本日注目すべき【好決算】銘柄 JCRファ、コマツ、ローム (28日大引け後 発表分)

注目
2021年10月29日 7時01分

28日の大引け後に決算を発表した銘柄のなかから、業績好調や配当増額など市場で評価される可能性の高い銘柄を取り上げた。

JCRファーマ <4552>   ★上期経常は10倍増益で着地、今期配当を4円増額修正

◆22年3月期上期(4-9月)の連結経常利益は前年同期比10倍の137億円に急拡大して着地。新型コロナウイルスワクチンの原液を販売開始したことに加え、契約金収入が拡大したことが収益を大きく押し上げた。

併せて、今期の年間配当を従来計画の16円→20円に増額修正した。

多木化 <4025>   ★今期経常を一転36%増益・最高益に上方修正、配当も5円増額

◆21年12月期の連結経常利益を従来予想の20.5億円→29.5億円に43.9%上方修正。従来の5.4%減益予想から一転して36.2%増益を見込み、4期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。スマートフォン向け高純度酸化タンタルや自動車関連セラミック繊維向け高塩基性塩化アルミニウムの販売が回復することが寄与。肥料の海外原料市況の上昇に伴う値上がりを見越した駆け込み需要が発生することも上振れの要因となる。  

併せて、期末一括配当を従来計画の45円→50円(前期は45円)に増額修正した。

メディシス <4350>   ★上期経常を27%上方修正・最高益予想を上乗せ

◆22年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の17.5億円→22.3億円に27.4%上方修正。増益率が25.3%増→59.6%増に拡大し、従来の6期ぶりの上期の過去最高益予想をさらに上乗せした。調剤薬局部門で処方箋の単価と応需枚数が計画を上回ったことが寄与。旅費交通費などの経費抑制に加え、一部経費の下期への繰り延べも上振れの要因となった。

ダスキン <4665>   ★上期経常を42%上方修正、通期も増額、配当も15円増額

◆22年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の53億円→75億円に41.5%上方修正。テイクアウト需要の高まりなどを背景に、ミスタードーナツの好調が継続したことが要因。

上期業績の好調に伴い、通期の同利益も従来予想の89億円→105億円に18.0%上方修正。増益率が34.2%増→58.3%増に拡大する見通しとなった。

併せて、今期の年間配当を従来計画の58円→73円(前期は40円)に増額修正した。

F&M <4771> [JQ]  ★今期経常を一転61%増益に上方修正・3期ぶり最高益更新へ

◆22年3月期上期(4-9月の連結経常利益を従来予想の0.7億円→7.5億円に9.9倍上方修正。生命保険営業職員向け経理代行サービスやエフアンドエムクラブの新規会員獲得が想定以上に進み、会費収入が増加したことが寄与。ビジネスソリューション事業で人事労務クラウドソフトの販売が拡大したことも上振れに貢献した。

併せて、通期の同利益も従来予想の11.4億円→19.8億円に74.2%上方修正。従来の7.8%減益予想から一転して60.7%増益を見込み、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。

ニチレキ <5011>   ★上期経常を2.1倍上方修正、通期も増額、配当も2円増額

◆22年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の14億円→29.3億円に2.1倍上方修正。減益率が56.9%減→9.7%減に縮小する見通しとなった。防災・減災や国土強靭化対策をはじめとする工事の進捗が順調だったことが寄与。環境配慮型製品の販売拡大に加え、原材料価格上昇への対応を進めたことも上振れに貢献した。

上期業績の好調に伴い、通期の同利益も従来予想の72億円→82億円に13.9%上方修正。減益率が24.8%減→14.4%減に縮小する見通しとなった。

併せて、期末一括配当を従来計画の38円→40円(前期は38円)に増額修正した。

有沢製 <5208>   ★今期最終を一転25%増益に上方修正、14円増配へ

◆22年3月期の連結最終利益を従来予想の21億円→27億円に28.6%上方修正。従来の2.8%減益予想から一転して25.0%増益見通しとなった。保有する投資有価証券の売却に伴い、売却益を計上することが上振れの主因。

