話題株ピックアップ【夕刊】(2):イビデン、松風、トヨタ
■イビデン <4062> 6,670円 +390 円 (+6.2%) 本日終値
イビデン<4062>がマドを開けて上昇、一時490円高の6770円まで駆け上がる場面があった。世界的な半導体需給の逼迫を受けて、大手半導体メーカーの生産増強の動きが相次いでおり、半導体向けセラミックパッケージの大手メーカーである同社の収益環境に吹く追い風が強い。同社は米インテル<INTC>向けでICパッケージが主軸となっているが、本社のある岐阜県で同社では国内最大面積(敷地)となる工場建設に動くことが報じられている。同社は今週末29日に22年3月期上期(21年4~9月)の決算発表を予定するが、きょうは同業の新光電気工業<6967>が前日に22年3月期業績予想の上方修正を発表し、これが好感される形で大幅高を演じており、その流れで好決算先取り狙いの買いがイビデンにも向かった。
■松風 <7979> 2,400円 +139 円 (+6.2%) 本日終値
松風<7979>がカイ気配スタートで大幅高となった。研削材に強みを持つ歯科材料や器具の大手メーカーで、ネイル事業にも展開している。株価は9月17日に上場来高値2344円をつけているが、きょうは気配値のままそこを通過する展開となり、約1カ月半ぶりに最高値街道に再突入している。26日取引終了後に22年3月期通期業績予想の修正を発表した。営業利益段階で従来見通しでは22億4600万円と前期比微減を計画していたが、これを30億1100万円に大幅増額、前期比31%増益となり過去最高利益を更新する見込みとなった。これがポジティブサプライズとなり投資資金の流入を誘った。
■未来工業 <7931> 1,705円 +90 円 (+5.6%) 本日終値
未来工業<7931>が大幅高で3日続伸。26日の取引終了後に発表した22年3月期上期(4~9月)の連結決算は、売上高181億9300万円(前年同期比4.0%増)、経常利益19億1200万円(同18.2%増)となり、これを好感する買いが入った。新設住宅着工戸数が大幅に落ち込んだ前年同期に比べて持ち直しの動きが見られるなか、主力の電材及び管材の販売が回復したことが寄与した。また、原材料単価の下落なども大幅増益につながった。併せて、今期の年間配当を従来計画の40円から50円(前期は40円)に増額修正しており、これも評価材料となった。
■住友ベークライト <4203> 4,950円 +150 円 (+3.1%) 本日終値
住友ベークライト<4203>が後場大幅高に買われた。きょう昼ごろ、22年3月期の連結最終利益(国際会計基準)を従来予想の145億円から176億円(前期比33.4%増)へ上方修正すると発表。16期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなり、これを好感する買いが入った。上期において、半導体需要の拡大を背景に半導体関連材料の販売が想定以上に伸びたほか、高機能プラスチックの売上収益が増加したことなどを反映した。併せて、年間配当を従来計画の90円から100円(前期は75円)に増額修正しており、これも好材料視された。
■日本ユニシス <8056> 3,260円 +85 円 (+2.7%) 本日終値
日本ユニシス<8056>が後場一段高。同社は午後0時30分ごろ、スリーアイズ(山形県米沢市)のCookieレスディスプレー広告「Candy」について業務提携を締結すると発表しており、材料視された。「CANDY」は昨今の個人情報保護規定などの影響を受ける既存の運用型ディスプレー広告とは異なり、Cookieを参照せず、高精度な記事ターゲティングと最適化運用を全自動で行う次世代型のネット広告配信サービス。日本ユニシスでは提携によって「Candy」の提供および「Candy」の人工知能(AI)が導き出した顧客情報をベースにさまざまな施策を展開し、より効果的なマーケティング活動を支援するとしている。
■日東工器 <6151> 1,979円 +44 円 (+2.3%) 本日終値
日東工器<6151>が7日ぶりに反発。26日の取引終了後、22年3月期の連結経常利益を23億2000万円から29億2000万円(前期比28.9%増)へ上方修正すると発表しており、これを好感する買いが入った。上期において顧客企業の設備投資や生産活動が持ち直すなか、売上高が伸長したことに加え、コロナ禍に伴う対面での営業活動や出張自粛で経費が想定を下回ったことを反映した。業績上振れに伴い、上期配当を従来計画の15円から24円(前年同期は12円50銭)に大幅増額し、年間配当は40円50銭になる。
■岩手銀行 <8345> 1,680円 +32 円 (+1.9%) 本日終値
岩手銀行<8345>が反発。きょう午前11時ごろ、秋田銀行<8343>と包括業務提携を締結することで合意したと発表しており、これが好感されたようだ。両社は今後、地方創生や地域課題の解決、銀行業務以外の新たな事業分野をはじめ、システムやバック業務の共同化などに向けた協業施策を検討していく。
■パルHD <2726> 1,594円 +23 円 (+1.5%) 本日終値
パルグループホールディングス<2726>が続伸。岩井コスモ証券は26日、同社株の投資判断の「A」を継続した。目標株価は1900円(従来2100円)とした。同社はヤングレディス衣料や雑貨を中心に多くのブランドを展開している。第2四半期(3~8月)の連結営業利益は28億3800万円の黒字(前年同期は17億6100万円の赤字)で着地。「3COINS」を中心とした雑貨などが伸長した。22年2月期の同利益は会社予想74億円(前期比5.4倍)に対して75億円を予想。同証券では長期的成長性を評価している。
■マクアケ <4479> 4,585円 +65 円 (+1.4%) 本日終値
マクアケ<4479>が大幅反発、前日比15.3%高の5210円まで買われる場面があった。26日の取引終了後、22年9月期の経常利益(非連結)は前期比41.1%増の4億6000万円になりそうだと発表しており、これが好感されたようだ。同時に発表した21年9月期の同利益は前の期比36.3%減の3億2600万円だった。購入型クラウドファンディングのプラットフォーム「マクアケ」の応援購入総額と売上高は高成長を遂げたが、広告宣伝費や人件費を中心とした先行投資が重しとなり利益は減少した。今期は広告効果によるブランド認知拡大などを背景に、応援購入総額を4割近く伸ばす計画だ。
■トヨタ自動車 <7203> 2,004円 +24 円 (+1.2%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が全体軟調相場のなか前日終値を上回る水準で頑強な値動き。米国ではインフレ懸念を背景に長期金利の先高期待が根強いが、日米金利差拡大の思惑からここ最近は円が売られやすい環境にある。足もとではやや円高方向への揺り戻しがみられるものの、前日よりも円安が進んだ1ドル=114円台で推移しており、輸出セクターのなかでも特に為替感応度の高い同社株には追い風材料となる。同社の22年3月期通期の想定為替レートは1ドル=105円で、実勢はそれより9円あまりも円が安くなっていることから、円安メリットが収益上乗せ要因として意識される状況にある。
株探ニュース