在庫となっており、医療機関などのコロナ対策優先により導入の優先度が下がった案件が出るなどの影響が出ているが、下期後半には想定通りの受注が見込まれる。また、物流向けの受託開発案件も追加での受注が決まるなど、下期に偏重する形で推移する予定である。農業ICT事業(NCXX FARM)では、農作物の生産、加工、販売を行う「6次産業化事業」と、特許農法による「化学的土壌マネジメント」+ICTシステムによる「デジタル管理」のパッケージ販売を行う「フランチャイズ事業」の事業化を推進している。フランチャイズ事業では、2021年6月にはコロナ禍におけるイベント開催としてオンライン圃場見学会を実施した。
インターネット旅行事業の売上高は前年同期比79.5%減の1.22億円、営業損失は1.32億円(前年同期は0.99億円の損失)となった。イー・旅ネット・ドット・コムでは、ワクチン接種がさらに普及した際の旅行需要増加を見込んで、個人旅行者へのサービス拡充を行っている。アジアNo.1体験予約サイト「KLOOK(クルック)」やふるさと納税ポータルサイト「ふるさとプレミアム」と連携した。ウェブトラベルは、年度内の売上増加策として「秋の旅」の国内旅行の販売に注力している。グロリアツアーズは、各大会の受注に向けて営業活動を行っている。
ブランドリテールプラットフォーム事業の売上高は前年同期比22.1%減の26.32億円、営業損失は3.08億円(前年同期は1.93億円の損失)となった。チチカカでは、前期に引き続き、不採算店舗の閉店や人員体制の見直しなどによる構造改革を進めている。店舗事業はまん延防止等重点措置及び緊急事態宣言発出による影響を大きく受け、営業店舗の客数が減少し、売上計画比は94%となった。オンライン事業は巣ごもり需要による前年度売上に対して、それを上回る施策や新たな商品が導入できなかったことが影響して計画比87%となったことを受け、同事業の基盤となるシステム見直しを2022年2月目途に行う予定。ファセッタズムは、ファミリーマートと共同開発したソックス等が好評であるという。
暗号資産・ブロックチェーン事業では、暗号資産市場の動向と資金効率を踏まえた安定的な運用を行い、売上高は2.49億円(前年同期は0.09億円)、営業利益は2.47億円(同0.03億円の損失)となった。
2021年11月期の連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う先行き不透明な現在の状況が、同社グループの事業活動や経営成績に影響を及ぼす可能性があるものの、その影響を現時点で適正かつ合理的に算定することが困難なことから、未定としている。今後、合理的な算定が可能となった段階で改めて公表するとしている。
《ST》