併せて、従来未定としていた今期の年間配当は53円(前期は39円)実施する方針とした。

東邦金 <5781> [東証2]  ★今期経常を一転2.8倍増益に上方修正

◆22年3月期上期(4-9月)の経常利益(非連結)は前年同期比8.0倍の3.9億円に急拡大して着地。自動車用電極部品で使用する材料の市況価格が高騰し、その連動で販売価格が大幅に上昇したことに加え、販売数量が増加したことが収益を大きく押し上げた。半導体市場や自動車業界でタングステン・モリブデン製品の需要が回復したことも業績拡大に貢献した。

併せて、通期の同利益を従来予想の1.7億円→5.1億円に3.0倍上方修正。従来の7.6%減益予想から一転して2.8倍増益見通しとなった。

コマツ <6301>   ★今期税引き前を28%上方修正、配当も18円増額

◆22年3月期の連結税引き前利益を従来予想の2170億円→2770億円に27.6%上方修正。増益率が33.3%増→70.2%増に拡大する見通しとなった。新型コロナウイルス感染症の影響が縮小するなか、欧米やアジアを中心に建設機械や鉱山機械の販売が伸びる。販売価格と原価の改善に加え、円安による収益押し上げ効果も上振れに貢献する。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の62円→80円(前期は55円)に増額修正した。

オムロン <6645>   ★今期税引き前を40%上方修正・7期ぶり最高益、配当も6円増額

◆22年3月期の連結税引き前利益を従来予想の670億円→940億円に40.3%上方修正。増益率が2.9%増→44.4%増に拡大し、7期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。半導体や二次電池などデジタル業界を中心に設備投資需要が拡大するなか、制御機器事業の収益が想定以上に伸びる。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の86円→92円(前期は84円)に増額修正した。

併せて、発行済み株式数の1.64%にあたる330万株または300億円を上限に自社株買いを実施すると発表。

マクセル <6810>   ★今期最終を63%上方修正、配当も16円増額

◆22年3月期上期(4-9月)の連結最終損益は39.7億円の黒字(前年同期は8.4億円の赤字)に浮上して着地。民生用リチウムイオン電池の販売が想定より伸びたほか、自動車・半導体関連製品が好調だったことが寄与。プロジェクターの欧米向け最終販売が計画を上回ったことに加え、原価低減なども利益拡大に貢献した。

併せて、通期の同利益を従来予想の35億円→57億円に62.9%上方修正した。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の24円→40円(前期は無配)に大幅増額修正した。

ミナトHD <6862> [JQ]  ★今期経常を2.1倍上方修正

◆22年3月期の連結経常利益を従来予想の2.4億円→5.1億円に2.1倍上方修正。増益率が20.6%増→2.6倍に拡大する見通しとなった。世界的な半導体不足の影響で部材調達の意欲が高まり、メモリーモジュールの販売が想定より伸びることが寄与。デバイスプログラマ関連やタッチパネルの需要が回復するほか、ROM書き込みサービスなども堅調に推移する。また、足もとの円安進行もプラスに働く。

ローム <6963>   ★今期経常を38%上方修正、配当も10円増額

◆22年3月期の連結経常利益を従来予想の480億円→660億円に37.5%上方修正。増益率が18.0%増→62.3%増に拡大する見通しとなった。自動車関連や産業機器向けの好調が継続するほか、家電や事務機向けなども伸び、売上高が計画を10.0%上回ることが寄与。円安進行による為替差益の発生も利益を押し上げる。

業績上振れに伴い、今期の年間配当を従来計画の150円→160円(前期は150円)に増額修正した。

建設技研 <9621>   ★今期経常を一転21%増益・最高益に上方修正

◆21年12月期の連結経常利益を従来予想の49億円→63億円に28.6%上方修正。従来の6.1%減益予想から一転して20.8%増益を見込み、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。国内建設コンサルティング事業が国土強靭化の推進などを背景に受注が好調なうえ、業務単価の上昇や業務生産の効率化も寄与する。また、英国経済が持ち直すなか、Waterman Groupの業績が回復することも上振れに貢献する。

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